マージナル・オペレーション03 感想

芝村 裕吏(著)しずま よしのり(イラスト)
〇あらすじ〇
新宿を恐慌に陥れた戦いの後、アラタたち一行は日本を出国し、タイへと降り立った。その地でアラタを待っていたのは、“子供使い”の悪しき影響で横行する少年兵を使ったビジネスと、“あの男”との思わぬ形での再会だった。再び、ファンタジーで現実を壊すべく、戦いに身を投じるアラタだったが、わずかな油断が、子供たち──そして、彼を愛した女の命を窮地に陥れてしまう……。

人の憎悪は損得の通念を捻じ曲げる

1つ村を自分の手で滅ぼした以来の主人公の失敗、それにより命を失う悲劇を描いた物語だった。
子どもたちが戦いから離れた、自分で進む道を選べる生活を送れるようにすることが主人公の行動の指針で、今は養うために、必要な資金を調達をするために傭兵稼業でオペレーターとなり、子どもたちを戦場に送り出している。戦場で才を発揮した采配で誰も失わずにいることが戦いを続けていく以上は困難で、戦争ビジネスの損得の観点を重視した主人公は、戦っている相手が地図に表示される記号ではなく、感情をもった人であるという意識が低かった。人の憎悪は損得の通念を捻じ曲げてみせることに"人らしさ"を悲しい形でみた。取返しがつかない時点で気づくことの大きさ、それが失われた命であるとき失意と自責とおし寄せてくる喪失感。上手くいったりいかなかったりと物語の起伏に富んだ本作だった。

ジブリールは主人公に懐いていて、思春期特有の物腰が表れていく。親子に見えてくると別れの時に哀愁が漂いそうだけど、少なくとも死に別れはなそさう。既に本作の「改」の方の最終巻の表紙を見てしまっているので。
知って安心なのか、一部先を知ってしまって悲しいのか複雑なところだけども!ジブリールの他、数人の筆頭子どもたちが紹介されて活躍しているので主人公周りの関係性が深くなっていく。

傭兵を導く「イヌワシ」として、悪名に近い印象の「子ども使い」としてカバー範囲が広がって後半では大所帯となった。各所とネットワークを構築していているようだし、それに伴ってストーリーも幅が広がっていくのか次巻の中国人民解放軍との戦いを読んでいく。

スポンサーリンク