らき☆すた絵馬型カレンダーと2020年読書記録

2021年始動

ここ二か月分の本の記録をせず、2020年のお気に入り本のまとめをせず気ままに雑記と今日買ってきたとあるグッズを披露するブログ

雑記とらき☆すた絵馬型カレンダー


人や施設のアナウンスで散々耳に入ってくるコロナちゃんが猛威を振るい日本人の同調圧力発揮の2020年だった。っていま自分で命名したけどネットで調べてたら実在する萌え擬人化されたキャラクターであり、コロナにちなんだ名前を子につけたり、メッセージアプリのスタンプで登場していたりともう共生の針路が示されているようだ。


格闘家には怪我がつきもので、上手く共生していかなければいけないように、コロナちゃんもまた世界の「怪我」とみて今後もつきあっていかなければならないと思った。大晦日の格闘技は毎年環境未来都市で直で見て今年も他の観客と同様、最後の試合ではつい立ち上がってしまうほどの喜びを体現してしまった。
テレビでは中継されなかったが、今年試合経験があるユーチューバー「シバター」が参戦し、格闘技の盛り上げに一番寄与したのは彼なのでないかと思った。

選手登場の時にチャンネル登録者数が110万人のシバターは、ヒカル(登録者数427万人)、てんちむ(登録者数160万人)と共にリングまで向かい会場を沸かせた。シバターのチャンネルの何割かの視聴者が格闘技を見たと思うし、ヒカルやてんちむがツイッターでシバターを主役に格闘技を発信していたので波及効果がすごそう。知らない人に振り向いてもらえる施策としてインフルエンサーの活用は大変有効だと思った。熱烈なファンなら行動を重ねると思うから。
自分が好きな続刊が出てほしいライトノベルを大物ユーチューバーが紹介してくれたらなぁ~てつい思ってしまった。

毎年、美水かがみ先生の4コマ漫画でアニメ化され、聖地巡礼ブームの火付け役となった「らき☆すた」の聖地にいってカレンダーを購入している。2021年版は美水かがみ先生描きおろし!

去年より力いれてる!って去年のこと記録に残してなく一昨年のがあった(文末に、カレンダーないが)
A1サイズ(594×841mm)の絵馬型カレンダー
天井につけたので仰ぎ見れば年間の日にちが一目で分かる!(貼るとこなかった)

らき☆すたの聖地は埼玉県の鷲宮町。聖地といえばリゼロ二期のスバルと父親のシーンで埼玉県幸手市の「権現堂」が映っていたことに気づけなかったことが悔しかった…

らき☆すたOP曲「もってけ!セーラーふく」に鷲宮神社の鳥居とセットで映るお休み処。
その曲は涼宮ハルヒの「ハレ晴れユカイ」同様、楽曲に合わせて踊るキャラクター達が描かれ、多くの視聴者が真似て踊り出す現象を起こした1つでもある。真似しやすい振り付けで簡単に踊れて楽しむことができるよう意図して作られたアニメーション映像

