無職転生  異世界行ったら本気だす 4 ギレーヌの故郷へ
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 4 (MFブックス)Amazon

理不尽な孫の手(著)
〇あらすじ〇
突如として発生した魔力災害によって、魔大陸へと飛ばされてしまったルーデウスと暴力お嬢様のエリス。2人は歴戦の勇者であるルイジェルドの助けを借りながら、故郷であるフィットア領への帰還を目指す。中央大陸へと戻るため、やっとの思いでたどり着いた港町ウェンポート。そこで助けた少女は、なんと噂に聞きし存在の魔界大帝キシリカ!!彼女から礼だと授けられた新しい力、「魔眼」とは…!?憧れの"人生やり直し型"異世界ファンタジー第四弾!

はじめに世界地図があって各大陸名がのっていた。着々と目的地に近づいるようでもやはりフィットア領が遠い。

魔眼、開眼。

魔界大帝キリシカと出会い、魔眼を授かったルーデウス。予見眼という。いくつかある魔眼のうち一番戦闘に役立つ予見眼を選択して、最大で1秒先の未来を見ることができるようになったルーデウスはとんだ贅沢に恵まれたと思う。未来が見えるんじゃ一気に俺TUEEEE系主人公になっちゃっかと思ったら歴戦の猛者のルイジェルドには負けてしまうのでそこまで今後魔眼に頼りきった展開にならなそうで安堵した自分がいる。
模擬戦で実直に鍛錬を積み上げて自信をみなぎらせたエリスを簡単に屠ってしまってエリスが落ち込み、ルーデウスに少し嫉妬を覚えてしまうのは同情してしまうんだよね。ずるいと思ってしまうし、ルーデウスの横に並びたくて努力を重ねたきたエリスにとっては、ルーデウスがさらに遠い存在になってしまったんだろうか。
だからって長く気持ちをひきずることなくルイジェルドから剣術を学び、倒れては感覚時につかんだものを血肉化するために何度でもルイジェルドに教えを乞うエリスは強いと思う。すきま時間があったら剣のすぶりをするくらいただ強くなること一心で剣をとるエリス。剣王ギレーヌ、歴戦の猛者ルイジェルドに師事。
経歴でみてみてみるとすごいな。

人を殺めることを避けたいルーデウスをルイジェルドは汲む

魔物は躊躇なくやれても対人戦となるとどうしてためらいがあるルーデウス。そんなルーデウスに、手を汚すのは自分だけでいいと率先してルーデウスの重荷を背負っていくルイジェルドは頼りになるが、それが今後の悲劇につながらないことを祈りつつ、悲劇な展開があったとしたらルーデウスに世界の残酷さを知らしめ、少年が地の底から立ち上がるなりあがり感動ストーリーも読後の余韻に浸れるような魅力がありそう。躊躇するも、克服するも考えに至った過程がそれなりに克明に書かれれば1読者としては受け止めて続きを読んでいく。



ギレーヌの故郷に赴く

密輸組織との戦いの後、ギレーヌの故郷で3か月ほどすごしたルーデウス一行。
木と木の間に橋を架けて、木の上に集落を構えるギレーヌの故郷はイメージするだけも実際に見てみたい欲にかられる。エリスに仕え、ルーデウスの授業をまじめに聞いて初級魔術を使えるようになった今のギレーヌが信じられないのか実際の兄は大仰に否定の言葉を並べ立てる。エリスは泣きながらギレーヌの兄に抗弁するけど、
気性が荒く大暴れしていたギレーヌしか見てこなかった兄にとっては信じがたいものだったか。
さて、ルーデウスはフィットア領に戻る間に今回のようにギレーヌの故郷を獣族奴隷を企む輩から守り切った。
一回限りのつきあいではなく、今回の善行が今後の物語に絡むことがあったら面白そう。

とある王国の王女と仕える騎士達の物語を描く番外編も好き。前の巻の続きが描かれる。
常軌を逸した性癖をもち、欲に溺れる日々を送っていた王女が1人の護衛の死をきっかけに
王国を統べる者になりあがろうという話。次巻の目次でも番外編として続きがあったのでうれしい。

味わい深い作品を求める人に

硬派戦記「烙印の紋章」「レオ・アッティール伝」を手掛けてきたの著者の新シリーズ。

タイトルで想起される軽やかな筆致の物語ではない。
じんわり温まる小説や心揺さぶられる小説、熱い小説に読んでいれば幾度出会うことはあれど、はじめから最後まで味読ができた上で上記のどれかの小説たり得るものは、電撃文庫でデビューして20年活躍している杉原智則先生の小説が筆頭に挙げられる。面白いシーンで楽しませることも大事だけど小説の本質は、読ませる文章で深い没入感があり、味わい深く読める小説であると思う。物語を形作るのは文章だから。面白い上に味読ができれば、最高な小説に化ける。というのは杉原先生の本を手に取ってパラパラめくれば直感で全体的に文章がぎっしり詰まっていると分かる。とにかく読ませる文章と()のキャラの心の声によるテンポが堪らない。笑みをこぼしたり、ぐんぐんのめり込んだり、ドン!と考えさせられる心境に陥ったりと地の文の多さが魅力にしか映らない小説。会話の勢いでごまかさず、紛れもなく地の文で形作る物語で勝負している小説。
物語は、英雄の1人が災厄を阻止した平定後、敗戦国に立って目のあたりにした事実から自身の正義に問いかけ、悩み、虚飾に満ちた真実にメスを入れる物語。現地に立ってみて体感することは、真実は事実を曇らせるということ。読者の現代に通底するテーマがあり、現実に影響を及ぼす力があるライトノベル。
イラストレーターをかえた2年ぶりの続刊に、作品を追っていた多くの読者が歓声を上げた。

少しでも気になったら、1巻の熱いAmazonレビューの数々をご一読ください!
3巻は2年ぶりの続刊であるにもかかわらず1巻よりも星の数が多いのでファンの方々がどれだけ切望されていたか伝わってくるかのようです。著者はブログやTwitterをやっておらず宣伝は発売時の公式アナウンスだけなので多くの口コミが集まるのはうれしい限り。





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