
8月はラノベ図書館に行ったのが自分にとって大きな関心事だった。
遠回りでも帰りに寄れる距離だったのでよかった。利用者として通うのは無理そう。

"日本で一番ラノベが読める図書館"ということで。埼玉県所沢市にある角川武蔵野ミュージアムにある。
館内の写真撮影及びブログ発信は許可をいただけたので記録に残すことができた↓
催しについては他に同じ埼玉で開催されている"SHIROBAKO展~SHIROBAKOで学ぶアニメのつくり方~"
が気になってはいたけど行かずに終わってしまった。行ったら2年前のエロマンガ先生展みたく記録に残していたと思う。
以下からは毎月続けばいいと思っている月の本の記録
買った本
ひげを剃る。そして女子高生を拾う。4
明日の世界で星は煌めく
処刑少女の生きる道(バージンロード)3 ―鉄砂の檻―
弱キャラ友崎くん Lv.2
スプライトシュピーゲル 2(Seven angels coming)
テスタメントシュピーゲル 2下

ひげを剃る4巻(特設サイトへ)は2019年4月?5月?に発売予定となっていたが延期になって2020年の初夏に4巻発売のお知らせが出た作品。3巻が出たのが年明けで正月に読んで「みしま・・・みしまぁ!」と、嘆いていたと思う。
アニメ化決定した作品の続刊は必ず出てくれる安堵感はあった。なのでいくらおくれようと、しめさば先生とぶーた先生タッグで突っ走ってほしかった。2人の先生と編集、関わる多くの人の手でつくりあげられた作品なので。
烙印の紋章Ⅰ~Ⅷ
夢に現れる君は、理想と幻想とぼくの過去
オリンポスの郵便ポスト2 ハロー・メッセンジャー

烙印の紋章は硬派な戦記小説を書く杉原先生の過去のシリーズを読みたかったから。
挿絵は猛々しい男が多く、読ませる文章による深い戦記小説は最高。
立場によって悩む自分は何者であるかの問いかけが好き。
杉原先生は現在、叛逆せよ! 英雄、転じて邪神騎士シリーズ(特設サイトへ)を執筆されている。
3巻は2年ぶりの続刊だった。4巻出てほしい・・・
ロードムービーのようなとても面白くはかなげな作品であるオリンポスの郵便ポスト(特設サイトへ)に感銘を受けたので先生の新作(さいはての終末ガールズパッカー)は買いますよっと。オリンポスの郵便ポスト1,2巻読んでから読むと2つの作品のつながりに気づいて楽しい。
つながりについては以下の記録で触れている。
中学生の時に涼宮ハルヒのアニメを見て原作小説を手に取ったのが自分のラノベの原点だ。
分裂まで当時は読んでいたので続刊の驚愕を買ってきた。
大反響だった涼宮ハルヒシリーズの続刊のお知らせは、続刊を読むきっかけとなった。
売った本
あわないと思った作品や、読み返すことがないと判断した可もなく不可もない作品を売ってきた。写真で残す。


読んだ本のまとめ
ネタバレあり
8月の読書メーター読んだ本の数:18
読んだページ数:5828
ナイス数:116

鉄仮面越しに皇子ギル・メフィウスを見たのか。ビリーナ姫の「やっぱり・・・あなたは、嘘つきだ」の一言。 そこからの一度葬った名を、死んだとされた皇子を再び顕現させるこの、胸の高鳴り。込み上げる熱が焦熱と化す。P259の銃口を敵に向けているビリーナ姫の挿絵がかっこよすぎます。次巻で目を覚ましたビリーナは、オルバにどう相対するのか。オルバは、ビリーナに何も包み隠さず打ち明けると約束した後、姿を消すという最悪の裏切りをやってのけった男である。ビリーナは、驚喜と憤激の間で揺れ動くのだろうか。
読了日:08月31日 著者:杉原 智則

自分が得心に至るまで皇子ギル・メフィウスについて不可解な点を追究したい思いから生じるビリーナの行動力と、下手なお芝居には、美点である剛胆さと可憐さがある。皇子は『嘘つき』だと、何かあるに違いないと皇子の部屋をくまなく捜索して失意が色めき立ち、鍛冶師のソダンから、剣闘士オルバに贈ったチェーンつきのメダルを受け取ったときは否応なく現実をつきつけてくるかのよう。だけどそこからの彼女の裏切りの烙印をおされかねない猛進は彼女の悲哀な未来予想図を思い浮かべつつもきっとオルバが引きちぎってくれるのではないかとも思う。
読了日:08月31日 著者:杉原 智則

皇太子ギル・メフィウスはここにいると叫び心肝によびかける流れは本巻で一番印象に残っているところ。タウランには王がいないと前巻から気にかけていて戦を通じて、王や貴族とは民にとってどのような存在であるべきか少し考え、混沌としている乱世で求められる血族の語りが好き。故にアークス・バズガンの功績として歴史に残るよう彼を立たせた。 王侯貴族の風格を漂わせていたが本巻でより光っていた。皆の士気を鼓舞するシーンの数々は読んでいる読者をも燃えさせてくれる。鯨波が小説を超えて読者にも吹きすさぶ勢いだ。
読了日:08月30日 著者:杉原 智則

