ライトノベルの定義・市場・SNS依存と2020年11月の読書記録

2020年11月は興味深いラノベ情報があった。

ラノベ雑記

ラノベ市場に言及した記事↓とSNSについて
ラノベ市場、この10年で読者層はどう変わった? 「大人が楽しめる」作品への変遷をたどる

そっかーゼロの使い魔や灼眼のシャナ、SAOを読んでいた頃がライトノベル最盛期だったのかーっと。
所感として売れないから打ち切りが多くなった。長編ファンタジーが前のように続かない。

大人が知らない間に「若者のライトノベル離れ」が起きていた...!(飯田 一史) @gendai_biz

どちらの記事も共通してラノベ市場が半減した旨の言及がある。
10年前と今の生活で深く浸透しているものの違いに目を向けて考えてみると、中高生のラノベ流入低下の一因に
スマホ、SNSがあるのではないかと思ってる。
心理的メカニズムを研究し、人が依存するように意図して作られたソーシャルネットワーキングサービス通称「SNS」

フェイスブックの創設者が「人間の脆弱性を悪用して設計した」と述べている。
数年前、ツイッターの「お気に入り」が「いいね」に改名されたことは、「見たよ」のサインや気軽にお気に入り登録してほしい狙いがあったようだが、それは表向きで、本質は気楽にできる「いいね」をもらった側の承認欲求を増幅させてドーパミンをより多く放出させることにより依存度を高めて儲ける狙いではないかと思う。
人の脳の仕組みを突いている以上、不可抗力的に生活に深く深く浸透していくのはしょうがないと思う。
情報化社会というけど、その中核にSNSがあるのではないかと思うほど人の生活は様変わりした。
高学年の小学生の過半数が、中学生の7割が、高校生の9割がスマホを持つ時代。SNSをやっていないだけで仲間外れにされることがある。
人はふとした瞬間にSNSを見るようになった。何かを待ちながら、ご飯を食べながら、歩きながら、仕事しながら、そんな「ながら」の中にSNSが入り浸り,その瞬間の営みに親しむことがなくなってきている。承認欲求に満たされることに慣れて自然と何か通知がきてないかと期待して頻繁にSNSを開くようになった。
そうした生活の変化が招いたことの1つに「SNSによる集中力減衰」があるのかと思う。
「勉強に集中するのでしばらく離れます!」とSNSで流して自分自身を鼓舞している生徒・学生はいないだろうか。
集中力が低下しているので、読書の楽しさが分かる前に焦れて本を手放してしまうのではないか。
そもそもSNSをはじめ大量の情報を浴び続けた結果、受動の姿勢になりがちなので能動的に動く必要がある読書そのものに対しての抵抗感が高まっている時代なのか分からないけども、
10年前と今の中高生の大きな違いはSNSの有無であると思う。暴論なのかな。

かくいう自分はTwitterを使いまくってる。情報が集約され即時性に優れたTwitterは有用。追いたい情報をカテゴライズした各リストを重宝している。

※ちょうど警鐘を鳴らすかのように1月の新聞に「スマホ脳」という本が紹介されていたので電子書籍で読んでみようと思う。

アンデシュ・ハンセン(著)久山 葉子(翻訳) 新潮新書 2020年11月20日
杉井光先生が答えた「ライトノベルの定義」と考えた定義
『ライトノベルの定義』に対する最終回答|杉井光|note

に対しての各所反応「togetter」↓

杉井光氏による「『ライトノベルの定義』に対する最終回答」 「十代後半あたりの青春期に抱く憧れを、読者の心を惹きつけるための原動力として恥じることなく用いた小説」「読者はどきどきしたいのであって射精したいわけではない」

ライトノベル作家視点での定義論。さすがたとえの上手さもあって説得力がすごかった。
力説を埋もれさせてはもったいないのでメモする。
乗じて自分の考えるライトノベルの特徴を書くと、
・イラストがある(口絵または挿絵)
・主要人物が若い(主人公が人外を含む
・様々なジャンルで若者にキャッチーな用語で多感な10代の情動を大いに動かし、大人は若き頃の辛酸甘苦な青春思い出したり、羨んだり、郷愁にかられたり、恋愛以外のジャンルでは童心に返って物語に心躍らせる小説

最終的に導き出したライトノベルの定義は
カラー口絵や挿絵といった絵を用いて表現の幅を広げることで作品の雰囲気を伝え、物語に没入するまでの負荷を「ライト」にしている小説

子どもの国語や道徳の教科書には本文とセットで絵がついてるし、幼い子どもへの絵本の読み聞かせに親しんできた児童生徒が絵がある小説「ライトノベル」を手に取ってもらえる流れができればいいかなーと思った。

だがライトノベルという字面から色々軽い小説、物語が明るい小説といったイメージがついてまわってしまう。「ライト」から想起される印象が、ライトノベルを気にかけた読者にイメージダウンをもたらしてしまわないか。
第一印象が参入障壁になっちゃう!読めば分かるよ!面白いよ!という声は既にライトノベルを読んでいる読者に届く声であり、普段読んでない者からすれば、はじめの印象が上記の通りになってしまうかと思う。軽やかな筆致から硬派なものまで勢揃いだよ!という声が広まればいいな!

