リビルドワールドII〈上〉 旧領域接続者<br><br>手が届くかもしれないと希望を抱く
リビルドワールドII〈上〉 旧領域接続者Amazon

ナフセ(著/文)吟(イラスト)わいっしゅ(世界観イラスト)cell(メカニックデザイン)
〇あらすじ〇
クガマヤマ都市防衛の緊急依頼での活躍を皮切りに、ハンターとして目覚ましい成長を見せるアキラ。
 周囲のハンター関係者達の間でも注目を集める存在となっていくアキラに対し、ドランカムの若手ハンター・カツヤは複雑な思いを抱いていた。
 そんな二人が、再び同じ討伐任務で相まみえる。遺跡の中を群れで行動する強敵ヤラタサソリの殲滅ミッション――アキラには思わぬ護衛依頼も加わって、物語はさらに加速する!

商才をうかがわせるシェリルが凄いのでシェリルの徒党運営に焦点を当てた話もきっと面白そうだと思った。
本巻はアキラ自身の成長に大いに関わるメンタル面の変化の過程が魅力で、自身の力で加速度的に成り上がっていく驀進ストーリーが熱くなっていきそう

はネタバレを含む感想

驕らず客観視できているアキラ

今の力はアルファのサポートあってのもの。驕らず自分を客観視できていて、最終的に自信を身につけて今までできないと決めつけていたものに手が届くかもしれないと希望を抱く過程が興味深かった。面白かった。アルファの指導の下、自身は低く評価しているがメキメキ力をつけているのを実感しているし、先輩のハンターの背中を見て知識・技術は数々のロジックの積み重ねや日々の訓練で会得したものだと再認識できた時、遥か高みの存在だった強さに到達するレールがアキラの中で敷かれたイメージ。 ってところでアルファが一流ハンターと比べればシカラベ、エレナ、サラの実力・装備は全く足りていないという。そして探索でまヤタラサソリを1人で、アルフアのサポートなしで蹴散らすくらいでないと話にならないらしい。ここでアルファは私のサポートなしでって言ったので今後アキラ自身の成長が見られる機会が多くなりそうだ。アルファの目的とはいえアキラは絶大な恩を受けていると実感しないとな! 常に隣にいる存在だと甘んじた時、慢心を招きそうだ。


にしても戦車を貫くような高価な専用弾を本部もちで打ち放題とはちよっと疑似体験したくなっちゃうね。
弾道直線上のヤタラサソリを10体くらいまとめて撃ち貫くって必死なんだろうけど爽快感がわくのは否定できなそう。でも真っ暗だから音が聞こえるのみなのか。

アキラが抜擢されたり、彼の実力が信じられなかったりする者達が第三者を通じて彼の戦歴を聞いて『・・・』ってなる展開は何度見ても面白いな。アキラは意図せずカツヤを刺激しまくっていて周りの女性陣が頭を悩ますことが今後も多そうだ。

レイナお嬢のわがまま

カツヤとは別のベクトルで感情的に問題を勃発するわがままなお嬢の存在が戦場の空気にあわず、それはそれで面白かった。アキラも誠実に答えようとレイナの精神をどん底に叩き落す回答をするもんだから容赦がない。
アキラに政界を担わせたら革命が起きそうだ。どうかアキラが礼節や社交辞令が重んじられる場にいかないよう・・・いったらどんな波乱を招くのか期待してしまうけどw
無駄な受けごたえを素早く終わらすなら棘がない言葉選びでテキトーに流すに限る。中長期的な目線だと真摯に向き合ってくれないやつだと思われて不利になるのかと思うと、なるほど匙加減が難しいぞ?
結果論でレイナは自分の愚行を省みてアキラをひと目置くようになるから今後の絡みが楽しみになった。

力を欲するカツヤに微笑みかける

これが旧世界の幽霊なのか・・・?と謎の美女?美少女に見惚れたけど瞬時に意識を命令通り本部に連絡を入れるカツヤはさすが律儀に生きる男だ。自分なら好奇心が勝ってホイホイついていっちゃうね。何やら語りかけているようだし。
カツヤは無意識に謎の幽霊の力を使って成果を収めているようで、とある一文に、まだ対価は支払われていないという不気味な締めの文言があったのでカツヤは自身の正義を貫けるのか見物だ。
旧領域接続者という言葉があるくらいだから認知してないところで旧領域接続者と出くわしているかもしれないのか。情報端末の性能以上の索敵能力を発揮したり、アルファの視覚サポートの情報で得た通りに壁の調査をしたりしてレイナのメイドに訝しがられるアキラはもうちょっと気を引き締めた方がいいのかもしれない。

助けたいから勝手に助ける

閑話『ハンター志望の少年少女』でカツヤの生き様に感激した。
なんだろう、一言でいうと、"人を助けるということは、撃たれる覚悟があるやつだ" 
助けようとした少女(アイリ)に警戒されて銃口を向けられても、回復薬もあるし一発くらいくらっても平気だと見込んで助け出そうとするカツヤの強固な意志に打ち震える。誰かに呼ばれているような感覚を覚えるというカツヤの能力が知れて、カツヤのヒーローのような風格を再認識できた。
"人が人を助けるのに論理的な思考は存在しねぇだろ"っていうとある名探偵の言葉をふと思い出したよ。
ユミナもカツヤ以上に戦場に戦々恐々せず精神的に強いなぁ~果たすべき使命を常に意識している。だからぶれない。そう思った。

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