復讐のために苦難に耐えて、いざ目的を達成したことで剣闘士オルバで、皇子ギル・メフィウスでいる必要がなくなり、タウーリアにシークとギリアムを連れて傭兵稼業を始めることになった本巻は、身分も舞台も関わってきた人物がごっそり変わろうと、新天地でオルバが成り上がっていく面白い物語だった。 ギル皇子を貶める発言の数々をしてしまうところは、言葉にして相手に伝えているようで自分自身に言い聞かせているようだった。文中に、戦場はたくさんの『ロアン』がいたという表現に胸中の心かき乱される情動がこめられていると思う。
読了日:08月29日 著者:杉原 智則

『嘘つき』はビリーナへの最大の譲歩だったのではないか。 烙印の紋章のプロットにうなる。己の命は、あらゆるものをうばった、あらゆるもののためにある、という自分を生かしている初志。途中いくら辛酸を嘗めようと復讐のために生かし、皇子の責務を果たしつつ、その立場でできる権力を用いて用意周到にこの日のためにぶれずにやってきたオルバの労力が凄まじい。ダークヒーローのかっこよさなんて言ったら陳腐に聞こえるくらいオルバは英雄であり、闇の英雄でもあったと思った。
読了日:08月28日 著者:杉原 智則

自分が何者であるのか、何者になれるのか分からない。ないものねだりなんだよなぁ。姫の場合は14歳の少女らしい空隙をみせるところがあるけどオルバの場合は剣闘士でも皇子としてもなかなか周りにみせることがない。が、過去兄ロアンが求めてきた握手の意味、オルバ用の刀を作った鍛冶師が明かした真実を受け止め、1人頂上でぽたぽたと堰を切って出てきた涙を落とすところは、今の立場のオルバがみせた初めての峻烈な感情だったのではないか。これでどう考えが変わるのか杉原先生が丁寧に綴ってくれるだろう。
読了日:08月27日 著者:杉原 智則

剣闘士オルバであり、すり替わった皇子ギル・メフィウスでもある2つの顔をあわせもつ男。 命さえ自由ない奴隷の剣闘士の立場と、己の采配1つで組織を動かせる最上位の立場に立っている皇子が抱える苦心はいかほどか。数日の命と、それをつなぎとめるための食糧を手に入れるため命懸けの奴隷の剣闘士を勤めてきたオルバと、血と腐肉にまみれたメフィウスの娯楽のために命をもてふそぶ側に立っている皇子としてのオルバ。 伝聞ではない、どちらの立場もみわもって体感しているからこその自身への問いかけは印象的。
読了日:08月26日 著者:杉原 智則

剣闘士オルバの凄惨な過去と鍛錬を重ねて鍛え上げられた肉体と、肉体を鍛えて培われた精神的な強さを描き、物語の舞台の最下層にいる人物が瓜二つ皇子とすり替わり、民の窮状を身をもって知っている彼がビリーナ王女と共にどのような采配を振るのか楽しみ。立場がかわって見方・考え方が変わるのか。皇子の立場で陣頭指揮をとって、戦場では剣闘士時代の仮面をつけ、正体を隠して死線に立つ男。憎しみに形を与え、憎しみを切り裂く指針となった剣をふるう意味はかわるのか。オルバとビリーナを筆頭にした国の趨勢を追っていきたい。
読了日:08月25日 著者:杉原 智則

大戦争、大熱気と手に汗握る戦記の熱さがあった。とてもよかった。 数学×戦記。敵から離れた距離で数学的な考えを戦略に生かして戦う、または戦争を支える人員と金と物資の流動を大局的に見て数字で見て適宜判断していくところが今まで見物だったけど、本巻は戦記ならではの戦いに赴く戦士たちの熱い戦意と死中に活を求める気迫さ等、総じて熱いものが込み上げる感情揺さぶられる物語だった。これが数学×戦記において戦記側に注力した物語を5巻で分厚く出してくれたからこそ、積み重ねの魅力がブーストとなって素晴らしい物語
読了日:08月25日 著者:長田 信織

戦記以外の描写を事の背景から現在まで得心がいくように描かれてるのは魅力的。この国の経済の流れを描くのもこの物語の面白いところだと思う。3巻で採用した数学の鬼才少女トゥーナが大活躍の巻でうれしい。ナオキに代わってナオキから教わった数学講座をトゥーナが開く。護衛を勤める傭兵隊長の息子オードッグがトゥーナの解説に頭を傾げたり、力説に圧倒されて「お、おう」となったり、少し共感できたりと様々反応見せてくれて、これが素の反応として読者に近いよなぁと共感できるところが多かった。ソアラ王女はすぐ数学を吸収できるし。
読了日:08月21日 著者:長田 信織

