
雑記
らのすぽ!
KADOKAWA5大レーベルによるライトノベルの祭典、通称らのすぽがリアルとweb双方で開催された。webではアニメ化の作品ステージをほんの短い時間細切れに見ただけで、長く見たのは1日目の公式発表と2日目の最後。リアルでは4月にところざわサクラタウンに行ってきた。そのことは4月版の記録に書くとして、本イベントはグッズ展開も大々的に行われたイメージ。公式記念本「サクラコラボレーション」にはたくさんの作品の掌編やイラストが収録されていて豪華な一冊だと思った。「さよなら異世界、またきて明日」のイラストは至高だった。

発売前に公開された収録タイトルに「イリヤの空、UFOの夏」があったことからネットでは「秋山瑞人!?」って声があがっていた。編集部がそこを考慮したのか分からないけど、鋭意制作中のツイートの写真にイリヤのイラストが写っていた。今のところ秋山瑞人最後の登場は、きっとカクヨムにある物語の再演とメッセージだ。
→イリヤの空、UFOの夏(カクヨム)
読んだ本
時によかった本
機龍警察自爆条項上下
月村了衛デビュー作「機龍警察」の続刊で日本SF大賞に輝いた作品。龍機兵に乗る元テロリストの壮絶な過去と今に相まみえる元同僚と詩人との戦いの物語。
読んだ本の数:6
読んだページ数:2088
ナイス数:50

外国の紛争なんて自分には無害だ。だから無邪気でいられる。だが現地に立って加担した時、シミュレーション訓練のつもりで間接的に人を殺めてしまったと気づいた時、戦いとは無縁の日本人はどんな境地になるのだろうか。アラタ本人の気持ちとは裏腹に実績をあげて全幅の信頼を置かれることになり、主人公の心の移ろいと行動力からどんどん日本にいた時の人物像から離れていく様が見物だし本物の戦場に立つサラリーマンって感じで頼もしくかっこいい。彼は子どもの目に映った、空高く飛んで戦況を俯瞰する目となり導く翼をもったイヌワシなのだ。
読了日:03月19日 著者:芝村 裕吏

はじめに出てくるヒロインと袂を分かち、遠い異国の地で成り下がった身分の主人公が仲間を得て這い上がっていく本作「隷王戦記」は、ある戦記を想起させた。「烙印の紋章Ⅴ」だった。開示された人ならざる力を持った者の配置と、まだ明かされていない者がどう絡んでくるか。戦において軍勢の多寡は最重要だけど代償を伴う多くの軍隊に匹敵する戦力である人ならざる力で戦況は変わる。色々と話の発展につながる要素がたくさんあるので今後どうなるのだろう。
読了日:03月21日 著者:森山光太郎

主人公とジブリールを筆頭にした子どもたちとのすれ違い。子ども達が武器を持つことなくのびのびと暮らせるようにしたいと親目線で考える主人公。イヌワシの役に立つ武器となった傭兵でなければ主人公の傍にいられないと考える子ども。両者の前にまずは食い扶持をつなぐために軍事関連の仕事をせざるを得ない現実。日本で思わぬ人物との邂逅があって便利なデバイスを入手し、軍事よりの仕事に貢献できる状況となってしまったが今後両者の行く道の先を読んでいきたい。
読了日:03月26日 著者:芝村 裕吏

『機甲兵装』が紛争に投入されている世界を舞台に新型機甲兵装『龍機兵』をもつ日本警察が、国内で起きたテロやその背後で糸を引いている禍々しい組織を相手に戦う警察小説。龍機兵に乗る傭兵と精鋭が集まった特捜部の面々と彼らを統括する信頼には値するが職務経歴不明の部長。裏切り者の烙印をおされようとも警察官としての誇りを胸に、懸命にささいな手がかりから解決の糸口を手繰り寄せる警察官の物語と3機が特性を生かした戦闘をみせてくれた。1巻でも十分に読ませてくれたのに、まだまだ深遠な物語の入り口付近に立っている気分だ。
読了日:03月26日 著者:月村 了衛

とまらない面白さ。1巻と同じくはじめからおっぱじめる展開から浮上する背後の存在。そして本巻から職歴不明の敏腕部長の古巣でふる外務省が絡み駆け引きがはじまっていく。展開で見せつつも各々の人物描写では印象に残る書き筋が好印象。龍機兵バンシーに搭乗する元テロリストの過去編でも追々印象が深くなっていくような筆致で物語に深みで出てきて、現在進行中のテロ事案につながっていく。彼女の過去。真実の事実で大きな開きを見た過去だった。本人は少しは閉塞感が和らいだかもしれないが後々疼痛となって振り返ることが多いことだろうと思う
読了日:03月28日 著者:月村 了衛

当時ライザの心を惹きつけた詩人が書いた本と、機龍警察技術班の主任の父が書いた本との対比が、ライザの心を過去と現在の間で低回させているようで印象に残る。現場での有人機甲兵装同士のバトル、オペレート側の敵を詰みにいくための一手を繰り出すまでの過程は変わらず見物だ。元外務省の底が知れない沖津部長自身が詩人キリアンが紡ぐであろう物語を熟読した読者だったのかもしれない。現出した偶然でさえも物語に落とし込んでいく詩人と、この作者であればどんな物語を書くのか?と熟考を重ねていく沖津部長の読み筋も見入る
読了日:03月30日 著者:月村 了衛
読書メーター
買った本
- 隷王戦記
- 機龍警察自爆条項上
- 機龍警察自爆条項下
- リビルドワールドIV 現世界と旧世界の闘争 7