今年も体が資本であることを肝に銘じて生きていきたい。
本の記録をしていきたい。

2020年読書記録

2020年の読書メーター
読んだ本の数:172
読んだページ数:56905
ナイス数:946

理想の娘なら世界最強でも可愛がってくれますか? (MF文庫J)理想の娘なら世界最強でも可愛がってくれますか? (MF文庫J)感想
★★★★ タイトル通りであり、すばらしい物語という意味でタイトルを裏切ってくれるシリアスな展開に魅せられました。読み終わって、1巻打ち切りにならずに続くよね?という希望があり、惨状の世界でどう人類が一塁の希望を見出していくの気になります。様々な制約が生じている世界でも、置かれた環境で精いっぱい生きて、たくさん楽しむ姿勢の肝要さを物語を通じて痛感させられました。
読了日:01月05日 著者:三河 ごーすと
教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 5時間目 (MF文庫J)教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 5時間目 (MF文庫J)感想
★★★☆ 編集の在り方について対比される二人の編集者がいる。
読了日:01月07日 著者:さがら総
教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 6時間目【電子特典付き】 (MF文庫J)教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 6時間目【電子特典付き】 (MF文庫J)感想
★★★☆ かわいい女の子を表現する比喩が相変わらず巧みであると実感します。軽妙な文章で書かれたラブコメっぽい語りでテンポよく面白い展開が散りばめられている一方で、誰もがもっている心に抱える悩みから展開される登場人物の悲痛な叫びで深く考えさせられる展開があり一冊を通じて読者の心をつかんでははなさない引力がある。
読了日:01月08日 著者:さがら総
聖剣学院の魔剣使い (MF文庫J)聖剣学院の魔剣使い (MF文庫J)感想
★★★☆ 1000年前の因果より今と過去を絡めて物語を展開していく期待感を覚えます。主人公の心の声と情景描写の対比が面白いです。
読了日:01月10日 著者:志瑞祐
聖剣学院の魔剣使い2 (MF文庫J)聖剣学院の魔剣使い2 (MF文庫J)感想
★★★☆ 主要なキャラが命を落とすことなんて微塵も感じさせない緊迫感に欠けるストーリー展開ですが、各キャラの見せ場が散りばめられていて飽きさせない著者の筆力が伝わります。 レオ君が羨ましいという思いがエスカレートして嫉妬を覚えそうですが、そういうところで次回が真相に迫るターニングポイントに差し迫るというのは期待して次回も楽しみです。
読了日:01月12日 著者:志瑞祐
吸血鬼に天国はない (電撃文庫)吸血鬼に天国はない (電撃文庫)感想
虚無で築いた関係も、真実を知っても尚失われていくものと再生する何かの再構築されていく関係がただ美しかった。 互いに自身の在り方を問いながら一緒に過ごしていく中で醸成されていく様々な心情と、心の叫びを緩急のある練り上げた文章で描き傑作に仕上げているイメージ。ただ二人の行き先を見届けずにはいられない物語。相手を思う、考える心の変容に魅せられる。★★★★
読了日:01月12日 著者:周藤 蓮
吸血鬼に天国はない(2) (電撃文庫)吸血鬼に天国はない(2) (電撃文庫)感想
★★★★1巻で触れた触れた心臓の温かさ、生きている証である鼓動、人の尊い純粋な一面に感化されたルーミーの信念の度合いが物語を通じて大いに響きました。誓った約束(理性)と必然的に訪れる飢え(本能)との葛藤。そこで周りの人が、人という生き物の美しさと醜さを提示していくことで見えてくる道。そこに至るまでのつらく美しい過程が面白く、達筆な情景描写も相まってすてきでした。
読了日:01月15日 著者:周藤 蓮
※妹を攻略するのも大切なお仕事です。 (MF文庫J)※妹を攻略するのも大切なお仕事です。 (MF文庫J)感想
★★★★夢を追い続けるのも、あきらめるのもどんな内的・外的要因であれ自分で決断し、向き合わなければいけないことを痛切に感じました。 登場人物各々の夢と現実を掘り下げて、読者に届けてくれた情熱や悔恨が本の結末に至るレールにぴったりとはまっているようで没頭して読み耽りました。こんなに熱情が伝わる本に出会えてよかったです。また、選択した場所で精一杯生きていく人の闘志が熱い。前巻での売れる小説を作らなければいけない編集者の見解が本作でひしひしと伝わりました
読了日:01月17日 著者:弥生志郎
転生王女と天才令嬢の魔法革命 (ファンタジア文庫)転生王女と天才令嬢の魔法革命 (ファンタジア文庫)感想
★★★★周囲の期待に応え続くけるべく、令嬢として振る舞い続けなければいけなかった籠の中の鳥のようなユフィと、自分の夢に向かって全力!王女でありながら自由奔放で型破りなアニスの組合せは面白い。王女の視点と令嬢の視点で語られることで物語に深みが出ていてよかった。導入から引き込まれ、ユフィはアニスに感化され、アニスには読み続けていくうちに明るみになる奇想天外な王女の一面に驚かされ、どの言動も夢の体現を中心に据えた怒涛の行動力。正に革命。切なさと痛快さがぎゅっと詰まった1冊。敷かれたレールだけが人生じゃない
読了日:01月19日 著者:鴉 ぴえろ
君死にたもう流星群5 (MF文庫J)君死にたもう流星群5 (MF文庫J)感想
★★★★君死にシリーズは夢を起点にした数々のテーマを読者に届けてくれて感謝しかない。登場人物達が群像劇の中で交わされる数々の出来事に感化され己を見つめ直し考え抜いて自分の道を見出だしていくという物語が読者の背中を前へと優しく熱量をもって押してくれる。 今回は環境面に言及していて得心がいった。ファンタジーでなく読者の世代に根差した舞台であるからこそ、己の志と行動次第であることを如実に語ってくれる。SFも絡めていく中で1巻1巻著者の願いが熱く伝わるので本巻でいう○○○○りを重ねた洗練された筆致だと心に響く。
読了日:01月20日 著者:松山 剛
ひきこまり吸血姫の悶々 (GA文庫)ひきこまり吸血姫の悶々 (GA文庫)感想
★★★☆とある事情で名家の娘であるコマリが粋な計らいで大将軍に持ち上げられ内心嫌々で将軍を勤めていく中、次第に自信の在り方を見つめなおしていく。芯がつよく、心根が優しいコマリが丁寧に描かれていてよかった。コミカルなところと、伏線を貼りながら次第に展開されていく緊迫感ある描写の両立によって一冊を通して笑いあり感動ありで面白かったです。神具の存在によってコメディすぎずリアリティが増しているところが絶妙なバランス調整だと思った。
読了日:01月22日 著者:小林 湖底
29とJK8 ~そして社畜は今日も働く~ (GA文庫)29とJK8 ~そして社畜は今日も働く~ (GA文庫)感想
シリーズを通して数々の逆転劇が熱くてたまらなかった!夢を追うJKと夢に敗れた社畜が一日一日を必死に生きていく様子を描く。希望?そんな綺麗ごとはない。チートもない。ただ団結して立ち向かえる仲間の存在の尊さは昔も今も明日も変わらない。大人になり、働きはじめて金で動く組織のやり方に染まっていくと風化していく瑞々しい情熱を失うな!金に目が眩んで本質を見失ってはいけないというエールをもらえた。また、今に愚直に真摯に向き合った者に明日がやってくる、地に足をつけて生きていけと激励される。★★★★
読了日:01月26日 著者:裕時 悠示
失格世界の没落英雄 (MF文庫J)失格世界の没落英雄 (MF文庫J)感想
精霊幻想記の面白みを生かした作風でずっと続いてほしい作品です。王子として温室で育ちながらも環境に応じた言動ができる機転よさ、リィエルの心遣い、徐々に今後の展開に期待値があがっていく著者の筆致。分からないことだらけの世界で二人が手を取り合って世界の真相に迫る緊張感漂う話で面白かった。この二人の未来が幸か不幸かどちらに転ぼうとも真摯に向き合いたい。精霊幻想記が好きな人はきっとこの作品も好きなはず。 ★★★★
読了日:01月26日 著者:北山 結莉
86―エイティシックス―Ep.7 ―ミスト― (電撃文庫)86―エイティシックス―Ep.7 ―ミスト― (電撃文庫)感想
数々の死線を仲間と共に駆け抜けていくうちに、今までは考えられなかった欲が芽生え、この先も戦場しか待ち受けていない中で向き合っていい感情なのか自問自答しながら、すれ違いながら己の気持ちを確かめていく両者がもどかしく、儚さを帯びた美しさがあった。置かれた環境でも、数々の制約がある中でも選べる自由があって、登場人物達がつかみとった選択が今後も恵みをもたらしてくれることを願いたいと思った。★★★☆
読了日:01月29日 著者:安里 アサト
ぼくたちのリメイク7 ものをつくるということ (MF文庫J)ぼくたちのリメイク7 ものをつくるということ (MF文庫J)感想
本巻を通じて動画コンテンツの変遷の一端をクリエイター達の奮闘の物語に落とし込んで描いていてシナリオに凄みを感じたのと、主人公とほぼ同じ世代なのも相まって得心がいきつつ楽しかった。キーとなる挿絵でピンと閃いた瞬間は、挿絵があるラノベの魅力を十二分に発揮した展開で感動した。周りと自分。主人公が今後どう決断し歩んでいくのか追い続けたい。
読了日:02月01日 著者:木緒 なち
ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編1 (MF文庫J)ようこそ実力至上主義の教室へ 2年生編1 (MF文庫J)感想
綾小路自身が動き出す2年生編となりそうで今後の展開が楽しみです。いつか刺客のホワイトルーム生を救う展開もありなのではないかと色々な物語の方向性を想像するのも面白い。学年の上下関係と1年間で築いた友情の関係、頭角を現すことで周囲に認められつつある関係など様々な絡みが魅力的。読者の視点では面白いけど、高校生活を数々の敵の視線を浴びながら送る綾小路自身に窮屈な思いはないのか、そんな感情すらないのか、刺激的な生活を楽しんでいるのか、本シリーズを通して一番謎なのが主人公自身であることがよう実の特色であると思った。
読了日:02月02日 著者:衣笠彰梧
スパイ教室01 《花園》のリリィ (ファンタジア文庫)スパイ教室01 《花園》のリリィ (ファンタジア文庫)感想
もはや何を、誰を信じたらいいのか分からない数々の騙しあいが面白かった。ただ、自分はエイティシックスのようなシリアスな展開をスパイの世界でも求めてしまう。スパイ活動は死と隣り合わせの世界であることを今後の物語で読みたい。
読了日:02月02日 著者:竹町
“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)“文学少女”と死にたがりの道化 (ファミ通文庫)感想
開始の数ページで文学少女シリーズの世界にいざなわれました。人の生き方について1つのテーマを、共感を覚えながら浸透していく。キャラの心の奥底に抱えるわだかまりと名著の『人間失格』絡ませミステリーに、シリアスに、読み終えた頃には心温まる読後感がある。また、野村先生の物語が好きという熱量が本作に込められていると思った。文学少女シリーズに出会えて、まとめてそろえられてよかった。
読了日:02月02日 著者:野村 美月
絶対小説 (講談社タイガ)絶対小説 (講談社タイガ)感想
小説愛に満ちた物語で、手に取った自分自身が小説で物語を楽しむことが好きであると痛感する。二転三転きりかわっていく展開で虚構と現実の区別がつかないほどどれもがリアリティに感じることができるのは、それだけ物語の世界に没頭できた最上の喜びと言える。また出版不況である今への問題提起であることも言及されますが、紡がれた物語が本となって一冊でも世に出ることは、その本に出合って心動かれた読者にとって大切な1冊に成り得るのだからとてもすてきだ。社会ステータスがどうであれ、書くことが好きで物語を綴る人は幸せで輝いてみえる。
読了日:02月08日 著者:芹沢 政信
七つの魔剣が支配するIV (電撃文庫)七つの魔剣が支配するIV (電撃文庫)感想
世界に存在する全ての万物が因果により生まれて、特性を生かして物事の屋台骨となっているような世界観の創りこみに脱帽する。日常シーンでさえそんな細部にわたる配慮が垣間見えて物語に魅せられます。戦闘でも日常シーンでも学園生活を送る群像劇としても面白い。復讐を軸に据えている話ですが、オリバーにとってキンバリーで過ごし築いた関係性が本物であると願いたい。純正ファンタジーが七つ魔に極まれりって感じ。著者の完結したねじ巻き精霊戦記も手に取りたいと思った。
読了日:02月09日 著者:宇野 朴人
七つの魔剣が支配するV (電撃文庫)七つの魔剣が支配するV (電撃文庫)感想
結果がどちらに転ぼうとも悲しみしか残らない、だけど本巻に登場する味方が、敵でさえも根底には揺るぎない正義があってぶつかりあう重厚感ある物語でした。1巻の冒頭シーンを振り返りながら読んでた。今後、過去編も絡めて展開されていくと思うと熱い。大切なものをすり減らしながらも最後には何かをつかみとってほしい、また周りの友が今後オリバーの本物の支えになってくれることを願って。自他ともに認める力を求める生き方がただ儚く美しい。
読了日:02月09日 著者:宇野 朴人
声優ラジオのウラオモテ #01 夕陽とやすみは隠しきれない? (電撃文庫)声優ラジオのウラオモテ #01 夕陽とやすみは隠しきれない? (電撃文庫)感想
演者でない場面で言いたいことを言いあえる関係ってすてきだと思ったし何よりも仕事現場の方々と互いのご家族の方がよき理解者で、2人は後々さらに気づくであろうこんな恵まれた環境で仕事ができることは幸せだと思った。時に厳しい現実や様々な道の可能性を学生たちに提示していくのも大人の大事な役目だと思えた。それは厳しさの中に隠された優しさが垣間見える。プロ意識をもってラジオをお届けする仕事の様子と、互いを理解していく私生活の様子との対比が魅力だった。感情的に暴走しても、猛省し向こう見ずに突っ走る姿が大人には眩しかった。
読了日:02月11日 著者:二月 公
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (電撃文庫)感想
壮大な戦記ものの幕開けで早く続きが読みたいと思える面白さだった。七つの魔剣が支配するの作品のように物語を支える設定の細かさがうかがえた。架空の戦記だけど主人公の生き方は現代ビジネスの自己啓発にあげられる模範的な考え方で得心がいくし、そういった考えをどう今後展開していくのか楽しみです。出会う人との話が濃くて 短い話でも没頭させるのは巧な著者の筆致だと思って感心する。戦のおいて大事なのは 何を得て、何を失うかであることを痛切に教えてくれる。
読了日:02月12日 著者:宇野朴人
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (2) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (2) (電撃文庫)感想
不条理な状況でも命令を遂行しなければならないもどかしさ、戦争では揺らいではいけない良心、自身の在り方など色んな人の悩める達筆な心理描写と克明に描かれる戦時中の醜さに引き込まれました。
読了日:02月15日 著者:宇野朴人
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (3) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (3) (電撃文庫)感想
この感情の奔流はなんだろう? と読みながら心揺さぶられた。様々な軍人の覚悟が見物でした。過酷な戦場におかれても主人公の采配が見事でした。体が資本であることは過酷な戦場でも読んでいる読者にも変わらない大切な心肝であることを教えてくれる。
読了日:02月15日 著者:宇野朴人
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (5) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (5) (電撃文庫)感想
戦は何が起こるか分からないと語る主人公は、人生に何が起こるか分からないという中長期の視点で人生を見据えて怠けるための最善の選択を考え抜いていることに感嘆した。見方をかえてはとても面白いのに5巻までがまるごとアルデラミンの導入にあたるのではないかと錯覚を覚える。グループのキャラの掘り下げも面白く今後の展開に絡んできそう。それが何かの布石となりえるんだからどこまで面白さが続いていくのか。
読了日:02月16日 著者:宇野朴人
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (4) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (4) (電撃文庫)感想
素で語りかけられる友人がいるという救いはいつの時代も変わらないと思った
読了日:02月16日 著者:宇野朴人
神様のメモ帳 (電撃文庫)神様のメモ帳 (電撃文庫)感想
人生とはただ漫然と過ごしていくものだろうと思っていた高校生の主人公がとあるきっかけでニート達と出会うつかみが最高。もう交わすことはできないけれど意識があるうちに残せた最大の贈り物がただ美しかった。プラマイゼロにはならないけれどニートを生き様とする者達が刻々と深刻化していく状況でもいつもと変わらない距離感で助け合っていく関係性が微笑ましい。アリスを筆頭にしたニート探偵事務所での出会いと別れの物語が2巻以降も楽しみ。地に足をつけて必死に生きる者達から明日への生きる力をくれる、切なさの中に温かみがあるシリーズ
