蒼空はるかな最果て図書館 光の勇者と愛した歌姫 感想

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冬月いろり(著/文)Namie(イラスト)
〇あらすじ〇
休暇のため《最果て図書館》を訪れたルチアと穏やかな日々を送る館長のウォレス。そんな彼のもとに、テオドラからある報せが届く。――ルチアが何者かに狙われているというのだ。
 不穏な空気が漂う図書館に、暁の勇者と共に現れたのは、さすらいの吟遊詩人トネリコ。図書館の中にいるにもかかわらずウォレスが存在を感知できない、「気配のない」少年だった。
 図書館館長になりたいという彼に心を掻き乱されるウォレス。そんな中ルチアが何者かにさらわれて――!?
 かけがえのない女の子を守るため、戦うウォレスの想いは《空間》の意思を超えることができるのか――!
 失われた記憶、リィリの過去、ルチアの歌声に隠された秘密……すべての謎が明らかになるシリーズ最終章!

童心に返る読み手の心を温める優しい物語

本巻から発売から半年。それまでの間、最果て図書館最終巻を"積んでいた"という表現は正しくない。
だって最終巻を読んでしまったら最果て図書館シリーズが終わってしまうから。本から飛び出すかわいい魔物たち、館長のウォレス、鏡越しで出会った魔法石屋で働く少女ルチア、メイドのリィリ、勇者、マリーアンジュとすてきなキャラクターたちが織りなす物語が好きだった。かつての童心を取り戻したかのような、ただただ物語を楽しむという点で作風が好きだった。すてきな温かな物語を女性作家が執筆することでより優しさ溢れる筆致になると思うのだった。戦いが生じる場面でも言葉選びがすてきだと感じた。
最果て図書館シリーズを初めて触れて思った印象が、
『子どもに読み聞かせする様々な優しい生き物達が登場するおとぎ話を、全年齢の心に温かな採光を差すような小説に昇華させた感じ』だった。
読みながら批評項目が挙がっていくようなジャミングがなく、無垢な心で物語を楽しめていた子供の頃。
あるいは多感な子ども時代だからこそ、あれこれ感激だったり不満だったり感情の起伏があった子どもの頃。
童心に返る読み手の心を温める物語だった。
老若男女が手に取って童心に返りながら楽しめて、物語の雰囲気にぴったりな装画の最果てシリーズが読み手の本棚を彩ってくれるだろうと。
編集者が物語の一番の理解者らしいので、冬月いろり先生の物語を、担当者を含めた方々に物語を編んでいただいて新作が出たらうれしいと思いつつ。

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