マージナル・オペレーション02 感想

芝村 裕吏(著/文)しずま よしのり(イラスト) 2012/9
〇あらすじ〇
中央アジアでの戦いを経て、一年ぶりに日本に降り立ったアラタと2ダースの“子供たち”。彼らを待ち受けていたのは、空港での通り魔事件と、日本の国家組織を名乗る謎の女性“イトウさん”だった──。通り魔事件、イトウさん、新興宗教、そしてかつての上司と同僚……全てが結びついたその時、アラタは東京の市街での作戦遂行を決意する──。

タジキスタンの村から追放されたと同然の傭兵だった子どもたちを抱えて日本に戻ってきた主人公は、潜在需要があると見込んで日本で警備会社の設立を目論んでいたが"日本とはこういう国だった"とあったように子どもの教育に悪い日本人の醜さに辟易し、考えを改めることになる。戦地に立っていた子どもたちから見て日本人の顔は緩んで見えたところは日本の平和を感じさせるものだが、平穏であるが故に変わり映えしない日常に刺激があれば、飛びつき、騒ぎ立て、拡散するのが日本人の傾向。他にも彼らがいた内戦がある国と日本との数々の違いを実体験に基づいて描写していくのが本作の前半にあった。そんな違いに反応する子どもたち様子、本音と建前で考えあぐねている主人公の描写は、内戦がない落ち着いた環境だからできた物語のようで新たな側面をみせてくれた。


主人公たちに接触し仕事を斡旋してきた公安に所属していそうな人物とその背景の組織からは日本をコントロールする気苦労が伝わってくるようだ。

主人公とジブリールを筆頭にした子どもたちとのすれ違い。子ども達が武器を持つことなくのびのびと暮らせるようにしたいと親目線で考える主人公。イヌワシの役に立つ武器となった傭兵でなければ主人公の傍にいられないと考える子ども。両者の前にまずは食い扶持をつなぐために軍事関連の仕事をせざるを得ない現実。日本で思わぬ人物との邂逅があって便利なデバイスを入手し、軍事よりの仕事に貢献できる状況となってしまったが今後両者の行く道の先を読んでいきたい。

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