読了日:02月19日 著者:杉井 光
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (6) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (6) (電撃文庫)感想
重厚な戦記でした。読みながら生きられる別の道はなかったものかとやり場のない気持ちが読後の余韻となっているのはそれだけ物語に引き込まれた感覚なので満足。この物語の先に救いはあるのかと続きが気になります。
読了日:02月22日 著者:宇野 朴人
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (7) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (7) (電撃文庫)感想
読み終えた後、感涙と読後放心状態が続く小説に久々に出会えたと思った。イクタとヤトリ、2人で1つであるという関係の深さを語る過去編を間にはさみつつ、イクタ率いる軍とヤトリ率いる軍が無慈悲で残酷な内乱で戦わざるをえなくなるつらさ。そしてその結末。戦の凄惨さ、登場人物達の絆の深さを熱量が伝わる慟哭へと導く著者の力強い筆致で克明に描かれる。ここまでの衝撃作はそう出会えないと思いました。七つ魔に惹かれて前作のシリーズを手に取って本当に良かった。
読了日:02月23日 著者:宇野朴人
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (8) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (8) (電撃文庫)感想
国単位で見れば再生に向かって歩んでいるように見えて国に仕える主要な軍人は心に大きな傷跡を残していることを鮮明に描いていて、この先に救いはあるのか気になる。かつてのグループのように言葉を交わすことは二度と叶わず、孤高の軍人の心の機微が伝わり心が痛みます。
読了日:02月23日 著者:宇野朴人
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (9) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (9) (電撃文庫)感想
涙した。あとがき1ページ前での出来事に。あまりにイタクたの人生は常人には抱えきれない痛みが多かった。それでも彼の再起と再燃に至る過程の感動が奔流のごとくおしよせてきました。こんなにも心揺さぶれる読後感は最高でした。
読了日:02月23日 著者:宇野朴人
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (10) (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミン (10) (電撃文庫)感想
再生の物語で心躍りました。待ち焦がれた積年の思いが伝わって帝国軍に曙光さした感動のお話でした。 後半ではあまに優しい元帥の考えが印象的だ。陛下への配慮とこれ以上失いたくない情の表れもまた人となりなんだろう。
読了日:02月24日 著者:宇野朴人
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXI (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXI (電撃文庫)感想
心の呪縛を少しずつ薄めていく端緒となるのは新たな人と出会い、言葉を交わし刺激をうけることなんだろう。そう思えると本を読む読者もアルデラミンの登場人物達に出会い新たな見方・考え方に感化される。さんな本の魅力を再認識した出会いの物語でよかった。
読了日:02月24日 著者:宇野 朴人
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXII (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXII (電撃文庫)感想
アルデラミンという世界の理が明らかになり後半は読んでいて驚きつつ今までの気になっていた点と点が線になって心踊りつつスッキリした。また三国会談で普段会えない、会わない者同士の交流は濃く夢中になって読めた。
読了日:02月24日 著者:宇野 朴人
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXIII (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXIII (電撃文庫)感想
帝国での日常編、最終巻で綴られる決戦前の静けさ。だけどかけがえのない日々が後で振り返ってみると読者もそこにいる人達も愛おしいと思えるような物語でした。戦に赴く軍人の物語なのに、ここまで巻数を読んでると命を失う戦争はなんて残酷なんだろうと、戦をさけられる道がなかったのかと思えるほど敵国も含めて誰一人不幸になってほしくないと切に思う。
読了日:02月26日 著者:宇野 朴人
ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXIV (電撃文庫)ねじ巻き精霊戦記 天鏡のアルデラミンXIV (電撃文庫)感想
1巻から14巻まで一貫してアルデラミンという世界観に心酔していました。知略を尽くした攻防、心理戦、片割れのヤトリとの約束を堅持し貫徹しようとする思いの強さ、多くの人との出会いと別れの物語、巻数積むごとにアルデラミンという世界の全容が見えてくる高揚感、緊迫感こみあげる筆致等幾度と心揺さぶられた。とてつもない重厚な戦記物でした。七つの魔剣が支配するといい宇野先生が創る物語の厚みがたまりません。
読了日:02月28日 著者:宇野 朴人
さよなら異世界、またきて明日 旅する絵筆とバックパック30 (ファンタジア文庫)さよなら異世界、またきて明日 旅する絵筆とバックパック30 (ファンタジア文庫)感想
前作の放課後は、異世界喫茶でコーヒーをのようなじんわり心温まるお話が大好きで、新シリーズでもそんな魅力がぎゅっとつまっていて今後の2人の旅路が楽しみでならない。主人公の口調がイセコーのユウに似ていて親近感あった。徹頭徹尾消えることがない熾火のような優しい雰囲気があり、ひきこまれていた。確かに滅びの一途を辿っている世界。心から幸せを感じられるなら置かれている環境なんて二の次だ。1人では不安という重荷に耐えられないかもしれない。だけど言葉を交わすことができる人が隣にいることがどれほど救いであるか伝わる。
読了日:02月29日 著者:風見鶏
妹さえいればいい。 (14) (ガガガ文庫)妹さえいればいい。 (14) (ガガガ文庫)感想
主人公の言う【主人公】は14巻を通して彼の生き様を追ってきた読者だからこそ胸につきささる金言であったと思えた。主人公の周りのたくさんの人達の人生を丁寧に描いていて一人一人の生き方に魅せられていました。間間の変態ネタにも大いに笑ったし、心温まるお話、切なさが残る余韻等本シリーズは小説の醍醐味がつまっているようだった。それはつまっているどころか溢れ出して、読んでいる読者自身の在り方に問いを投げかける力強い作品だった。
読了日:03月01日 著者:平坂 読
下読み男子と投稿女子 -優しい空が見た、内気な海の話。 (ファミ通文庫)下読み男子と投稿女子 -優しい空が見た、内気な海の話。 (ファミ通文庫)感想
小説新人賞の下読みをしている少年が、応募作で同じ高校の孤高の少女が書いた小説と出会い、少女と一緒に物語を紡ぐ導入への興味。この作られていく物語が胸を焦がし2人が惹かれあいながらも物語を心を込めて作っていく過程が美しい。面白い小説で面白い小説を読んでいるみたい。作っている物語がこの本の本筋を後押しして本筋の物語が投稿する作品をより本物にする、互いが互いを引き立てている面白さ。また、大いに自由に創作できるラノベの魅力を再認識した。自分のラノベ読みの原点が涼宮ハルヒの憂鬱なのでとても共感できた。
読了日:03月01日 著者:野村 美月
ワールドエンドの探索指南2 (電撃文庫)ワールドエンドの探索指南2 (電撃文庫)感想
冷静沈着で機知を発揮するタイキと度々タイキを苦笑いにさせる直情径行気味のヤヒロの交流が変わらず面白い。新たに出会ったツクシがメインのお話であり徐々に明かされていく真実と疑心がつのっていく状況に終始緊張感があり3巻が待ち遠しい。生死をかけて地図を頼りに冒険する話だけど知らない方がいい幸せもあるのではないかと思ってしまう。だけど誰かの手のひらで踊らされているかのような不気味さが漂う感じで緊迫感ある。死と隣り合わせの世界で彼らの背中を押す格言が出てきて、読んでいる読者に物事に屈さぬ力を与えてくれているかのようだ
読了日:03月04日 著者:夏海 公司
14歳とイラストレーター (MF文庫J)14歳とイラストレーター (MF文庫J)感想
ラノベ作家を描いた作品は数あれどタッグを組むイラストレーターさんを中心に描いたお仕事小説は斬新で会話とストーリーが軽妙で楽しく読み進められた。各々イラストレーターが何を根底にして絵を描いているのか知り、今後の展開でどう掘り下げていくのか気になる。
読了日:03月05日 著者:むらさき ゆきや
14歳とイラストレーター2 (MF文庫J)14歳とイラストレーター2 (MF文庫J)感想
辛いこともあるんだろうけどフリーランスとしての働くイラストレーターの日常が楽しそうで、そこで甲斐甲斐しく生活をサポートしてくれる14歳がいるもんだから桃源郷だ。
読了日:03月06日 著者:むらさき ゆきや
賭博師は祈らない (電撃文庫)賭博師は祈らない (電撃文庫)感想
舞台にした18世紀ロンドンで生きる賭博師の生き様と、邂逅する奴隷少女との関わりを描く本巻を読んで濃いお話だったなぁと思った。読ませる小説という感覚は新作の『吸血鬼に天国はない』と同じで周藤先生の作品の本質は変わらなずとても面白い。過去と絡めて主人公を賭博師として生きさせる根底にあるもの、交流の中で語られる丁寧に描かれた心の機微と変容していく見解、当時のロンドンの生活感を醸し出す雰囲気作り、賭博を体験してるかのような緊張感と焦燥感等が魅力で夢中で読んでいた。
読了日:03月08日 著者:周藤 蓮
さくら荘のペットな彼女(4) (電撃文庫)さくら荘のペットな彼女(4) (電撃文庫)感想
鴨志田先生が書く小説は最高だ…。キャラの背中を押す名言が散りばめられていると毎巻思う。高校生にとってはさくら荘で共に過ごしていて近いのに、遠い。すれ違いと思いの交錯が眩しすぎる。クリエイターとして、1人の高校生として胸を張ってとなりを歩けるよう悩みながらも互いに刺激しあって時にはぶつかって、前へと進んでいく。もしキャラ達がクリエイターになったとしてさくら荘での日々を振り返ってみた時、それは慌ただしくも楽しくかけがえのない青春で、クリエイターの初心を思い出させる最高の高校生活であったと思うんだろうなぁって。
読了日:03月08日 著者:鴨志田 一
さくら荘のペットな彼女〈5〉 (電撃文庫)さくら荘のペットな彼女〈5〉 (電撃文庫)感想
才能がある人に追いつきたい一心の思いと、才能があって前を歩く人の悩み両方の立場の気持ちをくみとって優しい筆致で描かれていてしんみりした。実家での親子の会話は爆笑したw後半は空太の仲間思いの言動が光っていてかっこよかった。向こう見ずな大切な人を思う気持ちからでる果断な対応に、それは七海もほれてしまうよねって話。仁と美咲の件でもそう。空太の人を忖度した上での勢いの良さは煩わしいものではなく、後々振り返れば最高のフォローであると実感する
読了日:03月09日 著者:鴨志田 一
ワールドエンドの探索指南3 (電撃文庫)ワールドエンドの探索指南3 (電撃文庫)感想
ターニングポイントになるような3巻だった。二転三転驚かされて満足した読後感。ヤヒロとタイキが死線を共にくぐり抜けながら旅をする意義がより大きくなった。騙しが登場人物達にとってあまりに酷で、現状をどう打破していくのか今後の二人の活躍が楽しみ。
読了日:03月11日 著者:夏海 公司
さくら荘のペットな彼女〈6〉 (電撃文庫)さくら荘のペットな彼女〈6〉 (電撃文庫)感想
前に進んでいこうと力強く激励される話だった。さくら荘の危機から衝突する理屈派と感情派の衝突。七海と空太それぞれの人生を左右する審査の結果。理不尽が多い世の中でも踏み出したからこそ見渡せた景色があり、蓄積した人生の経験値は、悩んで迷って決意して前へと進んだからこそ得られた賜物だと思った。面白いからやる、やりたいから挑戦する大事な考え。さくら荘の1年を追ってきて個性あふれる面々が織りなす物語を読んだ上での卒業式の流れは様々な回想がよぎって感涙物。さくら荘は自由で互いに刺激しあいながら成長できる最高の場所
読了日:03月12日 著者:鴨志田 一
さくら荘のペットな彼女7 (電撃文庫)さくら荘のペットな彼女7 (電撃文庫)感想
普段は恥ずかしくて言えない事を素直に一歩踏み込んで言葉にできる雰囲気の描写がとても上手で、空太の状況を語っている地の文に大いに共感した。また、ましろのずっと絵を描き続けた彼女ならではの思いの伝え方は大いに響いた。大切な人達を見てきて自分でできる方法を模索して導き出したととても美しい表現だった。さくら荘にやってきた1年生(問題児)が抱える悩みに寄り添う空太の助言は、自分の経験と関わった先輩方、友達、頼れる大人の教えから培われたものだと実感した。
読了日:03月14日 著者:鴨志田 一
さくら荘のペットな彼女8 (電撃文庫)さくら荘のペットな彼女8 (電撃文庫)感想
空太にとってずっと去年のような関係が続けばいいと思っていても、七海やましろにとってはすぎゆく時間の中で芽生える思いが徐々に膨れ上がっていく。空太がする選択は一方を笑顔にしてもう一方を泣かせてしまう。仲間思いが美点の空太にとっては本当に辛い思いだと胸を焦がした。ぼくは選ばれなかったヒロイン推しでした。
読了日:03月14日 著者:鴨志田一
さくら荘のペットな彼女9 (電撃文庫)さくら荘のペットな彼女9 (電撃文庫)感想
さくら荘の住人で唯一過去を語ってこなかった、業界で名を轟かせているひきこもり変人プログラマー龍之介について掘り下げた話がやっと出てきて嬉しかった。龍之介の言葉で救われたリタを加え、畑が違う5人? で作るゲーム制作の話が理屈と感情のぶつかり合いで読みどころがいっぱい。去年の文化祭でにゃぼろんを共同制作して達成感を共有したメンバーが残っていて、共に創る喜びを知っているからこそ強固なチーム力を発揮していると思った。歯に衣着せぬ龍之介の言葉は常に正論で響く。軸にしたやりたいことを錆びつかせては自分が自分でなくなる
読了日:03月15日 著者:鴨志田一
さくら荘のペットな彼女 (10) (電撃文庫)さくら荘のペットな彼女 (10) (電撃文庫)感想
ましろを大切にしたいし仲間と会社を立ち上げることを見据えてゲーム制作に打ち込むことも大切にしたい。大切にしたい二つの心の狭間で悩む機微が等身大の高校生だと思った。双方が恋人の夢を応援したいからという最後の決断にどうしてももどかしさがあったけど最終章を読んで安堵感に満たされた。個性が光るクリエイター達が集う慌ただしくもにぎやかなさくら荘の1日1日が濃密で数年分を綴った物語を読んだ読者にたくさんの気づきと笑いと感動を与え、やりたいことを堅持して目標に向かってひたむきな人生を送る人は輝かしいんだと伝えてくれた。
読了日:03月15日 著者:鴨志田一
神様のメモ帳〈2〉 (電撃文庫)神様のメモ帳〈2〉 (電撃文庫)感想
2億円を持って身を隠せと父から言われ、唯一の伝手のニート探偵事務所を訪れた少女の願いがひしひしと伝わった。前の話で彩夏がああなってしまったことにたらればの思考に陥り非力な自分を憂えていた彼がアリスの助手として途中でまた身が竦むことがあっても少女の願いのため、二度同じ悲劇を繰り返さないために四代目から問われた覚悟を固めるよりも先に頭と体を酷使して自分にできることを完遂させる過程が見物で感動した。アリスとニート探偵事務所の仲間達との信頼関係が厚くどんないきさつがあって今に至るのか続きの巻で語られる真実が楽しみ
読了日:03月17日 著者:杉井 光
プロペラオペラ (ガガガ文庫)プロペラオペラ (ガガガ文庫)感想
痛みを伴う壮大かつ重厚な戦記を彷彿とさせるシリーズ。途中で描かれるコメディ要素が張り詰めた空気感を中和させるスパイスであり、後々起こるかもしれない悲劇のシーンでこんな些細なやりとりがかけがえのない思い出であったと振り返る回想シーンになるかもしれない儚さがある。戦わなければいけない軍事的背景とクロトが身を粉にして奮戦する理由を表明し、戦争では置かれた環境で仲間と最適解を見出し白熱する戦況を読めて、今後の1人の英雄が圧倒的に不利な状況でどう駒を進めていくのかという期待感が膨らむとてもとても濃い物語だった。
読了日:03月21日 著者:犬村 小六
プロペラオペラ (2) (ガガガ文庫)プロペラオペラ (2) (ガガガ文庫)感想
心根の優しい皇族リオと王女イザヤを前線に投入する上層部の考えに遣り切れなさが残るが、士気を高めて気遣いが温かい2人だからこそ、兵士は忠誠を誓ってついていき勇猛果敢な決死の作戦を決行できたのだと思う。日之雄がガメリアに勝るのは勇気であると1巻にあった。最後の戦果はその勇気と結束力がなせた業で戦場の女神が存在するなら日之雄に微笑んでいたと願わずにいられない残酷で命の残滓が美しく映る壮絶な戦いだった。ユーリの活躍が今後のキーになってくるし楽しみだ。自身の幸せとは何かと向き合ってどうか生きのびてほしいと切に願う。
読了日:03月22日 著者:犬村 小六
神様のメモ帳〈3〉 (電撃文庫)神様のメモ帳〈3〉 (電撃文庫)感想
