ぽんかん⑧展と俺ガイル小説の魅力

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている

通称"俺ガイル"という小説があります。ぼっち哲学という異名もあり、常人とは見方・考え方が変わっている高校生主人公のはちまんが哲学的要素を入れながら一人称視点で語られていく物語です。

現在小説の10巻あたりまで映像化ということでアニメ化されました。青春群像小説の金字塔と言われ、この作品は多くの人が知っているのではないでしょうか。というか

渡航先生の洗練された文章に魅了される

自分は月に10冊くらい読みたい物とか読んでいるシリーズの続刊、新規開拓と・・・読んでいて一般文芸、ラノベ、単行本を読後に簡単な感想文を添えて読書メーターに記録してます。

中でもジャンルによりますが俺ガイルは読んできた作品の中でも逸脱している作品であると、神であると読後に実感しています。

ラノベ読んでいるみんなが俺ガイルを神って崇め奉っているし、多くの人が今の中高生に読んでほしいと言う。

大人でも人の醜さと美しさに触れる意味では幅広い世代に読まれるべき小説ですよね!!どうかタイトルがあれだから、ラノベだから、イラストが・・・と下卑た目線を向けないでほしい。

今回はそんな俺ガイル小説のイラストを担当しているぽんかん⑧さんが描いたイラストが展示されているイベントに行ってきました。俺ガイルの魅力も併せて記録・発信していきます。

また俺ガイル小説の勧めということで僭越ながら魅力を書いていきます。神の小説の魅力を語るなんて、なんとおこがましいかと感じながら・・・

イベントの概要としては、最終巻である14巻の発売を記念して催されたイベントです。

14巻が3月から4月へ、4月から未定へ・・・と発売が延期されてしまいました。兼業作家である渡航先生お忙しいから・・・

イベント期間は前半、後半があって前半が小説1~6巻、後半が7~13巻に載っていたイラストが展示されています。

イラストは小説のカラー口絵とモノクロの挿絵です。

名シーンが文とセットで展示されているので当時読んだところを思い出して身に沁みる。写真は小説9巻の憂悶するはちまんに平塚先生が解決の助言を呈している名シーン。

翌日のはちまんの言動に考えに目頭が熱くなった。

11巻か12巻あたりで、interludeというパートで、由比ヶ浜や一色、春乃の視点で語られるところがあります。絵は12巻の最後の方。とあるはちまんの行動に由比ヶ浜が思ったことを彼女の視点で語ります。

小説の1巻の表紙に似てますね。ぽんかん⑧さんが描くイラストは巻数を重ねていくと変化していくんです。研ぎ澄まされて進化していくような。

俺ガイル小説の魅力

どうか書店にいって1巻を手にとって数ページめくってほしいんですけど、はじめに

【高校生活を振り返って】

というはちまんのレポート用紙が載っています。

初めの1文が青春とは嘘であり、悪である。結論がリア充爆発しろ です

国語学年3位で読書家のはちまんです。ぶっとんだレポート用紙を提出したので平塚先生に人との付き合い方を学べと言われ奉仕部に入部させられ才色兼備で友だちがいない冷徹で怜悧な雪ノ下と出会います。そこで後からはちまんが言うビッチである由比ヶ浜が加わり計3人で奉仕活動を行っていく物語。

青春群像小説は高校生一人一人の個々の生き方や関わり、全体像として青春を描いていくもの。

現実的に考えられない上手くいっているモテモテの主人公や何か無双する物、俺TUEEE系、ふわふわとした物語とは

一線を画する小説です。

描かれるのはリアルな人間関係。学生生活を通ってきた者、通っている者が必ず抱いた心の問題、人の醜さや美しさ、儚さを純文学、一般文芸を読みふけったはちまんが鋭い切り口で

人とは

みんなとは

学校とは

社会とは

と哲学的要素を含みながら語っていきます。1~3巻はエンターテイメント性に重きをおきつつ各キャラの個性を読者に紹介して4巻からもう化けた小説だと実感しています。ラノベの魅力である巻数を重ねるごとに物語に深みが帯びてくる魅力も相まって。

読者の方は渡航先生の文章は6巻から化けると言っています。全巻通して最高ですけども!

場の空気感や心の距離感、抽象的な模糊とした感じをはちまんがキレッキレの洗練された文章で語っていくのはもう、ファンの間では一般的な純文学小説を凌駕しているのではないかと囁かれているほど。

すごい得心がいく落としどころがあって物語を楽しみながら考えさせられる、感慨深い小説で、その醍醐味である物語を通じて得られる見方・考え方の深みを身に沁みて感じることができる。

まるで物事を俯瞰した上で行動しているはちまんですが、俺ガイルのテーマってなんだろうって考えた時、自己犠牲で成り立つ平和なんだろうか。

彼に向けるクライメイトからの視線は悲しいものです。目つきが悪い、気持ち悪い、存在自体が空気と、スクールカーストでいうと最下層にいるはちまん。

本人も大いに自覚していますが、自分自身には満足しています。逆説的にぼっちは最強であると論理的に、自虐的に語られていくシーンが多々あります。彼の思考の転換にも感嘆する。

決して自己憐憫には陥っていない

物事において上辺だけものになんて意味なんてない、本質を見極めていてはちまん自身には己の軸をしっかりもっていてぶれない。

そんなはちまんの姿勢とかクライメイトは知らず、成り立つ平和が彼の貢献によるものだと認識されない。

何か問題を解決する時にはちまんは矯めつ眇めつ検討します。当事者たち、周りの人間たちも含めて誰一人傷つくことや犠牲によって成り立つ解決をはちまんは望まない。

誰か傷つく、犠牲にならなければならないなら誰がその重荷を背負うのか?

はちまんです

そんな身を生贄にしている様相を多くの人は知らない。奉仕部の二人がだんだんと・・・

そして先生がはちまんに言うんです・・・

"比企谷、誰かを助けることは、君自身が傷ついていい理由にはならないよ"と。

はちまんの見方・考え方の深さはアニメ(3期製作決定!)と小説では大陸棚と日本海溝くらい違います。

渡航先生の練磨を重ねた文章の魅力を体得してください。巻数を重ねることによって変化するはちまんの考え方も。

スポンサーリンク