リビルドワールドIII〈上〉 埋もれた遺跡<br><br>ユミナはヒロインだよ
リビルドワールドIII〈上〉 埋もれた遺跡Amazon

ナフセ(著/文)吟(イラスト)わいっしゅ(世界観イラスト)cell(メカニックデザイン)
〇あらすじ〇
シズカの店で新装備と荒野仕様の車両を手に入れ、ハンター稼業を再開したアキラ。
 次なる目的は、地下に眠る未発見の遺跡の探索。埋もれた遺跡に大量の遺物が残っていれば一攫千金も夢ではない。
 シェリル達を巻き込んだ遺物収集や、手つかずの遺跡を狙うハンター達が引き起こす騒動。そして、カツヤ達との邂逅――。
 地の底に眠っているのは目が眩むお宝か、それとも……?
 ハンター稼業に戻ったアキラとアルファを新たな困難が待ち受ける!

裏表紙に徒党の主要メンバーたちが描かれているのが好感度アップ!いいですね~。カチューシャつけている紫色の髪の少女はナーシャだろうか。リビルドワールドの表紙の絵は裏表紙にもつながっているんだけど、裏に人が描かれるのは3巻のアイリ以来のはず。裏表で1枚の絵を表現する装丁は好み。



死に物狂いの血塗られた戦闘に重きを置いている物語だからこそ、日常パートの話は冴えさえとしていて読み心地がいいと思える。5巻で既刊のどれよりも多く主要メンバーの和やかな?交流を描くことでシリーズを通して戦闘にまつわる話と都市内の話のバランスがちょうどいいと思った。
また5巻まで読んでアルファのアキラの指導が洗練されていて感心する。予想外なことがあっても適宜調整しているんだろうけど大まかな流れとして
自分の助言通りに行動しなければすぐ死ぬということを死に近い体験を踏まえて納得させて洗脳する
→数々の依頼成功による達成感を味わわせ、装備の新調と生活の質の向上によりアルファに御恩を感じるようにさせる
→幾度か自分の実力のみで達成させることで着実に自分の実力が向上していることに気づかさせる、と同時にアルファのサポートのありがたみを再認識
→知識・技術のことならサポートするが物事の判断をアキラにさせる指導により、いざというとき思考放棄して他人任せにせず自身で判断できるよう明敏な頭脳を目指す。
1巻ではアキラを利用してよからぬことを企んでいるようにみえたけど今までの絶大な恩や主要メンバーの窮地を一報してくれるアルファは良人であることを否定できない。

はネタバレを含む感想

買い物で鉢合わせするメンバーたち

アキラの金銭感覚が狂っていることがよくわかる話だった。20万オーラムで驚いてた少年が、100万オーラムでは足りませんか?、ああ、この装備含めて8000万オーラムだ、なんて平易に言っている。
狂ってると言っても浪費せず必要な物を必要十分に買いそろえているので、稼いだ分だけ装備を整えてさらに上の道に成り上がっていると思えば適切な運用ができているんだろうなと。シズカに贔屓にされている上でのアルファの適切な指示と装備の調整が凄まじいんだが。
シェリルとカツヤの対談では、シェリルは打算的にカツヤから話術で情報を引き出そうと思ったけど、カツヤが語る勇気凛々な体験談にカツヤへの評価が上がりすぎて迷いが生じているのが印象的だった。
カツヤと上手く事が運んでいる妄想の中にアキラに裏切られる悲劇なシーンが最後にあったおかげで一旦落ち着くんだけど、シェリルが今後カツヤとアキラの間の架け橋のような存在になったらいいと思った。
アキラがユミナに気を許して会話しているのに内心動揺しているシェリルなので、ドランカムと今後関わることがありそうだw

見捨てるのが最善なら、与えられた力などいらない

未発見の遺跡の注目度をアキラは軽視してしまったと思う。エレナとサラと後でいくか、自分で遺物収集するかにしとけばよかったのに徒党の子どもたちを連れて遺物収集してしまった。それが情報屋にばれてシェリルが攫われたり、多くのグループのハンターが遺跡に集結して、邪魔なハンターを合法的に排除するために各々のハンターがモンスターをおびき寄せたことで惨憺たる戦場と化してしまった。
二度にわたってモンスターがいないことを確認した上でなんとかなるだろうと甘くみてしまったアキラだったのだ。護衛(アキラ)一人に徒党の子どもたちという組み合わせは石橋をたたいてわたっているとはいえないと思った。 遺跡がばれてドンパチが始まったので物語の後半は盛り上がった!!
力を欲するカツヤの心の叫びのシーンと、与えられた力による意図しない最善の選択によってハンターを助けられなかったことで自分が自分でなくなってしまったような思いからの叫びが大いに響く。カツヤの人柄をしっているからこそ本人が抱える煩悶は相当なものだろうと・・・
ユミナとアイリが転落した時、与えられた力による最善の選択は見捨てて身を引くことで自分は生き残れるということ。助けに自分も落ちればモンスターに囲まれて消耗戦になり皆が命を落とすということ。そういう最善の選択なら、そんな力などいらないと、制御をふりきって己の信念を貫き通したカツヤに再び英雄の面影を重ねていた。
結果的にアルファの一言で動いたアキラたちが救ったんでみな無事でよかったんだけど、遺跡内の状況を見通せるアルファがいたおかげだった。アルフアが幽霊に告げた尻ぬぐいなんだろうけど、どんな理由であれ助けてくれたことに変わりない。
残念だけど今後主要メンバーの誰かが死ぬことを覚悟して次巻を読もうと思う。5巻の最後の次巻のあらすじからさらなる激戦が予想される。
必ず生還してほしいメンバーはユミナなんだよね。カツヤを探すために危険な遺跡を1人で奔走して無理を承知の上で想い人のために頭を下げて助けを乞うユミナとかさ、仲間やカツヤの心情を汲んだうえで恐れず勇猛果敢に進むところや、消耗戦で弾切れになって焦りの雰囲気が出るところで、パンチでモンスターを殴り飛ばすから大丈夫と笑みを浮かべて仲間の焦燥感をやわらげるところとかさ、もう、ヒロインだよ。

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