植物状態から目を覚まし記憶喪失となった彩夏にナルミは悩んでいたけど、アリスとみんなのいつもと変わらない距離感で言葉を交わす温かさに目頭が熱くなった。失わず生きていれば再び歩んでいけるということがしみじみ伝わった。彩夏と大切な居場所である園芸部の危機から浮かび上がる4年前の死亡事件の真相をめぐってナルミが巻数を重ねるごとに勇猛な姿になっていて感動した。集めた情報から死者の代弁者として4年前の物語を紐解いていくアリスは事実だけでなく登場人物の心境を1つの真実として明かしていた心根の優しい名探偵だった。
読了日:03月22日 著者:杉井 光
やがて恋するヴィヴィ・レイン (1) (ガガガ文庫)やがて恋するヴィヴィ・レイン (1) (ガガガ文庫)感想
3つに隔てられた世界の1つである地上で、スラム街で生きた少年がシルフィから託された願いを胸に厳しい環境に屈さず旅をする物語で悲喜交々としたシーンの中で垣間見える少年の心の強さに感動した。興味深い舞台設定で集まった仲間との旅路の中でどう解き明かされていくのか楽しみ。スラム街で生きていくために血肉となった経験が戦場で発揮され、生きていくために培ってきた教養が英断を下していく爽快感があった。時にシルフィとの思い出が少年を支えてしんみりして読んでいて心温かくなる。深い情景描写も相まって世界観に引き込まれる。
読了日:03月28日 著者:犬村 小六
エロマンガ先生(12) 山田エルフちゃん逆転勝利の巻 (電撃文庫)エロマンガ先生(12) 山田エルフちゃん逆転勝利の巻 (電撃文庫)感想
山田エルフ大先生派の読者としては彼女の魅力が光る大満足な1冊だった。いつも通りあらすじを読まずに読んでいてよかった。何か含みがあって次々と爽快に巻き込んで心から楽しい時間を過ごしている情景が微笑ましく、大好きな親友や想い人との時間を『わたしたちの最高の物語』として1ページ1ページを刻めるよう自分を磨いて、楽しい未来を想像しつつ入念に準備している裏側を想像すると全面的に応援したいと思う。憂いを残さない目的のための行動力と彼女の生き方をみていると、叱咤激励されているかのような感覚になる。
読了日:03月28日 著者:伏見 つかさ
理想の娘なら世界最強でも可愛がってくれますか?2 (MF文庫J)理想の娘なら世界最強でも可愛がってくれますか?2 (MF文庫J)感想
試されるのは絆や愛であることに重きをおいていて読後はタイトルが重く響いてきた。グラン・マリアの末恐ろしさに驚愕だが1つの平和へと導く正解がきっとあるんだと思う。大人が抱える明かせぬ事情というのは時に大変もどかしいけど真摯に伝えていくしかないんだなあって。アレイナを応援しているので今後のトリガーとなってくれるであろう彼女の活躍が楽しみ。錬素と胞子獣の因果関係から自然の食物を忌避する食生活って辛そう。
読了日:03月28日 著者:三河 ごーすと
理想の娘なら世界最強でも可愛がってくれますか?3 (MF文庫J)理想の娘なら世界最強でも可愛がってくれますか?3 (MF文庫J)感想
先行きが暗い人類のための含みがあるバージョンアップという言葉の重さがのしかかってくる。各キャラの経歴が明るみになりどれほどの覚悟で他者には理解しがたい暴挙に及んでいるのかという執念が伝わってくる。また、アレイナのところでは読んでいて少し視界がにじんでしまった。友達思いの言葉選びに涙腺が刺激されてしまってこれだから読書体験はいいな!って思えた。
読了日:03月29日 著者:三河 ごーすと
やがて恋するヴィヴィ・レイン (2) (ガガガ文庫)やがて恋するヴィヴィ・レイン (2) (ガガガ文庫)感想
没頭してよみふける魅力が詰まった1冊だった。ただただ読んでいて心躍るシーンが多く、各々登場人物たちの気持ちに共感する。王国の趨勢にメスを入れて、地上の猿と卑下するエデンに言及する、楽しさに比例して物語が大きく動き出した。ルカを大切にする者が、ルカを信じようする者が舞台をひっくり返すシーンに絆の深さと人徳のあつさを感じさせた。想い人も、エデンも近くて遠い。今後ルカがもたらす変革が楽しみになった。
読了日:03月30日 著者:犬村 小六
やがて恋するヴィヴィ・レイン (3) (ガガガ文庫)やがて恋するヴィヴィ・レイン (3) (ガガガ文庫)感想
人の美醜について、1巻を通して伝えたくれた。のしあがっていくために今日の味方が明日の敵、その逆になるかもしれない。キブアンドテイクという利害の一致から生まれる共依存の関係がひとまず、手っ取り早く安心できるつながりなんだろうと思った。でもそれは相手を救うことにもなりえる可能性があるんだから算段があるにせよ思慮深い人の見方や考え方に読んでいて感心する。温情がある人同士ならではあの救いと新たな希望の展開に胸が熱くなった。そしてどこまでもルカは情に厚く、シルフィの言葉が彼の内に宿っている。
読了日:04月04日 著者:犬村 小六
やがて恋するヴィヴィ・レイン (4) (ガガガ文庫)やがて恋するヴィヴィ・レイン (4) (ガガガ文庫)感想
自由を謳い帝国に反旗を翻す革命の話で戦う民兵やルカと共に戦ってきた練度の高い兵士達が背負うものの大きさが伝わってきた。敵と味方で戦う理由の重さが違う…故に劣勢があっても大局的に判断した立ち回りはせず、気迫と根性と信頼する仲間への期待があって凄まじいと思った。読みながら明かされていく気になる点もあって、然るべきタイミングで過去を振り返るシーンに魅せられる。3巻が欲と情をテーマにするなら4巻は愛と憎だと思える。
読了日:04月04日 著者:犬村 小六
精霊幻想記 16.騎士の休日 (HJ文庫)精霊幻想記 16.騎士の休日 (HJ文庫)感想
復讐に生きてきたリオが今は大切な人たちとの時間を大切にしたいけど、数々の功績から多くの者に注目され表立って自由奔放に過ごせない生き方に難儀だなあと思った。時に名誉は得られた者が本心で悦に浸れるならいいけど望まぬものなら彼を縛り付ける鎖のように映る。今までは復讐を遂げるための殺めるための手があればよかったが今ではその手は大切に人たちと改めて向き合い、結ぶためにあると思えるような心温まる話だった。シャルロットの主導権を握る会話が痛快だった。算段ある茶目っ気が面白く、気配りが光りいるだけで楽しくなる。
読了日:04月04日 著者:北山結莉
やがて恋するヴィヴィ・レイン (5) (ガガガ文庫)やがて恋するヴィヴィ・レイン (5) (ガガガ文庫)感想
ルカの考えが災厄の魔王と称されるものだと分かっていても、どこまでも彼についていく長年共に戦ってきた戦友達のルカへの信頼が胸にしみる。決死の覚悟で死線に飛び込む名将と配下の兵士達がかっこよすぎた。最強とかチートとか1人に依存した戦いではなく、硬派で重厚感ある戦記物が大いなる感動を届けてくれる。魅力は戦いにとどまらず3界に隔てられた世界について言及し、とんだスケールへと話が展開していって面白みが毎巻加速していく。達筆で、ヴィヴィついて芯が通っていて、各キャラの人生を感じさせ、未知への好奇心くすぐる深い物語だ
読了日:04月05日 著者:犬村 小六
やがて恋するヴィヴィ・レイン (6) (ガガガ文庫)やがて恋するヴィヴィ・レイン (6) (ガガガ文庫)感想
点と線がつながり最終巻へ向けて期待が高まる巻。地上の戦争から3界へと舞台が広がって驚きと積年の抱えた思いの数々が感動を届ける話だった。1巻の序章で死んでしまったシルフィがどうにか生きる道がなかったのかと、繰り返し思ってしまう。読後、タイトル回収と本の帯にある『はじめまして。また会えたね』が神々しいと思った。
読了日:04月06日 著者:犬村 小六
やがて恋するヴィヴィ・レイン (7) (ガガガ文庫)やがて恋するヴィヴィ・レイン (7) (ガガガ文庫)感想
興味深い世界観で完結まで届けてくれて感謝しかない。こそばゆい恋と、熾烈な戦記と熱い友情と数々の人生を垣間見てシリーズを通して1巻1巻が重厚な話だった。多くの人に影響を与え、生きる意味を芽生えさせた、シルフィの願いを胸にスラム街の暮らしから旅立ってから3界を巻き込む立役者となりながらも最後は美しくてかっこいいルカの生き様に感動した。シルフィとアステルの面影をヴィヴィに重ねる心境に共感するし今後の2人の物語は読者の想像に委ねられるんだなぁって満足な読後感。大なり小なり数々の歴史の転換点は感涙にむせぶものだった
読了日:04月11日 著者:犬村 小六
AGI -アギ- Ver.2.0 バーチャル少女は踊りたい (電撃文庫)AGI -アギ- Ver.2.0 バーチャル少女は踊りたい (電撃文庫)感想
ただAGIが笑みを浮かべていてよかった。前巻と同じ悲劇を繰り返してはならないと頑なに誓う主人公の思いに共感する一方で、再びAGIが生き生きと活躍している姿を見てみたい1ファンとしての思いもあり名状しがたい気持ちだった。1つのプログラムであり、仮想空間上で命を宿した一人の女の子でもある。持ち出した哲学が深い…。AGI自身が答えを見つけられて本当によかった。AGIの気持ちを汲み取るマスターと、AGIを支える研究員と教授がとても頼もしく、2巻が出てくれただけでもとてもうれしいのに願わくば今後の物語も読みたい。
読了日:04月12日 著者:午鳥志季
ファイフステル・サーガ 再臨の魔王と聖女の傭兵団 (ファンタジア文庫)ファイフステル・サーガ 再臨の魔王と聖女の傭兵団 (ファンタジア文庫)感想
自分に課せられた宿命を背負い、大災厄の予兆を告げるかのような魔物が蔓延る戦場で村人を助ける勇姿と機知を発揮するセシリアはなんて凛々しい佇まいなんだろうと。居合わせたカレルの遍歴商人との長い月日の旅路で得た知見を生かしていく言動に感心する。時に謙虚に、時に強情に、理想論と現実に即した解を天秤にかけて少しは悩んでも時間を浪費せず次々に打開策をねっては自ら率先して動いて団員の信頼を得ていく様相がかっこいい。裏ではセシリアが大きく貢献しているけど、カレル本人の知略が実を結ぶ展開で支えあって前へ進んでいく流れが魅力
読了日:04月18日 著者:師走 トオル
ファイフステル・サーガ2 再臨の魔王と公国の動乱 (ファンタジア文庫)ファイフステル・サーガ2 再臨の魔王と公国の動乱 (ファンタジア文庫)感想
結婚時での毒殺を回避すべく動いた中で浮かび上がる裏切りから、酒色や私利私欲で寝返るといった欲と情をもつ人という生き物の醜さが露呈する。人は簡単に変われない、変われるっていうけど私欲に溺れると次の甘美を求めて変わっていくんだなぁって。その中でも君主に本心で忠誠を尽くす人たちは尊敬する。ここで戦いが生きがいの歴代最強の切り込み隊長の意外な一面にほっこりしつつ今後面白く関わってくるにちがいない期待感がある。乱入時のセリフが痛快すぎて笑いました。
読了日:04月18日 著者:師走 トオル
ファイフステル・サーガ3 再臨の魔王と草原の灰エルフ (ファンタジア文庫)ファイフステル・サーガ3 再臨の魔王と草原の灰エルフ (ファンタジア文庫)感想
来たる災厄に備えて5つの国が結束しなければならない中、個人の戦闘力に秀でた灰エルフというかつて魔王軍側に与した者達が侵入する激動の話だった。毎巻と自国と敵国の内情を丁寧に説明してくれるので大局的に俯瞰してみることができ戦場にいる兵士が背負う戦う理由の厳めしさがじんわりと響く。無益な流血を避けたい者、流血を躊躇わず圧倒的な武力で支配したい者。戦局を読む話が深くて刻一刻と戦線が変わる中で常に集まる情報から現状できる最適な解を出さなければならない将軍の苦労が伝わる…一歩間違えれば大切な人とお別れになる恐怖が
読了日:04月18日 著者:師走 トオル
ファイフステル・サーガ4 再臨の魔王と女神の巫女 (ファンタジア文庫)ファイフステル・サーガ4 再臨の魔王と女神の巫女 (ファンタジア文庫)感想
戦場が生きがいの切り込み隊長が言う大人の役目についてはどの時代に生きとし生けるものに通じるもので、わずか11歳で大司教になりたい少女ヘンリエッテに歯に衣着せぬ直球の教えのシーンはとてもかっこよくて心が躍った。戦場に生きる最強の傭兵で、相手の立場を考慮したオブラートに包まない1人の大人としての言葉だからこそ、重職の使命感に駆られた彼女の内面に纏う鎧を穿ち、本心に真に響いたんだろうと思って胸を打つ。立場をこえて今求められる救いの言葉を投げかけてくれた切り込み隊長とヘンリエッテがどう歩んでいくのか続きが読みたい
読了日:04月18日 著者:師走 トオル
ラストオーダー1 ひとりぼっちの百年戦争 (講談社ラノベ文庫)ラストオーダー1 ひとりぼっちの百年戦争 (講談社ラノベ文庫)感想
近代都市に住んでいた人類が機械によって滅ぼされようとも、1人残った機会兵士リアはライトオーダーを遵守して戦い続ける…命令を受けたのは人ではなく、機械であるが故に守り続けるリアが歯がゆい。生存する人達が置かれた環境とリアがいる独りぼっちの世界を緻密に描き、過酷な状況が想像しやすくてひきこまれた。好奇心旺盛なノーリィが抱く数々の疑問と憧憬に同情しかなくただ縮こまっていては現状維持で終わるつまらなさが伝わる。リアとノーリィ2人の視点で描き、2人の出会いによって運命が交錯する高揚感。緊張感ある戦闘描写は秀逸だった
読了日:04月19日 著者:浜松 春日
豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい9 (ファンタジア文庫)豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい9 (ファンタジア文庫)感想
スロウ、スロウが眩しいんだ。真っ黒豚公爵から容姿の変化にとどまらずシャーロットに告げた2人の関係を再確認する真摯でまっすぐな言葉に読者は真っ白豚公爵をみた。破天荒な行動力と心優しいアリシアを見れて、アリシア派としてはうれしい巻。敵もまた憎めない魅力あるキャラクターで敵味方のかけあいと魂の共鳴に血が滾り、戦闘シーンにわくわくしながらページをめくっていた。含みのある会話で印象に残しつつ1冊の中できれいに答え合わせできた清涼感がいい。
読了日:04月19日 著者:合田拍子
ソードアート・オンライン22 キス・アンド・フライ (電撃文庫)ソードアート・オンライン22 キス・アンド・フライ (電撃文庫)感想
短編集だけどこの本は『仮想世界で抱くものは本物なのか』というテーマ性があるように思えた。歌い手のユナの特別な思いも保存されているのではないかと思わずにはいられなかった。再びユウキの物語が読めて感慨無量というもの。生きる意味について触れられていて、生きる意味を見出した場所は現実世界、仮想世界で異なっていても本質的に同じと言えるのか?と悩み、正解を見つける感動的なストーリーだった。仮想世界であっても、地に足をつけて感じる様々な感情は紛れもない自分自身が抱いたものだから"本物"だと落ち着く展開はよかった。
読了日:05月09日 著者:川原 礫
吸血鬼に天国はない(3) (電撃文庫)吸血鬼に天国はない(3) (電撃文庫)感想
ルーミーと出会ったからこそ死神を見るシーモアの目は、死神を畏怖の対象と見ている多くの者の目と違くて1巻、2巻での知見が生かされていて奥ゆかしさを感じた。この本で描かれる"たしかなもの"や"それ"について、なにか言葉で的確に言い表すことや飾り立てるのが陳腐なように思える。今までたくさんの人間を喰らってきた吸血鬼ルーミーを受け入れて共に生きていく中で醸成された"たしかなもの"についてそれは"たしかなもの"としか言えない。だから尊い。周藤先生が作り出す世界はなんて深いんだ!と思う。
読了日:05月10日 著者:周藤 蓮
86―エイティシックス―Ep.8 ―ガンスモーク・オン・ザ・ウォーター― (電撃文庫)86―エイティシックス―Ep.8 ―ガンスモーク・オン・ザ・ウォーター― (電撃文庫)感想
誇りっていうワードがたくさん出てくるんだけど、誇りは見方を変えれば縛りのように見えた。1巻の時点でみんなで集まった時には少しは将来のことを口にしていたかもしれないけど、8巻の時の状況の方が、語る将来が現実味を帯びている感覚がある。それは自ず戦うための理由が増えて活力になるのかなぁ。以前までのような度重なる戦争で心が摩耗して他のことは考えられない状態よりかは回復に向かっていると思える。そこでレギオン停止の可能性が見えたものだから、終わらない戦いを終わらせる戦いが始まるのか。
読了日:05月13日 著者:安里 アサト
ソードアート・オンライン23 ユナイタル・リングII (電撃文庫)ソードアート・オンライン23 ユナイタル・リングII (電撃文庫)感想
色々設定が深そうな世界で高精細なグラフィックのようで死んだら二度とログインできなくなるリアルのような緊張感がある依存性が高そうなゲーム。今は少し貯金があるキリト達だけど学校にいきながらログインしているとなると廃プレイヤーにいずれ後れをとりそうな感じがする。色々事情がありそうな強制転移先のユナイタルリングでどんな事実が浮かび上がってくるのか楽しみ。ログアウト後もユナイタルリングの世界ではアバターがずっと残り続けるので落ち着いて本業にうちこめるのか
読了日:05月14日 著者:川原 礫
ソードアート・オンライン24 ユナイタル・リングIII (電撃文庫)ソードアート・オンライン24 ユナイタル・リングIII (電撃文庫)感想
アスナさんが刃渡り5センチほどのナイフを常に携帯している事実が発覚した件について。SAOのPKギルドメンバーに筋弛緩剤を注射されたキリトを目の前で見ていたアスナが次は絶対にキリトを守るため。キリトは超有名人だから用心したほうがいいんだろうけど、アスナの"ナイフを常に持ち歩く女子高生"という姿がリストカットしている女子高生に見えなくもない。帰還者学校はSAOサバイバーのメンタルケアを重視しているだけにばれたら大事だなぁと思った。ゲームの常識を覆す柔軟な発想を生かせるユナイタルリングの魅力が光る話だった。
読了日:05月17日 著者:川原 礫
