弱小ソシャゲ部の僕らが神ゲーを作るまで 2 感想

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紙木織々(著/文)日向あずり(イラスト)
〇あらすじ〇
廃部の危機を乗り越え、夏休みを迎えた命薫高校ソシャゲ部。四人は茜の推薦によって、優秀な学生が集い、開発したゲームの出来を競う大会へ参加することに!
加えて、解の入部後初めての『開発』に張り切るソシャゲ部の元に、解たちの活躍を知った声優志望の新入部員・夜桜藍奈がやってくる。こうして藍奈も加わり、五人でソシャゲ作りに取り組んでいく……はずが、解がスランプに陥ってしまうだけでなく、絵瑠と藍奈の間にも並々ならぬ確執があって、開発どころではなくなってしまい――!?
第6回オーバーラップ文庫大賞・金賞のソシャゲ×青春ラブコメ、波乱の第二巻!

物語に踏み込んだ感想

臆病風に吹かれる者がいれば、その風を前へ進む追い風にかえるような者がいる。

濃い。創作×青春。1巻で下地を整えた上で、本巻は皆が同じ方向を向いて創作に打ち込んでいくまでのストーリーを濃く描く。新キャラが部活を引っ掻き回し主人公サイドと対峙して創作への思いをぶつけあうような展開かと思ったけど違って、中心に立ってキャラに働きかけて気づかせ、表裏の使い分けがどっちも魅力的に映るほどの役者であり、ただならぬ決意を抱いた一人の少女の物語でもあった。チームで動く上でキャラ同士の衝突から始まり、過去を掘り下げたドラマを描いて青春模様が濃い話だった。一人でできる創作とみんなでないとできない創作。どちらも暗い話と明るい話を取り上げていて、今しかできない部活動の創作だから時間が貴重だし、熱意を共にする仲間との日々が光って見える。そして弱小ソシャゲ部の屋台骨であるガッチャマンの偉大さが伝わる巻でもあった。
1つの成果物が一人の少女の心を震わせ、もう1つの成果物が魔法使いを唸らせる。さすがガッチャマン。2つとも貢献度が高すぎる。プランナーの主人公もそうだし、真のプランナーである著者自身も。
1人のイラストレーターの心を震わせるストーリーは最高の読書だった。目次でいうと『⑭ごめんね』のところ。黒羽の様子と、成果物のしかけの説明中に入る、キャラクターたちの制作中にこぼれた声。歯車がうまくかみあっていた感じでよかったし、このしかけが後半のストーリーでも映えることもよかった。

表紙見て黒羽がイメチェンしたのかと思ったけど新キャラだった。もう一人の主人公のような活躍だった。
周りも魅力的。主人公が卑屈気味になることで周りのキャラの魅力が際立っていると思う。
同じ若さといえど臆病風に吹かれる者がいれば、その風を前へ進む追い風にかえるような背中を押してくれる者がいる。

著者の紙木先生の新刊が2020年12月1日に発売された。新潮文庫nexより

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