14歳とイラストレーター4 感想

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むらさき ゆきや(著/文)溝口 ケージ(イラスト | 企画/原案)
〇あらすじ〇
「……イラストレーターって、みんなラノベが好きなんですか?」
悠斗が姉の京橋彩華と競っていた頃――。小倉まりぃの新作のイラストレーターとして、ネットで人気の絵師《白砂》が抜擢される。祝福する仲間たちに、「べつに商業が初めてってわけじゃないし? ふつーでしょ」と余裕を見せていた彼女だったが、何度もボツにされて困惑する。コミケで悠斗を訊ねてきたものの……。一方、つい口を滑らせてしまったナスは、それをキッカケに悠斗へ心の内を語りはじめ。乃ノ香は学校で男子から「作業配信に映っていた」と告げられ、悠斗との関係がついに――!?希望と現実、そして欲望に振り回される、イラストレーターのガチな日常の第4弾!

物語に踏み込んだ感想

好きでもないのに提案はできないんじゃない?

表紙を飾るのは超新星イラストレーター、ペンネーム『白砂』
初のラノベのイラストのお声がけがかかり、人気作家小倉マリィの小説のイラストを担当することになったが・・・小説を読んで設定を理解した上でキャラデザを提案するが編集者はOKでも作家からダメ出しの数々でリテイクの連続。マリィの小説のイラストを手掛けてきた悠斗のアドバイスは、案を出すうえで素地にしなければいけない要素なんだと得心がいくものだった。イラストが権利上で二次創作で、キャラデザが一次創作なんだね。キャラデザにはイラストレーターのオリジナルが加わるからか。そして提案するからには作品への愛がベースにならなければ。そのキャラデザからラノベの第一印象となる表紙を描く。作品の雰囲気にあった絵でその上で3巻にあった通りイラストレーターがのびのびと自分らしさを発揮した絵が理想になるのは学んだけど表紙が物語の雰囲気を表現したものとなっているかについては疑問に少し思った。いや、まず物語の扉に描くイラストだからこそ面陳されたラノベ中で客の目が届くような表紙にしなければならないのか。1人のキャラを目立つように描くことが多いのかって考えると、それは文芸にはあてはまらないと言える。また本の顔をつくるグラフィックデザイナー。本の顔の重要性は、ぼくたちのリメイクを書いている木緒なち先生がLINE文庫で出した『すべては装丁内』を読むと学べる。
イラストには愛情、オリジナル、作風、設定と色々なものが注ぎ込まれているんだなって。
ただ本の作風にあったイラストレーターを選ぶ編集者が起点として肝要だと思う。
その肝要と同音異義語の寛容もまた物語のキーとなってくるわけでイラストレーター白砂は仕事と友達を天秤にかけて悩む。友だちの事情に寛容さを示せない時点で本物の友だちではなく、その友達をもつことに自身のステータス上の価値をおいているだけ。男ならさっぱり縁切れそうだけど女性だと小難しいのだなって。
彼女を動かした悠斗の言葉

「どれほど自分にとって大切な人だろうと、手が止まる原因になるなら、それを遠ざけなければ、創作はできないよ」

P198



そしてナスさん。生真面目な彼女に冗談は通じないんだけど悠斗との関係について、~~だったら、お願いしますと言い切れるところは真面目なだけに真摯に向き合っている姿勢の表れであると思う。
また自己満足をとったらクリエイターには何も残らないって、何のために絵を描いているのかという根源的な自信への問いに結び付くものだった。金やチヤホヤのためではモチベに成り得ず、自己満足こそ自身の『好き』を無から有にする原動力だ。


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