数字で救う! 弱小国家 5 勝利する者を描け。ただし敵は自軍より精鋭と大軍であるものとする。  感想

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長田 信織(著/文)紅緒(イラスト)
〇あらすじ〇
同盟軍本隊の敗北により、ファヴェール王国軍は泥沼の戦争に突入した。
なんとか打開策を見つけようとする女王ソアラと宰相ナオキの二人だったが、武勇と知略に長けた、過去最高の強敵たちがその行く手を阻む。
不利に不運が重なって、
そして、ついにその時は訪れた。
――宰相ナオキ、凶弾に倒れる。
過去最大級のピンチを前に、女王ソアラの決断は……? そしてファヴェール王国の未来は……!?
異世界数学ファンタジー戦記、急展開のシリーズ第5弾!

ネタバレを含む感想

大戦争、大熱気と手に汗握る戦記の熱さがあった。とてもよかった。
数学×戦記。敵から離れた距離で数学的な考えを戦略に生かして戦う、または戦争を支える人員と金と物資の流動を大局的に見て数字で見て適宜判断していくところが今まで見物だったけど、本巻は戦記ならではの戦いに赴く戦士たちの熱い戦意と死中に活を求める気迫さ等、総じて熱いものが込み上げる感情揺さぶられる物語だった。
これが数学×戦記において戦記側に注力した物語を5巻で分厚く出してくれたからこそ、巻数の積み重ねによる各キャラの関係性とか、キャラがたっている状態の活躍とか、連帯感とかいろいろ光ると思う。

敵側にクセ者がいるとやっぱ盛り上がりますね。
狙いがあって守りたいものがあって互いに死力を尽くして戦う。
ハサリアの士気が凄まじかった。劣勢になってひくところをひかずに押し切ろうとするところとか。
犠牲を覚悟の特攻に迎え撃つ側が怖気づくような感じ。戦意が違う。
本巻は今までにないような激しい戦いだ。近くで交わらずにはいられない展開。ひくにひけない。
数学をなかなかいかせない大将同士の読みあいだ。
兵士を数字でみるナオキが、自身がソアラへの遺言に残した幸せになれる確率を減らさないために、最前線に出るところが印象的。無慈悲な総大将ではない、情のある男で勇ましかった。
敵の一矢報いてやろうという気概も好きだ。という感想がもれるので自分はどこか俯瞰して読んでいたのかもしれない。
非情なことにナオキが窮地に陥る一回目のところで、死んでいたとしても物語は面白く展開できる魅力に富んでいたと思う。戦記は死がつきものだと思っていて、名前がないとか、名前があってもわき役とかではなくて、主人公やヒロインを支える重要人物の死を指す。死ぬかもしれないからキャラの生き様を1巻1巻大事に読んでいきたいと思う。今回戦死した重要人物について、確かに読者の中に居座り続けた雰囲気が好きな人物だった。
短いやりとりでもよく印象に残っていて生き様がかっこよかった。

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