孤高の暗殺者は、王女を拾い育てる

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亜逸(著/文)マシマ サキ(イラスト)
〇あらすじ〇
奴隷商を狙う凄腕暗殺者・ラグラス。彼がある日保護した奴隷は亡国の王女・トルテだった。「選べ。ここで死ぬか、生きて仇を殺すか」暗殺者に師事し、眠っていた才能を発揮し始める王女。2人は堅い絆が生まれ……

奴隷制度が浸透している大陸で、奴隷商に攫われた妹を探すため暗殺者となって奴隷商を襲っては妹の手がかりを探し続けるラグラスと、国を滅ぼされて心を閉ざし、生き別れたラグラスの妹に似た亡国の姫君トルテが出会って物語が始まる。この設定だけで興味そそられる。そして、続くシリーズ(続いてください)
追い、追われの緊張感が物語に熱中させる。間にあるラグラスとトルテの日常が微笑ましい。その分、残酷な描写があって感情の上げ下げが魅力的な物語となっていると思う。残酷なところは酷に描いてほしいと思うのでよかった。
意味の異なる数々のラグラスの冷や汗とトルテの一歩一歩、感情の発露、だいぶぶっとんだキャラの登場、切々で成長が感じられる緊迫感ある戦いなど面白い要素がたくさんあった。どうなってんの!?という謎もあり続きが楽しみ。

ネタバレを含む感想

妹の正体がこうだったら面白くなりそうだなっていう期待が事実となってうれしい。こうでなくっちゃ!
どうなるんだろうと今後の期待を膨らませてくれた!
ルファナがどう扱っていくのかも気になるところだけど。トルテになつかれるラグラスを睨むことが多いけど心の奥底ではラグラスを信頼する気持ちがだんだん高まって最後には、知ってしまった事実を彼のためにこうしようと考えているので今後のルファナとラグラスのお話が気になるなぁ~。
トルテを愛してやまないルファナはだいぶぶっとんでいて目が離せない。オンオフのスイッチの切り替えはさすがでやるときはやりきる、トルテの護衛の勤めは凛々しくかっこいい。その分オフのときのトルテへの狂愛が見ていて面白い。ラグラスがカタカナ表記で謝ってしまうほどの強者である。

姉二人をいじって嬲り殺した自分は、自殺ではなく誰かに踏みにじられて殺されるのがふさわしいと思い至るトルテが抱えている気持ちは筆舌に尽くしがたい。どのようにして、心が壊れてしまったかのような己の殺害を乞う虚ろな瞳の亡国の姫君をラグラスがとめるのか。それは彼女に家族の仇をとるという目的を与えてやることだった。
トルテは才能を開花させていき、ラグラスは一線をこえた"こっち側"にトルテがくることを阻止したいのに先延ばしになってしまっている。それが今後どう絡んでくるのか見物だし、早めに軌道修正しとけばよかったと後々後悔でもするのか。
トルテが様々な感情を発露させていったようにラグラスもトルテを通じて、-ルファナのつっこみもあるけどー今までの孤高の暗殺者では出ていなかった様々な表情をしていると思う。1人で色んなとこめぐって妹の手がかりをつかむために奴隷商を襲っては関係者を殺して、有益な情報を吐きそうなやつには拷問にかけて殺戮していった過去(想像)。
トルテに戦い方を教える傍ら、あえてやりすぎた凄惨な現場を見せて彼女が"こっち側"にこないよう画策したり、これを見せたら今の感情を少しずつ出すようになった彼女を再び突き落としてしまうのではないかという危惧を抱いたりとラグラスがトルテを慮っての行動が微笑ましく、彼の中で彼女の存在がだんだんと大きくなっていく心の変容は魅力的に映る。もう、トルテがいないのは考えられないくらいになってる。
トルテも悲痛な絶叫をして絶望的な状況から覚悟を決めて、振り切ってラグラスとルファナと協力して仇敵を打ち倒し、今後は殺すために暗殺術を学ぶのではなく大切な〇〇〇〇〇〇ために暗殺術を学ぶという着地は感動的だった。



ラグラスは、聖騎士に拾われたとあったのでどのような経緯で今のような100人抜き、禁術を習得できるほどの強さを手に入れたのか。1巻通しでラグラスの強さが光ってる。今後過去を詳細に顧みることがあったら楽しく読めそう。だが今は本編の続きだな。過去については山奥の一軒家で家族と幸せに暮らしていたこと、奴隷商に襲われ両親は殺害され妹と別れた後、自分が乗っている馬車がモンスターに襲われて混乱に乗じて逃げ切り聖騎士に拾われたってところか。聖騎士が色々教え込んだのだろうか。

最後に好きなラグラスとトルテのシーンは、彼女が料理を作るところ。
表情が~じ~、から得意げな表情、微笑、微笑以上に緩む一連の流れは印象的。


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