筺底のエルピス 5 -迷い子たちの一歩-<br><br>変わらずもっている大切なもの
筺底のエルピス5 -迷い子たちの一歩- (ガガガ文庫)Amazon

オキシ タケヒコ(著/文)toi8(イラスト)
〇あらすじ〇
殺戮因果連鎖憑依体ーー。遥か古より『鬼』や『悪魔』と呼ばれてきた人類絶滅プロクラム。そんな仇敵に立ち向かうべき狩人たちは、長い歴史の末路に不毛な衝突を繰り返していた。最悪の厄災を生み出す種子となる、白鬼を巡る抗争こそ辛くも終結するも、新たなる鬼の消滅と、時を渡る旅によりこの世にふたり存在することになった乾叶を渦の中心として、傷つき、道を失っていた狩人たちの運命は大きく動き出す。人類の存亡をかけた、影なる戦士たちの一大叙事詩。その新たな章の開幕となる、再起と転換の第5弾。

ネタバレを含む感想

多くの登場人物たちが歩む道を見定める転換点の第5巻だった。ヒューマンドラマがこくて涙腺を刺激・・・
結のぺちんっ!のところは読んでたら視界がにじんでた。
ずっと自分1人で隠し通しておきたかった、大切に人に背負わせてはいけない秘密。一本角によりこの世界線のまだ心の陰りがない乾叶を生かすため死を選びたいが、死んでは廃棄した未来に残してきた大切な人達を思うことができるただ1人の自分がいなくなってしまう。だから何も考えられなくなるくらいの気を紛らわす地獄の道がほしいという叶に、ユーゼフ、百刈圭、結の3連続の叶を発奮させるアタックがどれも胸を打つ。
結のかなえちゃんはかなえちゃんだよ が指している約束のこと。
ユーゼフと百刈圭による、体を張って目覚めさせ、叶自身に気づかせたもの。
空っぽな手だから捨てられず虚無の自分にはなれなくて、空っぽだから何かを、未来をつかみとることができる。廃棄した未来の2年と3か月で空手はより研ぎ澄まされているという。気づかなくても捨てられないから大切にもちつづけていた空手についての言及は感動ものだった!
ここんところ武についてオキシ先生の筆致に惚れ惚れしてた。ユーゼフの生き様と空手の描写がかっこいい。
武の道っていいわ。やってたから共感できるとこあった。


廃棄した未来で失った仲間たちが活躍しているところみられてそんな昔ではないのに懐古の情にかられる感じある。廃棄した未来では悲惨だった中のやりとりだけど。廃棄した未来でも戻ってきた世界でも描かれる人間性は変わらないから魅力的なキャラの活躍読めてうれしい。

そして自分を取り巻く環境のそもそもの謎は何なのか追究しようと始まった勉強会。
今までは生きのびることに傾注していたので、謎を利用していたけど今後は謎をつきつめる物語となっていく。
怖いことは知らない事、自分の進みたい道が分からない事。
人類と鬼の戦いの物語でずっとアクセル全開の筺底のエルピスはすごいなと思いつつ、4巻、5巻、6巻と500ページ近い厚みのある物語はとどまることをしらない魅力が詰まっているように思いました。刊行ペースが空いていても脳裏に焼き付く面白さだし、作品につぎ込むオキシタケヒコ先生の熱量が凄まじいと思う。

スポンサーリンク

Twitterでフォローしよう