亡びの国の征服者 1 ~魔王は世界を征服するようです~ (オーバーラップノベルス)亡びの国の征服者 1 ~魔王は世界を征服するようです~ (オーバーラップノベルス)感想
前世の知識を生かしてコスパよく上手く立ち回っているイメージ。予想外に調整がきかず、秀でたポテンシャルが周囲の目をひきつけていく展開の数々が面白い。そして、なんともボソッと出る吐露の数々がけっこうツボだったりする。ユーリ視点で丁寧な地の文、よさそうなシーンでは読み手に心地よく浸透させるような筆致。この3つのバランスが好きなんだなぁ。すーーっと物語に溶け込むような感覚があり確かにユーリ越しに物語を体験していた自分がいた。ゆっくり丁寧に描いていくからこそ今後の展開に深みが出てくるんだと思う。
読了日:05月19日 著者:不手折家
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~  (1) (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ (1) (MFブックス)感想
転生後の世界でルーデウスとして生を受けた34歳無職ひきこもりニートを突き動かす原動力は前世に残した悔恨であることがよく伝わってきた。そこそこいいシーンでおまけでついてくるような下卑た表現で興ざめになることがことがあった。だけどよくよく考えてみると転生した主人公は高校生の途中からずっとひきこもってエロゲをやりこみつつネット世界に住み着いていた人物なので表現される吐露は内面をリアルに表現しているとも言えるのかなぁ。2巻読んでいると1巻の時点でイメージを固めるのは藪蛇だと思った。これから加速度的に面白くなる
読了日:05月21日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~  (2) (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ (2) (MFブックス)感想
ルーデウスの誕生日会をサプライズで企図するエリスが微笑ましく、慎ましく行われた誕生日会で水の魔法で涙を流すルーデウスは大人の対応だった。ここんところのルーデウス視点の語りが面白い。 上質な杖をプレゼントされたルーデウスは本心で感謝を伝える。ルーデウスのためにしたくてやったことだからエリスにとっては大成功でしょう。この本で一番好きなシーンだった。一条の光によって平穏な暮らしから一転、前世ではこんな劇的な環境の変化を経験していないであろうルーデウス!やりなおすんだ!と心に誓った今の環境でどう歩んでいくのか。
読了日:05月23日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~  (3) (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ (3) (MFブックス)感想
ルーデウスの考えるシーンが幾度と今までの物語で出てきたけど張り詰めて考える様子は今までの比ではなく緊迫感が伝わってくる。最後の展開だけはどうしてもどうにもならなくて相手を殺す選択以外がとれない・・・。 ここのルーデウスの苦悩から滲み出る語りが辛いが没頭して読んでた。共感しかなかった。 そこで、自分の目的はなんだ?と原点にたちかえった時、非道の道に進もうともエリスを守るため、無事に中央大陸に一緒に戻るため相手を殺すことに決めた少年の覚悟の重さが痛切に響いた。
読了日:05月24日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ (4) (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ (4) (MFブックス)感想
模擬戦で実直に鍛錬を積み上げて自信をみなぎらせたエリスを簡単に屠ってしまってエリスが落ち込み、ルーデウスに少し嫉妬を覚えてしまうのは同情してしまうんだよね。ずるいと思ってしまうし、ルーデウスの横に並びたくて努力を重ねたきたエリスにとっては、ルーデウスがさらに遠い存在になってしまったんだろうか。 だからって長く気持ちをひきずることなくルイジェルドから剣術を学び、倒れては感覚時につかんだものを血肉化するために何度でもルイジェルドに教えを乞うエリスは強いと思う。
読了日:05月27日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ (5) (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ (5) (MFブックス)感想
ルーデウスにとっては父を心配させまいと辛い内容は避けて話していたのに。皮肉の応酬から親子喧嘩が勃発するわけだが、この拳で語り合う展開がだんだんと熱を帯びていくんだ。昂った感情を拳に宿してぶつかっていく。親指を立てた。再びクラスメイトが来てくれることはなかった。だけど無職転生の世界では違う。パウロと再び会って伝えられたことは、前世と同じ後悔をしないと決めたルーデウスの決意の表れだっと思う。ノルンとルーデウスは最悪の再会だったもんだから、幼少時の悲劇はずっと尾を引いていくイメージがあるのでこの先大丈夫だろうか
読了日:05月30日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 6 (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 6 (MFブックス)感想
アイシャは自分が周りからどう見られているか理解したうえで早くも女の武器とか自分の容姿を生かして立ち回っているあざとさをもっている。将来多くの男を手玉にとりそうなポンシャルをもう発揮しておられる、将来が楽しみな異母妹だ。なんといってもエリス視点の語りが初めてだったのでやっときたかという思い。エリスは口下手な方で、恋する乙女のようなしぐさは描かれても心の声はなかった。ルーデウスと出会ってから今までの心情の変化がエリス視点で語られて、初の視点という期待感と相まって感動した。
読了日:05月30日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ (7) (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ (7) (MFブックス)感想
勇ましい魔術師に見えるのに当の本人が見る世界は灰色のよう 前世の時の感覚と重なって辛そうだけど前世の方が辛かったのでまだ前を向いて生きていけるという。 精神年齢ではおっさんなので、人生経験を積んでいるルーデウスのメンタルは強いと思う。 毎日ロキシーのパンツに祈祷をささげるのは面白いように見えるけど本人にとってはロキシーのパンツが心の下支えなんだよね。エリスが近くにいない喪失感を抱えたまま前へと進むルーデウスの旅路。新たな出会いと別れが描かれ切なさの余韻が残る1冊だった。
読了日:05月30日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ (8) (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ (8) (MFブックス)感想
生前は辛い学校生活を送っていたルーデウスの中のおっちゃん。入学した魔法大学では調べものをしたり興味のある授業を受けたり、再会した者、新たに出会った者とのびのびと学校生活を送っていて楽しそうだ。奴隷少女は虚ろな目をしていた。そんな目をしている者(前世の鏡に映った自分)を何度も見てきたルーデウスだからこそ、奴隷少女の本音を引き出すルーデウスのカウンセリングマインドに脱帽。すごい! エールなんてのがいかにおためごかしか、ルーデウスの経験則に基づく自論がこの巻で一番印象に残った。
読了日:05月31日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ (9) (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ (9) (MFブックス)感想
2人の焦れったい距離感での関わりだけでも面白いのでそのままでもいいと思ってたけど、興味本意から話が進んで中々ふみこめないもどかしさを抱えつつも援助があって、色んな人の温情や善意が微笑ましい物語への帰結へと集約していく温かな話だった。 ルーデウスの不能が完治した。互いに好きといい愛の営みを終えて微笑ましい展開なんだろうけどちょっと待ったをかけたい。 エリス応援派とてはエリスが悲劇のヒロインにならないことを強く望む!
読了日:05月31日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ (10) (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ (10) (MFブックス)感想
数年分の時間というのは、ルーデウスにとって踏ん切りがつく十分な長さなのか。順調だったはずなのにきっかけで過去の気持ちをひきずるのが一番印象的だった。分からないからもどかしいし、思い出してあれこれ考えてしまうんだよね。 でも、もう1人じゃなくて選択を重ねて周りの仲間や大切な人と生きてかなきゃいけない。いいな、過去への憧憬は。 数年ぶりのルーデウスとルイジェルドとの再会は、こみあげるものがあった。少し涙腺が刺激された感じ。 ルイジェルドのエリスはどうした?の一言があまりに痛切につきささる。
読了日:06月05日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜 (11) (MFブックス)無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜 (11) (MFブックス)感想
無職転生の世界で、実際に色んな立ち位置にいることで実感できるもの。それは自ら世界を閉ざしてひきこもっていた前世の自分には気づけなかったもので、ルーデウスが実感して吐露をこぼす数々のシーンはシリーズを通して印象的。無職転生と前世のことを引き合いに出して実感し、推察し、後悔を重ねて、本気で生きると重ね重ね自分に言い聞かせて転生後の人生を刻んでいく。そう思った巻だった。前世の兄が悩みを打ち明けていたら、聞く耳をルーデウスはもったのか、たちなおるきっかけになったのか考えてしまう。
読了日:06月05日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜 (12) (MFブックス)無職転生 〜異世界行ったら本気だす〜 (12) (MFブックス)感想
転生後の世界で本気で生きていく、そのモットーへの心意気は今までの巻で幾度となく大なり小なり伝わってきた。 窮地に陥って心臓を刺し貫かれても誰かのきまぐれで一命をとりとめたり、道中辛い出来事はあってもルーデウスと近い距離にいる大切な人は誰一人命を落とすことはなかったりと最後には丸く治まってきた。 この巻を読んで、転生後の戦いがつきまとう人生を描いた無職転生が本物の物語だと実感し、前世の自分を救うための物語でもあると思った。 前世では向き合ってこなかった悲しい出来事に目を向けて答えを見つける厚みがある話だった
読了日:06月05日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 13 (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 13 (MFブックス)感想
13巻。語られる日常編はどれも安定して面白いと思う。各キャラの生い立ちや、根底にある信念、目標、ルーデウス邸に集まるまでの経緯が既刊で語られてきて、数々の物語の積み上げがあるからこそ平坦な日常編が深みのある話になると思った。父パウロの家族が1つに集まる願いが体現した表紙と本編から家族の温かみが伝わってくる。
読了日:06月06日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 14 (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 14 (MFブックス)感想
ひと目がシルフィやロキシーのことを指していると思うと悲しい。ひと目みせてあげたかったよなぁ。 ルーデウスおじいちゃんの覚悟に短いシーンでありながら心打たれるものがあった。前半の現状治療法がなく余命幾許もないことを知った時のナナホシの慟哭は凄絶だった。仲間を助けるのに理由なんていい。助けたくて助けたルーデウスはかっこいいな。剣の修行を終えたエリスがとうとう再会に向けて動き出すんだな。つり合いがとれない理由から力を求めて、力を手に入れた彼女の活躍に期待しかない。
読了日:06月06日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 15 (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 15 (MFブックス)感想
本巻、技巧を凝らした装丁が魅力的。大切な家族がいなくなり人神の復讐に燃える闇落ちした男の日記だった。使い込まれた年季の入った日記帳を再現していてグラフィックデザイナーさんの力の入れようが伝わってきた。楽しいなぁ。家族はいったん出て行ってもアイシャは戻ってきてくれて世話を焼いてくれるという未来があって、アイシャの優しさにただただ頭を垂れる思いだった。登場するシーンが口絵にもなっていてすばらしい。 ルーデウスとつり合いがとれるよう剣の聖地で修行してきたエリスの登場には万感の思いがこみあげてきた。
読了日:06月07日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 16 (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 16 (MFブックス)感想
ルーデウスが入社した福利厚生が抜群にいいオルステッドコーポレーションの企業理念は何なんだろう。ーデウスの凄いな、まったく見えなかったの一言に喜ぶエリスが印象的で、オルステッドを倒すため、大切な人に追いつき守るために修行してきたエリスの努力が実った一面であり微笑ましいシーンだった。後衛のルーデウスに前衛のエリス。せめぎあう関係ではなく、背中を預けて共に戦う長年の理想が具現化したようなタッグに思える。ルーデウスとエリスだもの。
読了日:06月08日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 17 (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 17 (MFブックス)感想
近い存在が人神の使徒になっているかもしれなくても、揺らぐことがない信頼関係が垣間見えた人情の機微に触れた一面だった。多くの言葉はいらない、きっと伝わると信じて疑わないシーンが印象に残った。 エリスにみたいになりたかったというシルフィの言葉。フィットア領消滅からルーデウスと共に旅したのはエリスだし、今でもルーデウスを近くて守れる強い存在はエリスだ。一番近くでルーデウスを守りたいシルフィの思いがひしひしと伝わってくるようだった。
読了日:06月10日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 18 (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 18 (MFブックス)感想
卒業したリニアとプルセナはいつも通りの2人で、2人が関わると悲しいことも笑いにかえるようなコメディな話になると思う。それはそれで2人の人柄のよさがなせるものだと数巻に及ぶ物語から実感する。後半はジュリ視点で語られることで双方の気持ちが分かり話に深みが出た印象的なシーンだった。 ジュリが作り出した傑作の土人形に素晴らしいと言ったザノバは、土人形の出来を褒めるだけでなく、研鑽を積んできたジュリ自身の力が生み出したものだと褒めたたえていて温かなシーンだった。ジュリをきっかけにザノバ自身の変化がうかがえた。
読了日:06月13日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 19 (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 19 (MFブックス)感想
人の支え、支えられの話に焦点を当てた切なさと温かさが混じる物語だった。理詰めで動いたり、感情で動いたりと行動の裏にある考えは近くにいる人でも分からない。対話に限らず表情やしぐさで相手を忖度して、誤った選択をして自分自身が後悔しないように努めようと思える物語だった。自殺してしまったパックスにもう言葉をかけることができず落ち込んでいるロキシーをルーデウスが支える。12巻では落ち込んでいるルーデウスをロキシーが支えた。どっちの場合も挿絵がありロキシーとルーデウスの支え、支えられを印象付けるシーンだった。  
読了日:06月14日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 20 (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 20 (MFブックス)感想
クリフが魔法大学で得たものについて振り返り、自身の道を見定める人生の重大な選択について丁寧に掘り下げられていて既刊の数々のクリフの物語が思い出され、クリフの考えにしみじみ共感する没入感があった。大人になって現実に即した考えに根付くのではない、過去の自分の歩みを意味あるものにしようとする成長するクリフ先輩が描かれていて良かった。 あと、もルーデウスが言っている通り、エリナリーゼが良妻にしか映らない。  
