機龍警察 狼眼殺手 感想

月村了衛(著)
〇あらすじ〇
巨大インフラプロジェクトの関係者数名が何者かに射殺された。被害者の一人が特捜部が追う馮グループの要人で、疑獄事件の疑いもあることから、捜一、捜二、特捜部の合同捜査となる。だが、警察内部の軋轢を嘲笑うかのように、事件は全く別の様相を見せる……

次々と大規模な問題が浮かび上がって、これからどう展開していくのかと読み進めていたら、それらを上手く調理して次々と読ませる展開につなげていく巧みさを感じつつストーリーにも没入して楽しむことができた。
THE・警察の物語って感じで機龍警察の龍機兵の活躍を楽しみにしている人は残念な気持ちになるかもしれないが今回はその秘密と謎めいた沖津部長の身辺に迫る話が興味深かった。現代の5年先の技術をもつ龍機兵の出所の話、そしてそれを話さなくてはならない状況下、自爆条項以来のライザの過去が絡む展開もあり濃厚だった。もっと深く読み込むことができたら利権絡みとか色々想像膨らませて楽しめるのかなぁと思いつつ。
警察の多くの部署が連携するほどの大きな問題に忍び寄る狼眼殺手の脅威。その正体の過去と戦闘の話でライザ・ラードナーが活躍し、胸がつまる思いをしながら読んでいた。自爆条項から出てきたキリアンの本と緑の父が残した本がライザの思考に大いに影響して、彼女自身が気づいて見方を変えていくところは戦闘の迫力と並行して静かな迫力があるかのようだった。見向きせずにはいられない迫力が。
やはり警察は嫌いだ、と言って自分は警察官の〇〇だと言い切る凄みのある描写。警察官として、普段他人には伺わせない感情を殺して職務を全うする凛々しい警察官の物語を読むことができた。


特捜部の旗頭である沖津部長の住処についての話がさすがといった感じだった。また、<敵>がどれほどの上の階級にくいこんでいるのかも。

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