君死にたもう流星群に登場する国際宇宙ステーション撮影に挑んだ

11月21日は日本人宇宙飛行士が滞在する国際宇宙ステーション「きぼう」が17時半頃日本付近を通過する日ということで話題になった。2つ狙いがあった。1つは撮ってみたかったから。

久々に望遠レンズ+4倍ズームで撮影しようと思ったが、色々設定が足りなかった。光体の光度が予測できず、マニュアルピントあわせが上手くいかないまま中々速く動いているように見える物体を追従して撮るのは想像以上に難しかった。
もう1つの狙いは、みんながつけているハッシュタグをつけて作品を広めること。盛り上がっている時間内だけはワード検索やハッシュタグで多くの人からのアクセスが見込めるので、作品を知ってもらえると思ったから。
ラノベ読者に作品を面白そうだと思ってもらう以上に、普段本を読まない人も対象にしてそういう作品があることを知ってもらうことも大事だと思ったので。

TikTokがきっかけで本が爆発的ヒット
3ヶ月で7.5万部増刷!4年前の小説がTikTokきっかけで爆発的ヒットとなった全記録<スターツ出版インタビュー>

作品を広める人の声がもつ力は大きいのだと思った。多数のユーザーが共同で利用するサービス内で。
短めの動画形式の紹介に作風にあった音楽が加わることで印象に残りやすいのか。
質が格段に上がった商業版になると出版社が出している作品紹介PVに近似か。
再生されるべきすばらしい空戦戦記のライトノベルのPVをはる。かっこいい!
ガガガ文庫「プロペラオペラ3」PV

買った本

万博聖戦
その色の帽子を取れ -Hackers' Ulster Cycle-
現代社会で乙女ゲームの悪役令嬢をするのはちょっと大変 1

ハル遠カラジ2
吸血鬼に天国はない(4)

ぼくたちのリメイク8 橋場恭也
それでも、医者は甦る -研修医志葉一樹の手術カルテ-
ハル遠カラジ4
豚公爵に転生したから、今度は君に好きと言いたい10

読んだ本

11月の読書メーター
読んだ本の数:4
読んだページ数:1295
ナイス数:32

ヴァンダル画廊街の奇跡〈2〉 (電撃文庫)ヴァンダル画廊街の奇跡〈2〉 (電撃文庫)感想
美奈川先生の芸術への造詣の深さが落とし込まれた文を読んでいると作品が気になって芸術作品をネットで調べながら読むようになった。より味わい深く読めて楽しい。こう自然と好奇心を駆り立てられて学生時代には関心がなかった美術作品の絵と、絵に込められた思想に興味をもつのは、『ヴァンダル画廊街の軌跡』が自分にとって一種の芸術だからかもしれないっと。テロリストたちの物語ではあるけど目次全てが美術作品なので必ず作品の思想と絡めた話が出てきてどの短編も読んだ後に熾火のような、時に切なさが混じった温かさが残る読後感がある。
読了日:11月09日 著者:美奈川 護
ハル遠カラジ (ガガガ文庫)ハル遠カラジ (ガガガ文庫)感想
かつては人の命を奪う武器を造る兵器、今は鉄の心血を注いで人の命を守るロボット。 AIを搭載した暴走する機械が蔓延り、人類の多くが突如消失した世界で、かつて戦線に身を置いて人を殺すための武器を造っていたテスタが後に「ハル」と名付けることになる幼い少女と出会い『母』となっていく物語。理不尽な目に合う世界。だけど、隣に無機質な機械だろうが、鼓動をうつ命を宿した人であろが言葉で心通わせられる感情をもった大切な存在があれば、その人たちにとっては生きる希望たり得るのではないかと思う。
読了日:11月21日 著者:遍 柳一
ハル遠カラジ (2) (ガガガ文庫)ハル遠カラジ (2) (ガガガ文庫)感想
涙が滲んだ。人とロボットが命に、己が心に向き合う物語。感情的になるところをぐっと呑み込んでテスタの心中を推し量ってのアニラの一度目の「見誤ってはいけない」では冷静だった。だけど二度目の「見誤ってはいけない」ではその人物に向き合うことになるんだよね。そこのところのテスタの吐露は揺さぶられてしまうよ。二度目ってところがたまらない。一度踏みとどまったはずなのに、自身が問いかけてハルが返した言葉に、沁み込んだ先に見出した返したい、向き合いたいという答えの帰着がただ感傷に浸ってしまうし美しい。
読了日:11月23日 著者:遍 柳一
ひげを剃る。そして女子高生を拾う。4 (角川スニーカー文庫)ひげを剃る。そして女子高生を拾う。4 (角川スニーカー文庫)感想
吉田は沙優のためと色々言ってはいるが、そこに彼の意思がない。社会人として、沙優のため、事情を考慮して望ましい帰着となるような展開。だけどしょうがないのか。女子高生を匿うことによるリスクと沙優の家族の問題がある以上、一緒にすごす時間が長くなるほど、必ず迎えるお別れが辛くなるだけ。そういう現実的な問題を投影してくれるところが本作の魅力でもある。過去を打ち明けてからは涙もろくなっている印象たけど、今まで話せる時がくるまでため込んでいたものが堰を切ったようにあふれ続けているのか。本巻で何回涙を流したことか。
読了日:11月30日 著者:しめさば

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