読了日:06月18日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 21 (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 21 (MFブックス)感想
神子の人の記憶を見る能力でゼニスの記憶が赤裸々に明かされる。パウロの死を知っていて、ルーデウスの家族のことを思っていて、信頼して、心配して、ゼニスのここ一番の行動には取り持ってあげなきゃいけない気持ちが内包されていたことが明らかになって目頭が熱くったルーデウスに共感した。印象的だったのが、 ルーデウス邸にきたエリスがゼニスに伝えたあいさつが届いていて、ゼニスの心の声をエリスに発していたことが定かだったこと。これは15巻の最後の方のシーンだった。ゼニスの言葉がエリスに届いていたことが分かってよかった。
読了日:06月20日 著者:理不尽な孫の手
無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 22 (MFブックス)無職転生 ~異世界行ったら本気だす~ 22 (MFブックス)感想
アトーフェに挑む前のエリスとロキシーでタッグを組んで戦闘するシーンでは、エリスの中でロキシー=ルーデウスの家族を守らなければいけない存在から背中を任せられる存在となっていく様子はよかった。ルーデウスに師と崇められるロキシーだが、自分自身の強さを自覚していてエリスの足手まといになるかしれないけど先んじてエリスから守られる存在としておかれたことに歯がゆい気持ちを抱くのは共感してしまう。守られる歯がゆさ、強さが足りない悔しさ。ここ口絵にもなっていて印象的。
読了日:06月21日 著者:理不尽な孫の手
豚のレバーは加熱しろ (電撃文庫)豚のレバーは加熱しろ (電撃文庫)感想
心根がとても優しいジェスと、欲望だだもれで機転が利く豚さんとのかかわりが微笑ましく、話が進むほど物語に魅せられる意味で思うところが募っていく、心を揺さぶられるものだった。タイトルにセンスを感じて文面にもラノベ好きの読者の心を突き刺す豚さんの地の文が散りばめられていて魅力的だった。 あとがき2行目でやっぱり先生ならではの物語だと思った。短かった日々だけど2人の中で芽生えた特別な思いは安っぽく割りきれるものではない。 最後の別れのシーンでは流麗なイラストと相まって感極まるシーンだった。
読了日:06月23日 著者:逆井 卓馬
リビルドワールドI〈上〉 誘う亡霊 (DENGEKI)リビルドワールドI〈上〉 誘う亡霊 (DENGEKI)感想
何かと深い。に尽きる。舞台の緻密な設定と描写、心の描写、かけひきの緊張感と地の文が適度に丁寧で長いことで終始没入感を覚えていた。既知のものの底が見えない奥行き、新たに出てくる魅力的なものの数々。縦にも横にも幅か広がっていく物語は魅せられるところがたくさんあった。アルファは何か恐ろしいことにアキラを巻き込もうという節が見られるが、アキラは相当アルファから多大な恩恵を受けているので。たとえこのシリーズの後の方でアキラが不利益を被ることがあったとしても憤ることはないのではないかと思う。
読了日:06月24日 著者:ナフセ
リビルドワールドI〈下〉 無理無茶無謀 (DENGEKI)リビルドワールドI〈下〉 無理無茶無謀 (DENGEKI)感想
戦闘時の覚悟の重さと克明な描写が魅力で迫力が自然と映像となって押し寄せてくるような熱量があった。1巻での話が膨らんで面白く、新しいハンター達との出会いもあり今後の流れが楽しみ。 シリーズ通して各人の心の動きを丁寧に描写しているのが印象的で大なり小なり物語が動くどのシーンも好きだな。アキラは罪悪感に苛まれているが、事実を告げてもきっとエレナとサラの恩人への気持ちは変わらないと思う。 だって、アキラがいなければひどい運命を辿っていたと思うし、彼に助けてもらった恩には変わりないのだから。
読了日:06月27日 著者:ナフセ
リビルドワールドII〈上〉 旧領域接続者 (DENGEKI)リビルドワールドII〈上〉 旧領域接続者 (DENGEKI)感想
閑話『ハンター志望の少年少女』でカツヤの生き様に感激した。 なんだろう、一言でいうと、"人を助けるということは、撃たれる覚悟があるやつだ" 助けようとした少女(アイリ)に警戒されて銃口を向けられても、回復薬もあるし一発くらいくらっても平気だと見込んで助け出そうとするカツヤの強固な意志に打ち震える。誰かに呼ばれているような感覚を覚えるというカツヤの能力が知れて、カツヤのヒーローのような風格を再認識できた。
読了日:07月02日 著者:ナフセ
リビルドワールドII〈下〉 死後報復依頼プログラム (電撃の新文芸)リビルドワールドII〈下〉 死後報復依頼プログラム (電撃の新文芸)感想
スラム街での過酷な日々で凝り固まったアキラの根深い精神は想像以上だった。ハンター同士の交流と徒党のみんなとの関わりでアキラの精神の変容の兆しが見えていると思うと、今後アキラの中で人のために悩み天秤にかけたり、誰かの幸せのために少し不器用でも尽力したりすることがあったら辛い生い立ちと過酷なハンター稼業から報われてほしいと願う。旧世界の謎を追いながらハンター稼業中心の物語でも面白そうだからどう転んでも先行きは楽しみということだ。たとえ、目を背けたくなる現実が待ちかまえていようとも。
読了日:07月02日 著者:ナフセ
リビルドワールドIII〈上〉 埋もれた遺跡 (電撃の新文芸)リビルドワールドIII〈上〉 埋もれた遺跡 (電撃の新文芸)感想
制御をふりきって己の信念を貫き通したカツヤに再び英雄の面影を重ねていた。 必ず生還してほしいメンバーはユミナなんだよね。カツヤを探すために危険な遺跡を1人で奔走して無理を承知の上で想い人のために頭を下げて助けを乞うユミナとかさ、仲間やカツヤの心情を汲んだうえで恐れず勇猛果敢に進むところや、消耗戦で弾切れになって焦りの雰囲気が出るところで、パンチでモンスターを殴り飛ばすから大丈夫と笑みを浮かべて仲間の焦燥感をやわらげるところとかさ、もう、ヒロインだよ。
読了日:07月03日 著者:ナフセ
ぼくたちのリメイク Ver.β 2 (MF文庫J)ぼくたちのリメイク Ver.β 2 (MF文庫J)感想
良いことも悪いことも運命ってという一言で片づけてはいけない、どんな意志で選択して、結果に対して自分がどう思ったのか振り返る大切さを悟られたような気がする。シメジを買ったのも、そう買うことを選択してた伊知川さんがいるわけだよ! 運命っていう言葉を言うのは一種の思考放棄であると思うんだが過言ではないと思う。人生っていうのは自分の意志で選択したものの連続で成り立っていると考えさせる1冊だった。感化されて気づきを与えられてかつて自分が抱いた初心を思い出させてくれる。初心は原動力であると思うのだった。
読了日:07月05日 著者:木緒 なち
冰剣の魔術師が世界を統べる 世界最強の魔術師である少年は、魔術学院に入学する (講談社ラノベ文庫)冰剣の魔術師が世界を統べる 世界最強の魔術師である少年は、魔術学院に入学する (講談社ラノベ文庫)感想
主人公の達観している、物事の程度を見抜いている口調から語られる会話と地の文だけで十分面白いと思う。学友と口にせずとも通じ合うノリのよさだったり、相手の繊細なところに言及するまでに通るべき過程をスキップして相手を意識させてしまう言葉のかけあいだったり主人公視点だけでもすらすら読める。仲間と出会い励ましあって高めあう成長譚でもあり、過去の血塗られた戦場で多くを失いすり減って凍結してしまった心をかけがえのない学友との生活で氷解させていく温かな物語でもある、脅かす不穏な存在もあってどうなるのか期待感も高まる。
読了日:07月05日 著者:御子柴 奈々
Babel I 少女は言葉の旅に出る (電撃の新文芸)Babel I 少女は言葉の旅に出る (電撃の新文芸)感想
1冊を通して、ふわふわして確たる自分をもっていなかった雫が旅路の中で悩みながら気持ちに向き合ったり、 この世界における自分の立ち位置と自分がもっている力を客観的にみて意思決定して転生後の世界で生きる自分をつくっている過程が興味深かった。最後の方の禁呪で出てきた負の敵に世界の異物として見られ排除されそうになったとき、異世界からきたけど、自分は、ここにいる!という叫びは過去の悩みが吹っ切れて自分をしっかりもっていると思える印象的なシーンだった。旅は、興味深い発見の数々で満ちていてどうか旅の行く末を見届けたい!
読了日:07月06日 著者:古宮 九時
叛逆せよ! 英雄、転じて邪神騎士 (電撃文庫)叛逆せよ! 英雄、転じて邪神騎士 (電撃文庫)感想
一貫してどのページも文字がぎっしり詰まっているのが著者の筆力のすごさがにじみ出ていると思う。骨太な物語の奥行きを感じさせるような文と適量な歴史的な背景の語りや()で語られる主人公の思惑と一人一人の登場人物の思惑、郷愁を感じさせる語り等が絶妙なタッチで描かれるようで没入感がとても高かった。過去の戦争中と戦後で見える世界の違いから主人公は己の気持ちにしたがって手を差し伸べてしまう。 様子見だったはずが次々とつっこんでは巻き込まれながら話が進んでいく過程で描かれる主人公の悩みと憤りに見入ってしまう。
読了日:07月09日 著者:杉原 智則
筺底のエルピス (ガガガ文庫)筺底のエルピス (ガガガ文庫)感想
時を止めるという興味深い技<<停時フィールド>>を使っての戦い方が幅広くて、停時フィールドと物理法則を絡めて繰り出す技の数々に魅せられる。 絶望に抗う戦いに赴く各々の人物が抱えている悲痛な思いと戦う理由を知ったとき、もう没頭して読んでた。戦いの先で何を見つけるのか追っていきたい。 封伐員になった時に最初に知る人類の未来を思うと、友人同士のやりとりや、先輩と後輩のやりとりが微笑ましく映るんだ。悲壮感を覚えることが多いと思うから温かなやりとりの1つ1つが尊いと思える。
読了日:07月12日 著者:オキシ タケヒコ
叛逆せよ! 英雄、転じて邪神騎士2 (電撃文庫)叛逆せよ! 英雄、転じて邪神騎士2 (電撃文庫)感想
1巻面白すぎて2巻で杉原先生信者になりました。 ギュネイをずっと見てきて、敵でありながらギュネイの在りように同情して父のやり方に疑問を覚えていく心の変容はひきこまれる。そして最後で父と言葉を交わす感極まるシーンに1、2巻で薄々ほのめかしていたとびっきりの伏線回収を重ねることで、もう、見事すぎるよ・・・感涙する気持ちと伏線回収するところまで真実に気がつかない自分でよかったと気持ちのいい清々しさが同居して感動感激だった。
読了日:07月13日 著者:杉原 智則
叛逆せよ! 英雄、転じて邪神騎士3 (電撃文庫)叛逆せよ! 英雄、転じて邪神騎士3 (電撃文庫)感想
文も物語も惚れ惚れする・・・杉原先生信者になった。 エリシスとギュネイの1つの感動のエピソードを小分けにして本編の間間に差し込んで物語後半の敵の手に堕ちようとしているギュネイを救いあげる感涙のシーンに結実させた流れに感動感激。過去編を入れながらギュネイの悩みを掘り下げつつ本編の後半のシーンで意味をもたせる構想がとても好き。
読了日:07月14日 著者:杉原 智則
筺底のエルピス 2 -夏の終わり- (ガガガ文庫)筺底のエルピス 2 -夏の終わり- (ガガガ文庫)感想
希望には絶望を。絶望の中から一点の光を見出すのか、見出せるの!?と百刈圭とは別のそわそわする感じが残る。どうなるのか続きを読みたいと思った。地球全体の貢献度でいうと門部は日本という小さな島国の中でしか鬼退治してないんだよね。 ゲオルギウス会は世界の3分の1もがんばってる。I・・・イルミナティは世界3分の2でかつ裏で世界を動かしているという。 目先の多少の犠牲には目をつむって、未来の多くの命を守れるかもしれない、人類絶滅を回避できる敵側の考えに同情してしまう。
読了日:07月15日 著者:オキシ タケヒコ
七つの魔剣が支配するVI (電撃文庫)七つの魔剣が支配するVI (電撃文庫)感想
今度は、彼女がキャッチしにいったんだね。。。 2年前までキャッチしてくれるあなたがいてくれたから全力を出せた。変わってしまったあなたを、今度は私が命を懸けてキャッチしにいく、そんな思いがあったのかなぁと想像して余情が残る。1人の魔法使いの生き様に畏敬の念と、最後の読者の想像に委ねられる感動を抱く。みんなから強引に離れてオリバーが1人になろうとしたとき、察したナナオがそばにいてくれた。身を案じてはオリバーにとって心労になる、そこは言外に1人で抱え込まなくていいんだっていう安心と温かさがしんみりと響く。
読了日:07月16日 著者:宇野 朴人
筺底のエルピス 3 -狩人のサーカス- (ガガガ文庫)筺底のエルピス 3 -狩人のサーカス- (ガガガ文庫)感想
感動の再会ってときに自然と交わす言葉もなく終わってしまったけど、最後は大切な人の身を案じる父ちゃんだったんだよな。 数年前に死んでいたところを、Iによって生かされ、命令遵守の犬として洗脳されてしまったけど、最後には自分を取り戻して本来は見ることができなかった弟子と愛娘を見られたんだから、少しは良かったのではないかと思う。最後は残忍な仕打ちで絶望に染まっても、2人の姿を見ることができたという一条の光があるように思えた。
読了日:07月23日 著者:オキシ タケヒコ
筺底のエルピス 4 -廃棄未来- (ガガガ文庫)筺底のエルピス 4 -廃棄未来- (ガガガ文庫)感想
超絶の面白さと超絶の辛さが両輪となって読後にしばらく言葉を失う第4巻。世界は絶望から希望にかわったが、叶の絶望は取り残されたままなのだ。でもね、きっと、結と百刈圭は今の叶に寄り添い、支えとなってくれると思うんだよね。百刈は普段おどおどしているけど、 そこは叶を奮い立たせる発破をかけて、結は叶の支えとなり、門部と今の叶をつなげる架け橋のような存在になってくれるんじゃないかって。頬を伝った涙のように、込み上がる情動を形にできたのであれば、叶はまだ枯れ果てていないと思う。  
読了日:07月25日 著者:オキシ タケヒコ
筺底のエルピス 5 -迷い子たちの一歩- (ガガガ文庫)筺底のエルピス 5 -迷い子たちの一歩- (ガガガ文庫)感想
ヒューマンドラマがこくて涙腺を刺激。結のぺちんっ!のところは読んでたら視界がにじんでた。何も考えられなくなるくらいの気を紛らわす地獄の道がほしいという叶に、ユーゼフ、百刈圭、結の3連続の叶を発奮させるアタックがどれも胸を打つ。廃棄した未来で失った仲間たちが活躍しているところみられてそんな昔ではないのに懐古の情にかられる感じある。廃棄した未来では悲惨だった中のやりとりだけど。廃棄した未来でも戻ってきた世界でも描かれる人間性は変わらないから魅力的なキャラの活躍読めてうれしい。
読了日:07月27日 著者:オキシ タケヒコ
筺底のエルピス 6 -四百億の昼と夜- (ガガガ文庫 お 5-6)筺底のエルピス 6 -四百億の昼と夜- (ガガガ文庫 お 5-6)感想
話は地球規模をこえて宇宙にまでスケールをのばしていて ほへ~って感じで数々の伏線を丁寧に回収していくのめりこむ物語だった。点と線がつながるどころか、点と線から積層構造をつくるような盛り上がり。 人類規模の捨環戦を繰り返して、殺戮因果連鎖憑依体という鬼を潜伏観察するため地球が実験場と化しているが、人類もただ黙っちゃいないところがこれから面白くなってくるわけで。プロフェッサーのようなイレギュラー体質から始まり、意思を維持できる依り代が取って代わって代代つないできた今、運命にどう抗っていくのか楽しみです。
読了日:07月29日 著者:オキシ タケヒコ
孤高の暗殺者は、王女を拾い育てる (ファンタジア文庫)孤高の暗殺者は、王女を拾い育てる (ファンタジア文庫)感想
追い、追われの緊張感が物語に熱中させる。間にあるラグラスとトルテの日常が微笑ましい。その分、残酷な描写があって感情の上げ下げが魅力的な物語となっていると思う。残酷なところは酷に描いてほしいと思うのでよかった。 意味の異なる数々のラグラスの冷や汗とトルテの一歩一歩、感情の発露、だいぶぶっとんだキャラの登場、切々で成長が感じられる緊迫感ある戦いなど面白い要素がたくさんあった。妹の正体がこうだったら面白くなりそうだなっていう期待が事実となってうれしい。どうなるんだろうと今後の期待を膨らませてくれた!
読了日:08月04日 著者:亜逸
探偵はもう、死んでいる。2 (MF文庫J)探偵はもう、死んでいる。2 (MF文庫J)感想
2巻で過去編が出るのは意外だったけど、読み終えるとこの小説は1,2で上下巻構成になっている印象をうけた。敵に代名詞の『彼』と言ったんだろうけど、『助手』や『君』以外で君塚を表現していたところが印象に残った。 本名を知らず彼女を<<シエスタ>>というコードネームで呼び、シエスタは君塚を本名で呼ぶことはなかった。 『君』は君塚のあだ名なのか、人称代名詞なのか。どっちだと思う?と言うシエスタから答えはないまま、シエスタの本名は分からないまま終わるところが二人らしい、探偵と助手というかけがえのない絆の関係だ。
読了日:08月05日 著者:二語十
数字で救う! 弱小国家 電卓で戦争する方法を求めよ。ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする。 (電撃文庫)数字で救う! 弱小国家 電卓で戦争する方法を求めよ。ただし敵は剣と火薬で武装しているものとする。 (電撃文庫)感想
数学×戦記ということで期待以上の面白さだった。数学を駆使して事が上手く運ぶ場合と、時をこえる数学といえども『心』をもつ人たちの物語である以上どうしても数学の解のようにスッキリと解決できない難しい面が掘り下げて語られて魅力的だった。数学×戦記て、理詰め×人の勢いと熱さの物語。どちらに焦点を当てても楽しそうだし、それらのシナジー効果と物語の積み重ねからさらに相乗効果をうんだらと思うと、このシリーズがもつ物語の可能性に期待しかない。各国の情報と場所が載っている地図があって今後広がっていく世界が楽しみ。