ナオキの数学講座もすごいけどテレンティア嬢の助言も毎度のこと感心させられる。 "これだけなんです"をネタにつなげる展開は上手すぎ。からかいといい助言といい哲学的な話といい、修羅場をくぐってきて培った肝っ玉といい。秀でるところがギャグセンスも含めて光っていてなんていう存在感なんだろう。今回ナオキが距離を縮めたことで有事の際にナオキの感情の揺れ幅が大きくなる場合が出てくるかもしれないわけで、その時理屈か感情かどちらに天秤が傾くのか気になる。だってこの物語は戦記だから。
読了日:08月18日 著者:長田 信織

藻野先生が書く物語の雰囲気が好き。デビュー作のオリンポスの郵便ポストを読んだ時に思った素敵な物語への誘引が本巻も健在で、同じ著者だからこそできる設定により想像するのが楽しくなる余情を残してくれている。感傷的になりつつも、ふと笑みをこぼしてしまう温かみがあり、強く共感するメッセージ性がある。2人の物語であり、レミの物語でもありリーナの物語でもある。2人それぞれの視点と3人称視点から丁寧に描かれてとてもよかった。
読了日:08月17日 著者:藻野 多摩夫

前巻がオリンポスの郵便ポストまでの旅路なら2巻は登場人物たちの心の旅路であると。 旅なんだから途中で立ち止まって悩んでもいい、中々吹っ切れない思いに胸を焦がし、切々とした時間を過ごしてもいい。だけど過去には戻れず立ち止まるか、寄り道か、前へと進むしかないわけだ。 2巻に出てくる登場人物の多くが過去を引きずっていた。懊悩して、衝突して、吐露して、打ち明けず心に留めておいて。過去を共有して相談して気づかされて、過去の時間が今の、これからの自分の支えとなっていることが心の旅路の1つの答えなのかなと思った。
読了日:08月16日 著者:藻野 多摩夫

オリンポスの郵便ポストという世界に浸っていたいと思った。ああ、これは物語だ、これが読書体験だ、これが物語で勝負している魅力的な小説であると久々に思えた。この物語を通じて、エリスが夢も希望もなくて、過去をばっかり見て生きたっていいじゃないかという考えと、 これからも手紙に託された想いを届けること、火星はまだ生きていて惑星改造の夢はまだ終わっていないから生きていくと希望をもてた着地はロードムービーのようで感動した。著者の物語が好きな思いが瑞々しい文体に表れていると思うんですよね。
読了日:08月14日 著者:藻野 多摩夫

臣下がナオキとソアラが見ている"世界"を教えてくださいと興味を示したところは2つの意味で大人の貫禄をみせたと思う。1つは数学的な考えを組み込んだ戦いのシミュレーションの有用性に気づいたとこ、もう1つは臣下がソアラが見ている世界を理解しようとする懐の深さをみせたところ。作戦会議では二人だけが知っている数学用語で臣下に疑問をもたれるし、2人から数学のよさを伝える機会さえもたない始末。今回の臣下の動きは感謝に値するものだと思う。今巻から登場したテレンティア最高。国の運営陣を一枚岩にしてくれそうな感じがする。
読了日:08月08日 著者:長田 信織

数学×戦記ということで期待以上の面白さだった。数学を駆使して事が上手く運ぶ場合と、時をこえる数学といえども『心』をもつ人たちの物語である以上どうしても数学の解のようにスッキリと解決できない難しい面が掘り下げて語られて魅力的だった。数学×戦記て、理詰め×人の勢いと熱さの物語。どちらに焦点を当てても楽しそうだし、それらのシナジー効果と物語の積み重ねからさらに相乗効果をうんだらと思うと、このシリーズがもつ物語の可能性に期待しかない。各国の情報と場所が載っている地図があって今後広がっていく世界が楽しみ。
読了日:08月08日 著者:長田 信織

2巻で過去編が出るのは意外だったけど、読み終えるとこの小説は1,2で上下巻構成になっている印象をうけた。敵に代名詞の『彼』と言ったんだろうけど、『助手』や『君』以外で君塚を表現していたところが印象に残った。 本名を知らず彼女を<<シエスタ>>というコードネームで呼び、シエスタは君塚を本名で呼ぶことはなかった。 『君』は君塚のあだ名なのか、人称代名詞なのか。どっちだと思う?と言うシエスタから答えはないまま、シエスタの本名は分からないまま終わるところが二人らしい、探偵と助手というかけがえのない絆の関係だ。
読了日:08月05日 著者:二語十

追い、追われの緊張感が物語に熱中させる。間にあるラグラスとトルテの日常が微笑ましい。その分、残酷な描写があって感情の上げ下げが魅力的な物語となっていると思う。残酷なところは酷に描いてほしいと思うのでよかった。 意味の異なる数々のラグラスの冷や汗とトルテの一歩一歩、感情の発露、だいぶぶっとんだキャラの登場、切々で成長が感じられる緊迫感ある戦いなど面白い要素がたくさんあった。妹の正体がこうだったら面白くなりそうだなっていう期待が事実となってうれしい。どうなるんだろうと今後の期待を膨らませてくれた!
読了日:08月04日 著者:亜逸
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