理不尽な孫の手(著/文)シロタカ(著/文)
〇あらすじ〇
ルーデウスが一人で母親のゼニスを探し始め、数年が経過した。
冒険者として名前の売れたルーデウスのもとに、魔法大学から推薦状が届く!?
母を優先し、一度は入学を見送ろうと考えるルーデウスだったが、夢の中で「人神」にアドバイスを受け、魔法大学に行くことを決意する。
「俺のエレクティル・ディスファンクションは魔法大学で治るんですか人神様！」
無事に合格し入学するも、同じクラスになった特別生たちは問題児揃いで……!?
生前は辛い学校生活を送っていたルーデウスの中のおっちゃん。入学した魔法大学では調べものをしたり興味のある授業を受けたり、再会した者、新たに出会った者とのびのびと学校生活を送っていて楽しそうだ。
3巻の番外編から語られてきたアリエル王女とその配下の者達も同じ学校に通うので、どう関わってくるのか気になるところ
後はネタバレを含む感想～
EDを治すために魔法大学に入学
泥沼の魔術師を配下におきたいアスラ王国第二王女アリエルは、先生を通じてルーデウスに魔法大学入学の招待状を送った。ルーデウスは人神の助言もあり魔法大学でフィットア領転移事件を調べるため、ED治療のため学費免除の特待生として入学して～学校生活が始まった。
そしてフィッツに出会う。フィッツは無職転生4巻の番外編から登場している。ルーデウスと同じく無詠唱魔術が得意で、目を付けたアリエル王女に任命されて今では王女の護衛を勤めている。
ルーデウスはフィッツとは初対面でも、フィッツはルーデウスを知っていて気にかけている様子・・・これはシルフィからの受け売りなのか。おそらくフィッツの無詠唱魔術の師匠はシルフィなんだろうか。
あの"無言のフィッツ"がルーデウスに最初の会話で「・・・うん」って言っているあたりそうとう聞き及んでいそう。
入学試験でルーデウスとフィッツが模擬戦をおこなうが、魔術をディスペルされたフィッツは戸惑ったまま負けてしまう・・・
転移事件がなければエリスの5年間の家庭教師を終えた後、シルフィと魔法大学に入学する予定だったので本来のルートに帰着したと言えるのか。人形を愛し、ロキシーの人形を作ったルーデウスを師匠！と崇める神子である王子ザノバとの再会、4巻の時には既に魔法大学に通っているとされていたドルディア族の２人の族長の娘リニア、プルセナとの出会い。この1巻通しで学校生活を描いて面白かった。
前世の自分と同じ目をしている奴隷少女にカウンセリングマインド
ザノバがかわいそうだ。ルーデウスから教わって自分も土人形を作りたいのに無詠唱魔術ができないのでイメージした魔術で人形を作れなく、魔術は使用せず手作業で削って人形を作ろうと思っても怪力の神子なので力の加減が不自由で壊してしまう・・・ ってことで幼い奴隷に無詠唱魔術を教えて土人形を作ってもらうことになった。
どうやら無詠唱魔術を身に付けられるのはフィッツの自論によると10歳未満らしい。
奴隷少女は虚ろな目をしていた。そんな目をしている者(前世の鏡に映った自分)を何度も見てきたルーデウスだからこそ、奴隷少女の本音を引き出すルーデウスのカウンセリングマインドに脱帽。すごい！
エールなんてのがいかにおためごかしか、ルーデウスの経験則に基づく自論がこの巻で一番印象に残った。
シルフィはルーデウスに気づいてもらえない
シルフィー！ 同じ学校にいるならルーデウスに会えるじゃないか。互いの自立を促すため1巻で離れてしまったから幼馴染との積年の再会とでも言うような万感こみあげる感動の再会・・・！
って思ったらルーデウスに気づいてもらえないだと！？学校生活で何回かすれ違っているようだけど声すらかけられないんですって。これはシルフィ視点で語られている。
シルフィは転移事件後、すぐアリエル王女に助けられて以来彼女のお世話係をしている。
同じ学校にいるので今後なにかのアクションがあるだろう、期待しちゃうな。
シルフィ視点で言うアリエル王女の笑顔は民を導くための作り笑顔らしいので、ここでルーデウスとアリエル王女が邂逅したとき、彼の視点ではどう映るのか気になるところ。
ロキシー人形を壊した者に仇討
怪力の神子ザノバの動きは鈍いらしい。互いの大切な物をかけてリニア、プルセナと決闘して負けてロキシー人形を壊されてしまった。それを知った瞬間のルーデウスは日頃の平静から怒り心頭に発して躊躇なく２人を拉致監禁するという暴挙に出る。
ロキシーのパンツに祈祷を捧げてきたルーデウスは奇襲を企てるほど。
結果的に服従させた。
２人から逆恨みもなく、敬意を表しつつも気やすい関係で傍から見れば友達に見える関係だから距離感としてはちょうどよさそう。
ロキシーうんぬんは心の拠り所なんだろう。
ロキシーとも1巻から会ってないから再会が楽しみだね。