読了日:08月08日 著者:長田 信織
数字で救う! 弱小国家 2 電卓で友だちを作る方法を求めよ。ただし最強の騎兵隊が迫っているものとする。 (電撃文庫)数字で救う! 弱小国家 2 電卓で友だちを作る方法を求めよ。ただし最強の騎兵隊が迫っているものとする。 (電撃文庫)感想
臣下がナオキとソアラが見ている"世界"を教えてくださいと興味を示したところは2つの意味で大人の貫禄をみせたと思う。1つは数学的な考えを組み込んだ戦いのシミュレーションの有用性に気づいたとこ、もう1つは臣下がソアラが見ている世界を理解しようとする懐の深さをみせたところ。作戦会議では二人だけが知っている数学用語で臣下に疑問をもたれるし、2人から数学のよさを伝える機会さえもたない始末。今回の臣下の動きは感謝に値するものだと思う。今巻から登場したテレンティア最高。国の運営陣を一枚岩にしてくれそうな感じがする。
読了日:08月08日 著者:長田 信織
オリンポスの郵便ポスト (電撃文庫)オリンポスの郵便ポスト (電撃文庫)感想
オリンポスの郵便ポストという世界に浸っていたいと思った。ああ、これは物語だ、これが読書体験だ、これが物語で勝負している魅力的な小説であると久々に思えた。この物語を通じて、エリスが夢も希望もなくて、過去をばっかり見て生きたっていいじゃないかという考えと、 これからも手紙に託された想いを届けること、火星はまだ生きていて惑星改造の夢はまだ終わっていないから生きていくと希望をもてた着地はロードムービーのようで感動した。著者の物語が好きな思いが瑞々しい文体に表れていると思うんですよね。
読了日:08月14日 著者:藻野 多摩夫
オリンポスの郵便ポスト2 ハロー・メッセンジャー (電撃文庫)オリンポスの郵便ポスト2 ハロー・メッセンジャー (電撃文庫)感想
前巻がオリンポスの郵便ポストまでの旅路なら2巻は登場人物たちの心の旅路であると。 旅なんだから途中で立ち止まって悩んでもいい、中々吹っ切れない思いに胸を焦がし、切々とした時間を過ごしてもいい。だけど過去には戻れず立ち止まるか、寄り道か、前へと進むしかないわけだ。 2巻に出てくる登場人物の多くが過去を引きずっていた。懊悩して、衝突して、吐露して、打ち明けず心に留めておいて。過去を共有して相談して気づかされて、過去の時間が今の、これからの自分の支えとなっていることが心の旅路の1つの答えなのかなと思った。
読了日:08月16日 著者:藻野 多摩夫
さいはての終末ガールズパッカー (電撃文庫)さいはての終末ガールズパッカー (電撃文庫)感想
藻野先生が書く物語の雰囲気が好き。デビュー作のオリンポスの郵便ポストを読んだ時に思った素敵な物語への誘引が本巻も健在で、同じ著者だからこそできる設定により想像するのが楽しくなる余情を残してくれている。感傷的になりつつも、ふと笑みをこぼしてしまう温かみがあり、強く共感するメッセージ性がある。2人の物語であり、レミの物語でもありリーナの物語でもある。2人それぞれの視点と3人称視点から丁寧に描かれてとてもよかった。
読了日:08月17日 著者:藻野 多摩夫
数字で救う! 弱小国家 3 幸せになれる確率を求めよ。ただしあなたの過去は変わらないものとする。 (電撃文庫)数字で救う! 弱小国家 3 幸せになれる確率を求めよ。ただしあなたの過去は変わらないものとする。 (電撃文庫)感想
ナオキの数学講座もすごいけどテレンティア嬢の助言も毎度のこと感心させられる。 "これだけなんです"をネタにつなげる展開は上手すぎ。からかいといい助言といい哲学的な話といい、修羅場をくぐってきて培った肝っ玉といい。秀でるところがギャグセンスも含めて光っていてなんていう存在感なんだろう。今回ナオキが距離を縮めたことで有事の際にナオキの感情の揺れ幅が大きくなる場合が出てくるかもしれないわけで、その時理屈か感情かどちらに天秤が傾くのか気になる。だってこの物語は戦記だから。
読了日:08月18日 著者:長田 信織
数字で救う! 弱小国家 4 平和でいられる確率を求めよ。ただし大戦争は必須であるものとする。 (電撃文庫)数字で救う! 弱小国家 4 平和でいられる確率を求めよ。ただし大戦争は必須であるものとする。 (電撃文庫)感想
戦記以外の描写を事の背景から現在まで得心がいくように描かれてるのは魅力的。この国の経済の流れを描くのもこの物語の面白いところだと思う。3巻で採用した数学の鬼才少女トゥーナが大活躍の巻でうれしい。ナオキに代わってナオキから教わった数学講座をトゥーナが開く。護衛を勤める傭兵隊長の息子オードッグがトゥーナの解説に頭を傾げたり、力説に圧倒されて「お、おう」となったり、少し共感できたりと様々反応見せてくれて、これが素の反応として読者に近いよなぁと共感できるところが多かった。ソアラ王女はすぐ数学を吸収できるし。
読了日:08月21日 著者:長田 信織
数字で救う! 弱小国家 5 勝利する者を描け。ただし敵は自軍より精鋭と大軍であるものとする。 (電撃文庫)数字で救う! 弱小国家 5 勝利する者を描け。ただし敵は自軍より精鋭と大軍であるものとする。 (電撃文庫)感想
大戦争、大熱気と手に汗握る戦記の熱さがあった。とてもよかった。 数学×戦記。敵から離れた距離で数学的な考えを戦略に生かして戦う、または戦争を支える人員と金と物資の流動を大局的に見て数字で見て適宜判断していくところが今まで見物だったけど、本巻は戦記ならではの戦いに赴く戦士たちの熱い戦意と死中に活を求める気迫さ等、総じて熱いものが込み上げる感情揺さぶられる物語だった。これが数学×戦記において戦記側に注力した物語を5巻で分厚く出してくれたからこそ、積み重ねの魅力がブーストとなって素晴らしい物語
読了日:08月25日 著者:長田 信織
烙印の紋章―たそがれの星に竜は吠える (電撃文庫)烙印の紋章―たそがれの星に竜は吠える (電撃文庫)感想
剣闘士オルバの凄惨な過去と鍛錬を重ねて鍛え上げられた肉体と、肉体を鍛えて培われた精神的な強さを描き、物語の舞台の最下層にいる人物が瓜二つ皇子とすり替わり、民の窮状を身をもって知っている彼がビリーナ王女と共にどのような采配を振るのか楽しみ。立場がかわって見方・考え方が変わるのか。皇子の立場で陣頭指揮をとって、戦場では剣闘士時代の仮面をつけ、正体を隠して死線に立つ男。憎しみに形を与え、憎しみを切り裂く指針となった剣をふるう意味はかわるのか。オルバとビリーナを筆頭にした国の趨勢を追っていきたい。
読了日:08月25日 著者:杉原 智則
烙印の紋章〈2〉陰謀の都を竜は駆ける (電撃文庫)烙印の紋章〈2〉陰謀の都を竜は駆ける (電撃文庫)感想
剣闘士オルバであり、すり替わった皇子ギル・メフィウスでもある2つの顔をあわせもつ男。 命さえ自由ない奴隷の剣闘士の立場と、己の采配1つで組織を動かせる最上位の立場に立っている皇子が抱える苦心はいかほどか。数日の命と、それをつなぎとめるための食糧を手に入れるため命懸けの奴隷の剣闘士を勤めてきたオルバと、血と腐肉にまみれたメフィウスの娯楽のために命をもてふそぶ側に立っている皇子としてのオルバ。 伝聞ではない、どちらの立場もみわもって体感しているからこその自身への問いかけは印象的。
読了日:08月26日 著者:杉原 智則
烙印の紋章〈3〉竜の翼に天は翳ろう (電撃文庫)烙印の紋章〈3〉竜の翼に天は翳ろう (電撃文庫)感想
自分が何者であるのか、何者になれるのか分からない。ないものねだりなんだよなぁ。姫の場合は14歳の少女らしい空隙をみせるところがあるけどオルバの場合は剣闘士でも皇子としてもなかなか周りにみせることがない。が、過去兄ロアンが求めてきた握手の意味、オルバ用の刀を作った鍛冶師が明かした真実を受け止め、1人頂上でぽたぽたと堰を切って出てきた涙を落とすところは、今の立場のオルバがみせた初めての峻烈な感情だったのではないか。これでどう考えが変わるのか杉原先生が丁寧に綴ってくれるだろう。
読了日:08月27日 著者:杉原 智則
烙印の紋章〈4〉竜よ、復讐の爪牙を振るえ (電撃文庫)烙印の紋章〈4〉竜よ、復讐の爪牙を振るえ (電撃文庫)感想
『嘘つき』はビリーナへの最大の譲歩だったのではないか。 烙印の紋章のプロットにうなる。己の命は、あらゆるものをうばった、あらゆるもののためにある、という自分を生かしている初志。途中いくら辛酸を嘗めようと復讐のために生かし、皇子の責務を果たしつつ、その立場でできる権力を用いて用意周到にこの日のためにぶれずにやってきたオルバの労力が凄まじい。ダークヒーローのかっこよさなんて言ったら陳腐に聞こえるくらいオルバは英雄であり、闇の英雄でもあったと思った。
読了日:08月28日 著者:杉原 智則
烙印の紋章〈5〉そして竜は荒野に降り立つ (電撃文庫 す 3-19)烙印の紋章〈5〉そして竜は荒野に降り立つ (電撃文庫 す 3-19)感想
復讐のために苦難に耐えて、いざ目的を達成したことで剣闘士オルバで、皇子ギル・メフィウスでいる必要がなくなり、タウーリアにシークとギリアムを連れて傭兵稼業を始めることになった本巻は、身分も舞台も関わってきた人物がごっそり変わろうと、新天地でオルバが成り上がっていく面白い物語だった。 ギル皇子を貶める発言の数々をしてしまうところは、言葉にして相手に伝えているようで自分自身に言い聞かせているようだった。文中に、戦場はたくさんの『ロアン』がいたという表現に胸中の心かき乱される情動がこめられていると思う。
読了日:08月29日 著者:杉原 智則
烙印の紋章〈6〉いにしえの宮に竜はめざめる (電撃文庫 す 3-20)烙印の紋章〈6〉いにしえの宮に竜はめざめる (電撃文庫 す 3-20)感想
皇太子ギル・メフィウスはここにいると叫び心肝によびかける流れは本巻で一番印象に残っているところ。タウランには王がいないと前巻から気にかけていて戦を通じて、王や貴族とは民にとってどのような存在であるべきか少し考え、混沌としている乱世で求められる血族の語りが好き。故にアークス・バズガンの功績として歴史に残るよう彼を立たせた。 王侯貴族の風格を漂わせていたが本巻でより光っていた。皆の士気を鼓舞するシーンの数々は読んでいる読者をも燃えさせてくれる。鯨波が小説を超えて読者にも吹きすさぶ勢いだ。
読了日:08月30日 著者:杉原 智則
烙印の紋章(7) 愚者たちの挽歌よ、竜に届け (電撃文庫)烙印の紋章(7) 愚者たちの挽歌よ、竜に届け (電撃文庫)感想
自分が得心に至るまで皇子ギル・メフィウスについて不可解な点を追究したい思いから生じるビリーナの行動力と、下手なお芝居には、美点である剛胆さと可憐さがある。皇子は『嘘つき』だと、何かあるに違いないと皇子の部屋をくまなく捜索して失意が色めき立ち、鍛冶師のソダンから、剣闘士オルバに贈ったチェーンつきのメダルを受け取ったときは否応なく現実をつきつけてくるかのよう。だけどそこからの彼女の裏切りの烙印をおされかねない猛進は彼女の悲哀な未来予想図を思い浮かべつつもきっとオルバが引きちぎってくれるのではないかとも思う。
読了日:08月31日 著者:杉原 智則
烙印の紋章〈8〉竜は獅子を喰らいて転生す (電撃文庫)烙印の紋章〈8〉竜は獅子を喰らいて転生す (電撃文庫)感想
鉄仮面越しに皇子ギル・メフィウスを見たのか。ビリーナ姫の「やっぱり・・・あなたは、嘘つきだ」の一言。 そこからの一度葬った名を、死んだとされた皇子を再び顕現させるこの、胸の高鳴り。込み上げる熱が焦熱と化す。P259の銃口を敵に向けているビリーナ姫の挿絵がかっこよすぎます。次巻で目を覚ましたビリーナは、オルバにどう相対するのか。オルバは、ビリーナに何も包み隠さず打ち明けると約束した後、姿を消すという最悪の裏切りをやってのけった男である。ビリーナは、驚喜と憤激の間で揺れ動くのだろうか。
読了日:08月31日 著者:杉原 智則
烙印の紋章 9 征野に竜の慟哭吹きすさぶ (電撃文庫 す 3-23)烙印の紋章 9 征野に竜の慟哭吹きすさぶ (電撃文庫 す 3-23)感想
自分は何者であるかの問いかけへの思慮、答えを、巻数を重ねたオルバの今までの歩みにより、じわじわと変化を伴って出してきているところがシリーズもの味わい深さ。 家臣を死なせてしまう恐れからくる自問は、かつての自身の復讐に生きていたオルバなら出なかったもの。そこでオルバの正体を知っていて面倒をみてずっとついてきた、精神的にも最大の力添えであったシークが気づかせ、オルバを支えてきたシークの存在感の高さを示す巻だったともいえる。ずるい、ずるいよこの展開は。オルバがさらに孤高の存在となっていく。
読了日:09月13日 著者:杉原 智則
烙印の紋章 10 竜の雌伏を風は嘆いて (電撃文庫 す)烙印の紋章 10 竜の雌伏を風は嘆いて (電撃文庫 す)感想
内面で渦巻く情動の描写は読者に訴えるメッセージ性があって毎度の心の動きの描写は味わい深い。憎悪の感情を膨れ上がらせこの手にかけてやりたい感情とワンシーンが脳裏をよぎり手にかけたくない相反する感情とのせめぎあいに苦悶するシーンは熱狂だった。募らせていくオルバの不安と焦燥を嗅ぎ取って危険な行動に移すのがやっぱりあのビリーナ姫だ。剣闘士オルバではまだ共感しがたいかもしれない皇族としての勤めを果たさんとするビリーナの勇猛さに凛々しいお姿を見る。王女の行動に対して疑問が残り、胸中で熱が暴れまわっているところが肝だ
読了日:09月14日 著者:杉原 智則
Babel II 魔法大国からの断罪 (電撃の新文芸)Babel II 魔法大国からの断罪 (電撃の新文芸)感想
ターキスから剣を受け取って負の存在を前に「私はここに、いる!」叫びで何か吹っ切れて感じで、2巻の雫はだいぶ胆力をもちあわせていることに目がいく。なら今の雫なら、動いているものが動かくなると楽しいと言う、人殺しが楽しいカイトに言葉で通じ合えますか?と問いたい。綺麗事の説教に彼が得心をもつところまで押し通すことができますか、と。この世界の言語の在り方には驚かされた感想と、固定的な印象だった。〇〇言語の在り方は、伝えたいことを伝える手段である『言葉』の理想的な最上の形なのかもしれない。
読了日:09月21日 著者:古宮 九時
烙印の紋章 11 あかつきの空を竜は翔ける 上 (電撃文庫 す 3-25)烙印の紋章 11 あかつきの空を竜は翔ける 上 (電撃文庫 す 3-25)感想
1巻でオルバは復讐を果たすため『おれの命は、おれからあらゆるものを奪った、あらゆるもののためにある』だったが、11巻で命を含めたオルバのすべてを本人が以下のように心中で発したことに、11巻までの血みどろの道で見つけた答えがあるようで、深い印象をもたらした。(おれのすべては、おれが生き抜くすべてのためにある)何者か?と、ビリーナがオルバが本物の皇子ではないと肝心な時に思い出させてくれるからこそ、ここにいる己の存在理由がある。本物の皇子であったならどんなによかったかと、こぼすオルバの言葉が痛切に響く。
読了日:09月22日 著者:杉原 智則
烙印の紋章XII あかつきの空を竜は翔ける(下) (電撃文庫)烙印の紋章XII あかつきの空を竜は翔ける(下) (電撃文庫)
読了日:09月23日 著者:杉原智則
我が魔道書は此処に在り 没落貴族と魔道学院 (ファンタジア文庫)我が魔道書は此処に在り 没落貴族と魔道学院 (ファンタジア文庫)感想
ロレーヌ家が与えられた大命十書の命題『生命の本質の解明』ということで、人体の構造と魔道を絡めた戦い方は新鮮な感じだった。なんてたって関節技。それを中盤あたりで、ルネのキャラの印象が朧気ながらも残ってきたところで彼女がやってのけたので、ロレーヌ家をテレジアに吸収されることなく守り抜いて名誉を回復させる強固な意志を垣間見た感じだった。今後の成り上がりで、流血沙汰は避けては通れないだろうと思う。心根が優しいルネが、日の目を見ながら成り上がっていくのか、どこまで惨い復讐に手を染めるのか追っていきたいと思う。
読了日:09月25日 著者:大黒 尚人
処刑少女の生きる道(バージンロード)2 ―ホワイト・アウト― (GA文庫)処刑少女の生きる道(バージンロード)2 ―ホワイト・アウト― (GA文庫)感想
本巻で『第四』の勢力を追っていく中でアカリの指針が明らかになり、物語も追っていくごとに事件と真実がことごとく既知のそれらを上回るスケールで明るみになったりと飽きさせることなく読めた。四大災害とあって、なんて悍ましい様相を見せてくれるんだろう。他の四大災害の話に期待を募らせる。メノウの魔道への優れた技巧と手練手管の手腕は前衛、後衛どちらも頼もしく、戦闘狂の王女殿下をアシストする立ち位置でも見ていて楽しい働きぶりを見せてくれるのではないかと思って今後も王女とのタッグを見たい。対してモモに憐憫の目を向けてしまう
読了日:09月26日 著者:佐藤真登
亡びの国の征服者 2 ~魔王は世界を征服するようです~ (オーバーラップノベルス)亡びの国の征服者 2 ~魔王は世界を征服するようです~ (オーバーラップノベルス)感想
タイトルの通りの『亡び』が滲みでる巻となった。終始、安定感が抜群なんですよね。1巻、2巻とユーリの動向から、きめ細やかに設定された舞台を明かしていく。情報では3巻でも本格派戦記を謳う本作の戦記の描写はないっぽいとのことですが下地を積み重ねてからの爆発力を自然と期待してしまうほど1巻、2巻と安定した面白さがある。てかキャラの動かし方と描写が巧みな印象を受ける。終盤の展開は王女殿下キャロルにとって1巻の最後と同じように、後々思い返す大切な思い出となるんだろう。
読了日:09月27日 著者:不手折家
蒼空はるかな最果て図書館 光の勇者と愛した歌姫 (電撃文庫)蒼空はるかな最果て図書館 光の勇者と愛した歌姫 (電撃文庫)感想
『子供に読み聞かせする様々な優しい生き物達が登場するおとぎ話を、全年齢の心に温かな採光を差すような小説に昇華させた感じ』だった。 読みながら批評項目が挙がっていくようなジャミングがなく、無垢な心で物語を楽しめていた子供の頃。 あるいは多感な子ども時代だからこそ、あれこれ感激だったり不満だったり感情の起伏があった子どもの頃。 童心に返る読み手の心を温める物語だった。すてきな温かな物語を女性作家が執筆することでより優しさ溢れる筆致になると思うのだった。戦いが生じる場面でも言葉選びがすてきだと感じた。
読了日:09月28日 著者:冬月いろり
14歳とイラストレーター3 (MF文庫J)14歳とイラストレーター3 (MF文庫J)感想
乃ノ香が聖母様。イラストレーターの6段階のランク、ラノベ表紙イラストを描く上でのポイント、やるべき書店ごっこ等イラストレーター業界話は毎巻、1巻ごとに学んだ内容をリスト化してまとめるべきだと思いつつ、物語を通して業界の見識を深めていく話と抜きんでたキャラクターの魅力が光ってた話だった。つまり乃ノ香が聖母であると。自分のお願いでありながら悩んでいる悠斗を勝負の舞台に引っ張り上げる一筋の光明であり、誰かのためにのびのびと描くイラストってこんなにも見る者を魅了するのだと共感した。
読了日:09月30日 著者:むらさき ゆきや
ただ、それだけでよかったんです (電撃文庫)ただ、それだけでよかったんです (電撃文庫)感想
本作は醜いところの描写だけでなく、人の温かさも描かれていた。一人ぼっちで革命を起こした少年と、自殺した少年の姉の視点で真相に迫りながら描かれる人の美醜。それと明らかになる事実に関心を寄せられ続きが気になる面白さがあった。世間にまで嘲りの目を向けられた一人ぼっちの革命を実行する少年の外面と内面の描写の対比が魅力的だった。学校が導入している人間の性格を数値化する人間力テストによって、自分の評価を守るために心の余裕がなくなってくる人の心境が痛切に響いてくるかのよう。
読了日:10月12日 著者:松村涼哉
15歳のテロリスト (メディアワークス文庫)15歳のテロリスト (メディアワークス文庫)感想
数々の参考文献に裏打ちされた知見を活かした少年犯罪被害者の心痛を描き切った物語だった。 少年法を中心にして、その周りを少年法に人生を左右された者達がぐるぐるまわって抑えきれない感情があぶり出される。厳罰化することは少年犯罪の再犯を招きやすく長期的に見ると効果が薄い。しかし、初犯によって奪われた側の被害者にとっては得心がいくことは難儀であると共感する。 被害者の主人公と、加害者の妹との正体を隠した状態から始まった歪そうな関係の行きつく先については、よかったなと思う。
読了日:10月13日 著者:松村 涼哉
14歳とイラストレーター4 (MF文庫J)14歳とイラストレーター4 (MF文庫J)感想
小説を読んで設定を理解した上でキャラデザを提案するが編集者はOKでも作家からダメ出しの数々でリテイクの連続。マリィの小説のイラストを手掛けてきた悠斗のアドバイスは、案を出すうえで素地にしなければいけない要素なんだと得心がいくものだった。そしてナスさん。自己満足をとったらクリエイターには何も残らないって、何のために絵を描いているのかという根源的な自信への問いに結び付くものだった。金やチヤホヤのためではモチベに成り得ず、自己満足こそ自身の『好き』を無から有にする原動力だ。
読了日:10月13日 著者:むらさき ゆきや
14歳とイラストレーター5 (MF文庫J)14歳とイラストレーター5 (MF文庫J)
読了日:10月13日 著者:むらさき ゆきや
ヴァンダル画廊街の奇跡 (電撃文庫)ヴァンダル画廊街の奇跡 (電撃文庫)感想
作者の美奈川先生の芸術への造詣の深さくる描写が秀逸な印象を度々抱いた。美術作品の描写が上手なもんですから物語の情景描写も巧みな言葉選びをされているなーと思うことが多かった。表現するとき作者の中には一枚の絵があり、絵の美しさを文に落とし込んでいるような。芸術の規制で何かをあきらめたり、規制が近因となって起きた悲劇によって大切なものに蓋をしてしまったりする人に焦点を当てた人生の話。主人公周りの初めての邂逅を含めた深い過去編の話があることで隠された真相に興味が沸き、テロリストたちの思いに共感の連続で没入感が高い
読了日:10月21日 著者:美奈川 護
神様のメモ帳〈4〉 (電撃文庫)神様のメモ帳〈4〉 (電撃文庫)感想
生きてさえ、いれば。 死んでしまったら、生きていれば選べた道が潰えてしまう。そんな当然なことを噛みしめて、苦みと読後の澄んだ空気感をも飲み込んで、物語に何回か出てくる冒頭の一文に込められた思いに胸を焦がした。みんなの拠り所となる居場所があるっていいな、その居場所をいつか帰ってくる人のために守っているところもしみじみいいなと思った。居場所についてストーリー上哀愁ただようところを、優しく温かな場所のように何度か表現していたところは、かつての輝かしい思い出の時間を想像上で想起させてくれて良かった。
読了日:10月22日 著者:杉井 光
神様のメモ帳〈5〉 (電撃文庫)神様のメモ帳〈5〉 (電撃文庫)感想
3巻では周りの主要人物に真実を告げて一番傷つくであろう本人には最後まで真実を言わなかった。4巻では無知によって保たれていた平穏を壊すかもしれないとしても、本人は生きているんだから死者の代弁ではなく、真実を告げた上で人が選ぶ選択を守った。そして本巻では、その人の心に届かせるために一部真実をかえた物語を届けた。探偵には向かないナルミだからこそ言えた、人の心の奥底に届かせる言の葉だったんだなと思う。 心に火をともしたナルミの行動力は痛快で毎度いい。
読了日:10月23日 著者:杉井 光
神様のメモ帳〈6〉 (電撃文庫)神様のメモ帳〈6〉 (電撃文庫)感想
紛れもなく、花田勝という現ラーメン店主の父親の物語だ。そして愛される居心地がいいラーメン屋を守る総力戦が描かれる物語だ。口絵で紹介され文中ではナルミ達に相見えず電話越しの存在で終わってしまったのに、その男の生き様をまざまざと刻み付けていくかのような痛烈な物語だった。アリスが、いつも麺とチャーシューと卵抜きのネギラーメンを頼むアリスがその日は舌が焼けるくらいのラーメンが食べたいと言った時には二重の余韻から三重へと移ろって言葉を失うようで万感こみあげる思いがあった。久々のお気に入り作品となった。
読了日:10月25日 著者:杉井 光
神様のメモ帳〈7〉 (電撃文庫)神様のメモ帳〈7〉 (電撃文庫)感想
こんなのってあんまりだよ!と2巻続けて、それで本巻は中盤あたりで心打たれるれることになるとは。 たった1つの冴えたやりかた。 その結末はあまりにも悲しくて優しくて玲瓏なお話だった。残酷な仕打ちから始まっても最後の結末に残酷なんて言葉はつけない。だって残酷を、アリスが墓から掘り起こして代弁した「たった1つの冴えたやり方」が塗り替えてくれたから。死がつきまとう親子の物語を2巻連続で読んでいるだけに、痛痒を感じるとともにアリスが代弁した死者の想いが優しく冴えさえとしている感じ。
読了日:10月26日 著者:杉井 光
教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 7時間目 (MF文庫J)教え子に脅迫されるのは犯罪ですか? 7時間目 (MF文庫J)感想
作家と編集者は同じ方向性を見ていながらゴールは編集者が同一直線上の手前の1つめで、作者が手前の1つめを含めた2つめのゴールまでだと思う。編集者のゴールが読者に作品を手に取って買ってもらうことで、作者のゴールが読者に手に取ってもらった上で面白いという感想を抱いてもらうこと。そう思うと物語を商品にして売れるための編集者の仕事は、本巻でキャラに気持ち悪いと思われようと正しいんですよね。読んで面白いと思った作品がたとえ上記のように気持ち悪い宣伝をしていようと気にない。だって用があるのは作者が書いた物語なのだから
読了日:10月30日 著者:さがら総
ヴァンダル画廊街の奇跡〈2〉 (電撃文庫)ヴァンダル画廊街の奇跡〈2〉 (電撃文庫)感想
美奈川先生の芸術への造詣の深さが落とし込まれた文を読んでいると作品が気になって芸術作品をネットで調べながら読むようになった。より味わい深く読めて楽しい。こう自然と好奇心を駆り立てられて学生時代には関心がなかった美術作品の絵と、絵に込められた思想に興味をもつのは、『ヴァンダル画廊街の軌跡』が自分にとって一種の芸術だからかもしれないっと。テロリストたちの物語ではあるけど目次全てが美術作品なので必ず作品の思想と絡めた話が出てきてどの短編も読んだ後に熾火のような、時に切なさが混じった温かさが残る読後感がある。
読了日:11月09日 著者:美奈川 護
ハル遠カラジ (ガガガ文庫)ハル遠カラジ (ガガガ文庫)感想
かつては人の命を奪う武器を造る兵器、今は鉄の心血を注いで人の命を守るロボット。 AIを搭載した暴走する機械が蔓延り、人類の多くが突如消失した世界で、かつて戦線に身を置いて人を殺すための武器を造っていたテスタが後に「ハル」と名付けることになる幼い少女と出会い『母』となっていく物語。理不尽な目に合う世界。だけど、隣に無機質な機械だろうが、鼓動をうつ命を宿した人であろが言葉で心通わせられる感情をもった大切な存在があれば、その人たちにとっては生きる希望たり得るのではないかと思う。
読了日:11月21日 著者:遍 柳一
ハル遠カラジ (2) (ガガガ文庫)ハル遠カラジ (2) (ガガガ文庫)感想
涙が滲んだ。人とロボットが命に、己が心に向き合う物語。感情的になるところをぐっと呑み込んでテスタの心中を推し量ってのアニラの一度目の「見誤ってはいけない」では冷静だった。だけど二度目の「見誤ってはいけない」ではその人物に向き合うことになるんだよね。そこのところのテスタの吐露は揺さぶられてしまうよ。二度目ってところがたまらない。一度踏みとどまったはずなのに、自身が問いかけてハルが返した言葉に、沁み込んだ先に見出した返したい、向き合いたいという答えの帰着がただ感傷に浸ってしまうし美しい。
読了日:11月23日 著者:遍 柳一
ひげを剃る。そして女子高生を拾う。4 (角川スニーカー文庫)ひげを剃る。そして女子高生を拾う。4 (角川スニーカー文庫)感想
吉田は沙優のためと色々言ってはいるが、そこに彼の意思がない。社会人として、沙優のため、事情を考慮して望ましい帰着となるような展開。だけどしょうがないのか。女子高生を匿うことによるリスクと沙優の家族の問題がある以上、一緒にすごす時間が長くなるほど、必ず迎えるお別れが辛くなるだけ。そういう現実的な問題を投影してくれるところが本作の魅力でもある。過去を打ち明けてからは涙もろくなっている印象たけど、今まで話せる時がくるまでため込んでいたものが堰を切ったようにあふれ続けているのか。本巻で何回涙を流したことか。
読了日:11月30日 著者:しめさば
それでも、医者は甦る -研修医志葉一樹の手術カルテ- (メディアワークス文庫)それでも、医者は甦る -研修医志葉一樹の手術カルテ- (メディアワークス文庫)感想
電撃文庫『AGI -アギ- バーチャル少女は恋したい』で2冊出している午鳥先生の最新作は、現場の経験を生かした医療モノ。主人公の志葉は、患者の湊遥に向き合い続けた一人の医者だった。話を進めながら医者という仕事、現代の医療制度に疑問を覚えながら職務を全うしていく研修医の物語は、今以上の策を見いだせるのか続きが気になる面白さと、現代に通じる医療への問題提起がいくつかあって読みながら考えさせられる。助けるという約束を果たすため、精神を擦り減らしながら奔走する一人の医者の物語だった。
読了日:12月02日 著者:午鳥志季
ぼくたちのリメイク8 橋場恭也 (MF文庫J)ぼくたちのリメイク8 橋場恭也 (MF文庫J)感想
今まで未来で輝くはずだったクリエイターを失わないよう動きつつ、みんなで協力して取り組む課題制作を終えたら、新キャラたちと(βのキャラいるけど)、他人の企画の実現に向けて動く?それでシノアキが気になるような〆かと。企業が学生たちの斬新な企画を募集して、選考が通って採用された橋場チームが総力をあげてゲーム創りに取り組むならわかる。物語がつながっている感じがする。新キャラたちと他人の企画で動き出すことに疑問を覚えただけ。 よって、彼の本当の戦場はぼくたちのリメイクβだ。
読了日:12月06日 著者:木緒 なち
弱小ソシャゲ部の僕らが神ゲーを作るまで 2 (オーバーラップ文庫)弱小ソシャゲ部の僕らが神ゲーを作るまで 2 (オーバーラップ文庫)感想
一人でできる創作とみんなでないとできない創作。どちらも暗い話と明るい話を取り上げていて、今しかできない部活動の創作だから時間が貴重だし、熱意を共にする仲間との日々が光って見える。そして弱小ソシャゲ部の屋台骨であるガッチャマンの偉大さが伝わる巻でもあった。表紙見て黒羽がイメチェンしたのかと思ったけど新キャラだった。周りも魅力的。主人公が卑屈気味になることで周りのキャラの魅力が際立っていると思う。同じ若さといえど臆病風に吹かれる者がいれば、その風を前へ進む追い風にかえるような背中を押してくれる者がいる。
読了日:12月07日 著者:紙木織々
それでも、あなたは回すのか (新潮文庫)それでも、あなたは回すのか (新潮文庫)感想
コスト削減の対象になってしまい取り急ぎ打開策のために準備した資料は何の説得力にもならなかった。精一杯がんばったとか言わないでよね という指摘は納得せざるをえないもので会議の場に求められるのは建設的な議論であることを痛感させてくれる。帯には「貴方は私で課金する?」とある。 ガチャは金を使って回す賭け事だ。「私で課金する?」は人に賭けてみるかの問いに思える。ゲームの運にしろ、多角的にみて分析して入念の準備の上で臨むことも。それでも、できることをやって回し続けるしかない。
読了日:12月12日 著者:紙木 織々
竜歌の巫女と二度目の誓い (GA文庫)竜歌の巫女と二度目の誓い (GA文庫)感想
過去話は主要人物の感情に結び付くとても短い話で終始終わっていて残念だった。人と竜の歴史は長いとあったがどんな歴史があったのか、騎士ギルバートが長い歳月苛み続けた痛み、オズワルドの決意の重さ、死を招いた悪政の詳しい内容、そして大事なのがどれほどの思い入れがあって騎士ギルバードは巫女に誓ったのか気になった。暗い話は好きな方だが、どんな経緯で陰りを帯びるようになったのかが詳しくなく、事実と、その事実から抱いた感情の羅列で暗い話を取り繕っているようでいまいち没頭することができなかった。
読了日:12月13日 著者:アマサカナタ
リビルドワールドIII〈下〉 賞金首討伐の誘い (電撃の新文芸)リビルドワールドIII〈下〉 賞金首討伐の誘い (電撃の新文芸)感想
窮地に陥って無理矢理笑顔になるところは彼女らしいが最悪の未来を想像して胸が張り裂けそうになった。神がかり的な動きと本巻で表現しているように色々度外視した動きがあって迫力あった。上記のようにひりつく感情や、疾走感ある展開による胸の高鳴りが大いにあり、激しく読者を揺さぶってきて最高だった。主に「動」のところを書いたけど、「静」のところでは交渉中の互いの思惑が毎度健在で読み入る。シェリルに気づかされたカツヤの踏ん切りも実践につながって、あの切り替えには笑ってしまった。じっくり読むのに最高なシリーズ
読了日:12月16日 著者:ナフセ
こわれたせかいの むこうがわ ~少女たちのディストピア生存術~ (電撃文庫)こわれたせかいの むこうがわ ~少女たちのディストピア生存術~ (電撃文庫)感想
頬を伝う涙を舐めた時の描写。涙が伝った。の表現にとどまらず、人間からあふれでたものを舐めて塩の味がしたことを確認して得心に至る描写があるのとないので印象がかわってくると思った。厳しい世界と血道を上げて生きていく少女の様相を表しているようで深く印象に残った。知ったことでわいてくる疑問、浮き彫りになる事柄。ラジオで学んだことを血肉にして身近なところから国レベルにまでつっこんでいく展開は終始わくわくがおさまらなかった。堅実な暗黒郷を描くファンタジーをじっくり楽しめました。
読了日:12月19日 著者:陸道 烈夏
こわれたせかいの むこうがわ2 ~少女たちのサバイバル起業術~ (電撃文庫)こわれたせかいの むこうがわ2 ~少女たちのサバイバル起業術~ (電撃文庫)感想
脱出劇もいいけど、カザクラと同じ武闘解釈を使う人間軍事力との邂逅でまた主人を守れなかったカザクラが打ちひしがれる展開、対ゴトクテンとなったときに対抗しうる力をもつために考え詰めるフウは悩み、自分の無力に苛まれるところからの「忘れ物だよ」の展開は胸があつくなった。一度は手放したものだ。そこから1巻の時と同じように大切にしてきたラジオから物語が始まり、その中核を担うのがやはりラジオであることがすばらしい。起業術~からの頼もしい仲間との総力戦は読んでいて熱波がすごい。頭が焼ききれんばかりの重厚なファンタジー
読了日:12月25日 著者:陸道 烈夏
豚のレバーは加熱しろ(2回目) (電撃文庫)豚のレバーは加熱しろ(2回目) (電撃文庫)感想
1巻の時と同様に豚視点の描写に小粋な微笑~大笑いネタが仕込まれているのと、メタフィクションのような読者に問うシーンもある。プラスで働いて面白いと思うシーン、かえってマイナスに働いて雰囲気を損なうシーンに感じられたところがある。難しい。1巻の時と重なる描写から忘れてはいけない大切な何かをを打ち震わせ滴が頬を伝うシーンではジェスは疑問に思いながらもどんな胸中だったんだろう。切ない系はそれだけじゃなくて物語の最後の方でも、再びお願いされてしまうことになるので岐路に立たされた豚の選択が気になる。
読了日:12月28日 著者:逆井 卓馬

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